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4文小説 Vol.35

「いよいよですね。もう、決まりでしょ」職場のデスクに並べたエンブレムとグッズに気付いてくれた出入り業者の方から、好意的に話題を向けられた。

「いや、まだわかりませんよ、まだ心配ですよ」と返したのは、謙遜でもなんでもない。

宿願、積年の夢に手が届きそうなところへきたというのに、期待と不安が相半ばした心持ちは晴れず、もはや仕事どころではなく明日は年休を取得することにした。

叶うのか否か―来週あるいは今週にも明かされる結末を前に、居ても立っても居られない緊張感に苛まれている。

―優勝なるかヴィッセル神戸


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