パラレルキャリアで見つかる新しい自分の価値 vol,07

パートナーとの関係性

パラレルキャリアといっても、何かをやり、継続するためには当然時間がかかります。その時間をいかに捻出するかは死活問題です。

育児、ましてや幼児がいたら、日々めまぐるしく忙しいもの。
あっという間に1日が終わってしまいますし、そのあとに何かをする気力がない気持ちもよくわかります。

そこで、とても大切なのはパートナーとの関係性です。

子育てをしていると、本当に大人の手が足りない。パートナーとうまく協力関係を築けるかは、全てにおいて重要な意味を持ってきます。

時代の変わり目と変化する必要性


この10年で働く女性は以前よりずっと当たり前になりました。

でも、まだ働く女性が今ほど当たり前でなかった頃は、男性も女性も旧来の「男は家庭を守るために働く」「女性は家事育児をする」という固定の形にお互いが囚われていて、そしてそれをまだずっと引きずっているご家庭も多いのではないでしょうか。

私の周りはまさに「その前」の世代なので、幼稚園のママさんは専業主婦が大半のせいか、昭和的価値観を夫婦ともに持っているご家庭が多いな〜と感じます。

でも、昔の「夫は働き、妻は専業主婦」っていう形をかろうじて維持できていたのは、男性サイドがとりあえずお勤めの仕事をしていれば「老後までそれなりに生活」ができていたからなんですよね。ただ、ご存知の通り、熟年離婚が多いくらい、お互いの気持ちは離れちゃいますけど。


でも、実際きちんと計算してみると、自分たちの親がしていてくれた生活水準と教育を子供に与えるだけの収入はない家がほとんどであることに気がつくと思います。

「とりあえず会社に勤めていれば一生生活はできるはず」というのは、ただ単に感覚だけの希望的観測で、実数値に基づかないものです。
実際給料平均は下がっていて、貯金は金利もつかない、さらに学費も消費税も物価も上がっているんですから、そりゃそうですよね。

さらに年金も全く期待できない世代。

相当給料のいい会社に勤めているか、実家や義実家の遺産が期待できるなら話は別ですが、普通の人はそうではないはず。


とはいえ、私も独身時代は好きなことに浪費ばかりで金銭感覚が全然なくて、実数値という現実に向かい合うには随分時間がかかりました。「親もやっていたからなんとかなるだろう」より先に、なかなか進めない。多分ほとんどの人が、そこからのスタートなんじゃないかな。

話し合わないとこの変化の時代は乗り切れない


周りを見ていて思いますが、パートナーと腹を割って話し合って一緒に価値観を作っていくというのが苦手な人が多いように思います(モラハラやDVの場合は別です。その場合、そもそも対等に話あうということが不可能なので、その場合は専門的なカウンセリングなどでないとどうにもならないと思います・・・)。

「話してるんだけど、全然わかってくれない」

という話もよく聞くんですけど、よくよく聞いてみると、ちょっと言ってわかってもらえなかったから、もう言わないとか、一度大げんかしてキレて、その後しばらくは少し関係が改善したけどやっぱり元に戻っちゃったとか。ケンカになるのが嫌だから、そもそもちょっとしか言わないとか。

それって全然先に進めていないのでは・・・という話が多いです。いや、変わりたくないなら全然いいんですけどね・・・。

一度言ってわかってもらえるなんて、「やってくれることを言わずに期待して勝手に裏切られる」に毛が生えた程度。

大人の価値観を変えるわけですから、何度も何度も話して、いろんな例示をしたり角度を変えて話して、やっと少し前進できるかな、くらいのもの。お互い無傷で済むわけがなく、もちろん何度となくケンカにもなりますが、やっぱりそのくらいやらないとダメなんじゃないかな・・・と思います。

でも、もしもそうやって傷だらけになりながらも、話し合ってお互いに同じ方向を向いて一緒に価値観を作っていける関係になれたら、もうそれは一生ものなんです。

自分のパートナーほど頼れる相手なんてこの世には存在しないんですから、それだけ努力する価値があると私は思います。

でも大事なのは、ケンカより仲直りです。
ケンカしたら必ず仲直りすること。できればその日のうちに。

そして、「あくまでも、私はあなたと一緒により良い生活をしていきたいから話している」と言うことを何度も確認するようにわかりやすく伝えることは大前提です。大事なのは、サルでもわかるくらい、それを口に出して繰り返し言うこと。ちょっと言ったくらいで伝わっていると思うのは、単なる怠惰です。

