Xiaomi2024年過去最高益を生み出したAIベースの「人・車・家」全エコシステム戦略とは

Xiaomiは2024年第2四半期に過去最高の業績を達成した。収益889億元（前年同期比32.0%増）、調整後純利益62億元（同20.1%増）を記録し、自動車事業も好調なスタートを切った。スマートフォン、IoT、インターネット事業も大幅成長を遂げ、それぞれ465億元、268億元、83億元の収益を上げた。

この成功の背景には、AIを活用した「人・車・家」全エコシステム戦略がある。卢伟冰総裁はこの戦略の独自性と将来性を強調し、雷軍CEOはAIへの投資が好業績の要因だと説明している。Xiaomiはこの戦略をさらに進化させ、今後の発展に無限の可能性を見出している。

雷軍はかつてから、XiaomiがAI分野においては一切の妥協をせず、今後も500億元を投資して「人・車・家」全エコシステム戦略を支援すると述べており、将来的にはすべての技術企業が人工知能企業になると予見している。

AIをベースにした「人・車・家」全エコシステムの基盤

2024年第2四半期、Xiaomiは全事業で著しい成長を遂げた。スマートフォン事業は世界出荷4220万台（前年同期比28.1%増）で世界3位を維持し、収益は465億元に達した。国際市場では58カ国でトップ3入りし、日本とラテンアメリカで急成長した。IoTと生活消費財事業は268億元、インターネット事業は83億元の収益を記録。IoTプラットフォーム接続デバイス数は8.22億台、月間アクティブユーザーは9690万人と過去最高を更新。1410億元のキャッシュリザーブを維持しつつ、「人・車・家」を網羅する製品マトリックスを形成し、電動自動車事業を含む全社の成長基盤を強化している。

AIの力が、ビジネスの強力な成長を助けている

Xiaomiは、堅実な基盤の構築に加えて、AIなどの新技術への投資に力を入れている。今期、Xiaomiの研究開発支出は55億元に達し、前年同期比で20.7%増加した。研究開発への投資は引き続き増加しており、XiaomiのAI技術は多くの分野で革新を遂げている。これにより、ユーザー体験や製品競争力が向上し、Xiaomiが「AI全面強化」のリーダーであることを証明している。

スマートフォン分野では、小愛同学（Xiao Ai）のマルチモーダル認識と理解能力がアップグレードされ、AIドキュメントQ&A、AIスマート写真作成、通行人の除去、AI画像拡張、画像Q&Aなどの新機能が追加された。これにより、より豊かで便利なスマート体験を提供し、Xiaomiの高級市場での成長を強力に支えている。

XiaomiのAI技術は、自動車分野にも広く応用されており、Xiaomi自動車のインテリジェントドライビング支援、オートパーキング、そして小愛同学の音声インタラクションに強力な技術的支援を提供している。Xiaomiの自動運転システム「Xiaomi Pilot」は、全技術を自社開発しており、エンドツーエンドの大規模モデルを使用して、認識、意思決定、計画が一体化されたインテリジェントドライビング支援機能を提供している。このシステムは、5cmの精度で狭い駐車スペースへの駐車や、最大23km/hの巡航速度での代行駐車が可能である。

車内の音声インタラクションにおいては、Xiaomiの自社開発「MiLM-1.3B」エッジ大規模モデルと全車両感知のマルチモーダル統合により、「Xiaomi SU7」の音声インタラクションが全面的にアップグレードされた。これにより、車内で手動操作が必要だった機能も小愛同学がすべてカバーできるようになり、自動車が人間のように現実世界を理解することが可能となった。2024年7月には、Xiaomiが初めて発表した音声大規模モデルが「Xiaomi SU7」シリーズに搭載され、車外での起動防御機能を提供し、ユーザーに新たなスマートドライビング体験をもたらした。

製造全体に深く浸透するAI

Xiaomiは、AI技術を活用して製品力の向上だけでなく、スマート製造全体に深く浸透させている。特に自動車工場では、Xiaomiが開発したAIシミュレーションシステムを活用し、「Xiaomiタイタン合金」を生み出し、大規模鋳造や欠陥検出の分野で革新を遂げた。また、高速モーターの研究から「XiaomiスーパーエンジンV6」「V6s」「V8s」を開発した。

さらに、Xiaomiのスマートフォン工場「Xiaomi昌平スマート工場」では、年間1000万台のフラッグシップスマートフォンを生産し、100%自動化と高い自社開発率を実現している。この工場は「国家級スマート製造標準企業」として認定されており、Xiaomi 14やMIXシリーズの生産も行っている。

AIはXiaomiの至る所に浸透しており、同社は自社開発にこだわり、未来に向けて着実な歩みを続けている。雷軍は、自社開発がXiaomiを世界トップ5の自動車企業へと成長させる鍵であると語っており、Xiaomiはその挑戦を続けている。