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クラウドソーシングの孤独

在宅フリーランスは孤独とよく聞くし、わたし自身も孤独を感じた経験は一度や二度ではない。
転勤族であるわたしはプライベートで、気軽に会える距離での知りあいをつくりにくいがゆえ孤独を感じる部分もあるかもしれない。
でもやっぱりフリーランスとしての孤独は、フリーランスのつながりじゃなきゃ解決できないだろうと感じる。


わたしの在宅フリーランスとしてのスタートは、クラウドソーシングサイトだった。
通勤もないし嫌な上司・先輩と顔を合わせなくてもいい気楽さはある。でも画面の向こう側でクライアントはどんな顔をしてわたしへのメッセージを打っているのかわからないし、メッセージに書いてあることが本音なのかもわかりにくい。

「すばらしい記事をありがとうございました。またぜひお願いします」と好感触だったのに、その後梨のつぶてだったクライアントは幾人もいる。
ああ、あれは社交辞令でぬか喜びしていたのだと、あとになって気づく。
気づいたとしても何が良くなかったのか知る術がなく、1件1件、自分なりにまじめに、探り探りやっていくしかない。

もしこれが、たとえば編集社や出版社から独立してライターになった人だったら、ずいぶんアドバンテージがあるだろうと思う。
画面の向こう側で繰り広げられるやりとりの想像がつくだろうから。

わたしは編集社も出版社も、その内側を知らない。
みなさんどんなふうに仕事をしてるのか、どんなノルマがあってなにをしたら上司に評価されるのか、あるいは怒られるのか、知らない。

デキる先輩の仕事っぷりを見て自分の仕事を省みることもない。

もし同じ空間でデスクをならべて仕事をしていたら「こうしたほうがいいんじゃない?」「これ確認したほうがいいよ」なんて、アドバイスをもらえるかもしれないし、なにより困ったら自分から相談できる。


わたしには同僚も先輩もいないし、煌々と光る画面の向こう側はブラックボックスだ。
担当者がどんな立場の人で、どこまでの仕事を抱えているのかわからない。

なにをしたら担当者もわたしも◯がもらえて、どれが△で✕なのかわからない。
書いた記事がPCの向こう側に吸い込まれてから梨のつぶてになるまで、わたしはどんな✕を踏んだのか。
もしかしたら担当者さんはわたしのせいで上司に怒られたのだろうか。

結果が出ていないときはもちろん、出ているときでさえこのままでいいのか、もし対応に困ることを言われたらどうしようと、いつも頭のなかは「?」でいっぱいだ。


ほかのライターや編集者はどんなふうに仕事をしているんだろう。
自分の強みを見つけようといわれても、まわりに誰もいないのだから。
「あ、自分はこれが意外とできるのかも」と気づくきっかけもない。


先日、先輩から「調べて書く文章に向いている」とひと言いただいた。
ライターなら調べて書く作業なんて日常茶飯事だ。正直「あたり前のことじゃないか」と驚いた。
逆にわたしは調べて書くのにものすごく時間がかかるので「できないほうだ」と自分で認識していたぐらいだ。

でもたくさんのライターを見てきた先輩がそう言ってくれたのだから、わたしはきっと「調べて書く」というあたり前のことをきちんとできているのだろう。時間はかかるかもしれないけど。

ちなみに先輩とは、同じオンラインコミュニティに所属している先輩ライターのことだ。
先輩方に記事を見ていただく機会がふえて、ようやく「?」がひとつひとつ解消できつつある。
まるで納豆をかき混ぜるように、どうしようどうしようとひとりで「?」をこねくりまわしてネバネバするより、よっぽど生産的である。


孤独はひとりでは解消できない。
とくにクラウドソーシングサイトから入ったフリーランスは、画面の向こう側のクライアントも見えなければ隣に仲間もいない。
心細いし疑心暗鬼にもなるし、孤独だ。

SNSでもオンラインコミュニティでもいいから、なんとか仲間を見つけられたらいいなと思う。



今日も読んでくれてありがとうございます。
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