相手と自分は違う人間なので、めちゃくちゃわかりやすくしかもいろんな角度から繰り返し繰り返し言わないと、ほとんどのことは伝わってないと思ってもいいでしょう(実体験に基づく)。たとえ伝えたとしても、大体時間とともに忘れちゃいます。
特に育児をする世代って忙しいし疲れているので、思った以上に頭を動かさず、習慣でしか行動していないものですから・・・。

危機感と感覚を共有すること


色々話が回り道して戻りますが、自分の能力を伸ばしていくことは、家族にとって可能性を増やしていくことでもあります。


実は専業主婦家庭にとっては、夫の収入を増やすより、妻の収入を増やす方が手っ取り早いんです。しかも、そもそも片方の収入である程度やっていけているわけですから、伸びしろはかなりある状況です。

まずは夫を味方につけること。

そのためには、先ほど話した「現代のお金の現実問題」という危機感を実数値で持つこと。その危機感を共有して、「それを一緒に乗り切るパートナー」としての立ち位置を確立するのは、一つの有効な手段なんじゃないかな、と思います。


もちろん、話すときは感覚的な金額じゃなくて、きちんと自分が家計を把握して、実数値を自分自身も理解する必要があります。当然なんですけど、対等であるためには、知識も努力も必要です。

「確かに相手の言うことには裏付けがあり、一理ある」

と思わせる程度の知識と裏付けがないと、まあさすがに相手も話を聞いてくれないと思います(私が男でも、なんとなくの感覚で話されても聞かないと思う)。


それから自分の計画するプランを話して、お互いに協力して家庭を支えていけるように頑張っていきたい、と言う気持ちを伝えること。

女性だって男性と同じように教育を受けてきたんですから、能力に差なんてありません。ましてや恋愛で一緒になったのだから、「パートナーと一緒により良い家庭を築きたい」と言う気持ちは一緒のはず。


私が第一子を産んでから一番努力をしてきたことは、育児よりも、夫との関係構築でした(子供に関しては、こう言ってはなんですが、正直幼稚園前くらいの記憶は子供には残っていないので、遊んであげるとか教育をするということはそんなにこだわらず、生活のお世話をするくらいで全く問題ないと思っています。)。

確かに私の夫は優しいし、元々とても家族思いです。でも、私が「旦那様」として扱っていたら、今のようには全くならなかったと思います。

「家にいるんだから、もっと努力して家事をしてほしい」

と言われたこともあります。

実は俺様夫は、妻自身が「旧来の良き妻と思われたいがために」作り出してしまっていることも、決して少なくないと思います(何度も言いますが、モラハラDV夫は除く)。

専業主婦家庭って、夫も妻も、どちらもが「被害者」になってしまっている状態の家も少なくない。


「夫は嫌な仕事を我慢して、家族のために身を呈して働いている被害者」
「妻は、家庭に縛り付けられて、家庭に協力的でない夫に不満を感じながら育児をしている被害者」


それだと、お互いに言い分が合致しません。お互いに被害者になってしまっているから。

でもそれってなんだか悲しいことですよね。
そんな風になるために、結婚して家庭をもうけたんじゃないはず。

自分の自己実現の先に、夫と家族の自己実現もあるような道筋を話し合って立てていくこと。そのためには、自分がなんのために動いているのか、ということをパートナーに深く理解し、一緒に行動してもらう必要があるということです。

確かに平坦な道ではありませんが、やっぱりそう言う努力をしたのかしてないのかで、自分の動きやすさは変わっていきます。

「話し合いは面倒なので、そう言うのがなしでなんとかしたい」と言うのは、結局遠回りなんだと思います。
もちろん相手もなるべく自分の立場を維持したいですから簡単には変わってはくれません。でも、自分が実際に動いて、生き生きと楽しそうにしている姿を見せたら、相手って自然と変わっていくものなんですよね。


vol,08へ続く→

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