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3種盛り 第3のリベロ Vol.44

毎夏、WOWOWで放送されるたびに観る映画が「クライマーズ・ハイ」だ。原田眞人監督の2008年の作品はとにかく描写が濃密で、繰り返し魅了される。徹頭徹尾、すべての場面に無駄が無く、主演・堤真一をはじめとするキャストの技量も相まって自ずと画面に引き込まれていく。鑑賞経験がごく乏しい私にも、こういう映画のことを名画と呼ぶのだろうとわかる。御巣鷹山での日航ジャンボ機墜落事故から、折しも今日で39年になったという。

開会式でセリーヌ・ディオンが力強く歌い上げた「愛の讃歌」に、ヴィッセル神戸サポーターの一人として本能的に感動してからはや2週間が過ぎ、パリ五輪も閉幕した。自らの想像力不足が恥ずかしいが、バスケットボール男子のフランス戦は、きっと勝ち目は無いと録画視聴を選んだところ、よもやの大接戦。結果を知ってしまったうえで観ても、最終的に銀メダルを獲得した開催国を第4クォーターの残り16秒まで4点リードしたゲームには、胸が熱くなった。陸上男子の4継こと4×100メートルリレーでは、予選を4番目のタイムで突破し、決勝戦でオーダーを変更したなか、3走・桐生祥秀がアンカー・上山紘輝へトップでバトンを繋いでみせた。日本勢のメダル量産のなかにあっては、ともに陰に隠れた出来事かもしれないが、これからの希望として記憶に刻んでおきたい。

母校に近い仁川駅のそばに昨秋オープンしたというお店は、二階建てのお洒落な空間だった。昼間はカフェとして営業されている場所で、農家を営むシェフが夜間だけ間借りしてパスタやピッツァを提供しているという。前菜の3種盛りは、ニンジンのマリネと柔らかいキッシュに、トマトのブルスケッタ。デザイン性と座り心地を両立した回転椅子に腰掛けると、なおのこと色鮮やかに映る。映画に五輪に食事、なんと贅沢な3種盛りだろうか。待ちに待った盛夏休暇に突入し、生活を満喫する心のゆとりを回復できた。

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