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"無形資産が経済を支配する"から探る、テック企業の隆盛の秘密。

この度、"無形資産が経済を支配する"という本を読んだので感想を記します。

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書籍名:無形資産が経済を支配する 資本のない資本主義の正体
著者:ジョナサン・ハスケル、スティアン・ウェストレイク
発行:東洋経済新報社

 端的に述べると、本書はいわゆる"FANGMAN"といった企業やシリコンバレーの隆盛の要因を、経済学的な観点から分析する内容です。通読することで、日々のニュースや身の回りのサービスから漠然と理解していたそれらの企業の今日の成功について、いまいちど知識を整理することが出来ました。

 無形資産の活用という点では、先程も述べた"FANGMAN"の異常なほどの成功が念頭にあり、(Microsoftなどもっと早くから成功した企業はありますが)ざっくりと2000年代から始まったものだと考えていました。

 しかしどうやら無形資産の台頭はより以前から始まっており、"IT業界の成功"というよりも人間生活の大潮流とでもいうべき一大ムーブメントであるとのことが理解できました。

 また経済的な内容の記載に留まらず、無形資産のもつ特性は社会格差を生み出しやすいことから、近年の世界各国の選挙で観察される政治的な分断等についても説明しうるとの記述もあり、社会をより多面的な見方で捉えることができるようになりました。

 経済に関心のある方だけでなく、Nasdaqに上場しているようなテック企業に興味のある方、社会の格差について学びたい方など、多様な方におすすめできる本であると思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

▶おまけ
 無形資産を活用するビジネスを行う企業が集うNasdaq市場において、代表的な指数である"Nasdaq 100"のチャート。

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▶ほかにも書籍感想noteを書いています。

▶使用した画像


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