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ふやしたくないインテリア、捨てられないJOHN WICK

すこし前に友人がマンションを買った。
思いのままに床や壁を塗りなおし、もはやドラマに出てくるようなおっしゃれーな居城と化している。
まじで劇的before & after である。

広々とした壁には複数のアートが飾られ、どこか異国調のラグマットにイエローのソファー。カーテンはブルー。
それっぽい雰囲気の間接照明がいい具合にすべての派手さを和らげている。

…いったい爪切りやティッシュペーパーはどこにしまってあるのだろうか。
まったく生活感が感じられないが、彼は確実にそこで働き、自炊し、生活しているはずだ。


そういうセンスがわたしにもあればよいのだが、どうにも苦手だ。
一時期500ピースだか1,000ピースだかの細かいジグソーパズルにはまり、完成したなんとか大聖堂をしまったままにするのもどうよと思って壁にかけてある。

その隣には好きなバンドのライブで買ったグッズ、そしてフィリピンで買ったお土産…。

大聖堂とロックバンドとフィリピン。
どれも主張が強すぎる。調和の「ち」の字もありゃしない。
好きなものがとっ散らかっているわたしにとって、インテリアに統一感を持たせるのは至難の業である。

数年前からこれ以上は部屋にものを飾らないと固く心に決め、アドレナリン大放出のライブ会場で思わず手が出そうになるあれこれもぐっとセーブしてきた。


さて、わたしは映画館で映画を観るのが好きなのだが、映画館に足を運ぶとほぼ必ず、公開予定作品のチラシをもらってきてしまう。
やることを書いたふせんをPCに貼っていくように観たい映画のチラシをホワイトボードに留めておき、観にいくと処分する。

しかしこれもまた、どうにも1枚だけ捨てられないのだ。

2023年9月22日公開
ジョン・ウィック:コンセクエンス

シリーズ4作目となるこの作品、映画館での観賞は叶わなかった。
そして公開から4ヵ月経った本日、各種サービスで配信が始まった。


いや1~3作目も妹におもしろいと勧められて配信で観たのだが、見事にはまってしまった。

ジョン・ウィックとは超絶かっこいいが超絶不器用な男である。
愛車と愛犬の恨みを晴らすために、一度足を洗った裏社会に逆戻りして倍返しどころか100倍返しをお見舞いする。
狙った獲物はマフィアのボスであろうが権力のトップであろうが確実に仕留める。
そんなことをしているもんだから裏社会すべてから「やばいヤツ」扱いされ、莫大な懸賞金をかけられ、結局追っているんだか追われているんだか、ありがちといえばありがちな展開だ。


なぜジョン・ウィックにこんなにも惹かれるのか。
主人公にも関わらずセリフの数が少なすぎる寡黙さ。
復讐の手段は一見めちゃくちゃだが、人を騙さないし一般人にも絶対に手を出さない美しさ。
群れない孤高さ。
圧倒的な実力。

君子の交わりは淡きこと水の如しというが、ジョン・ウィックは数少ない仲間ともベタベタとつるまない。


別にわたしは復讐したいわけではないし、そんなに無口でもないし、彼みたいに世捨て人っぽくなりたいわけではないけれど。

もはや常時オンラインがあたり前となった今の世の中で必要以外オフラインでいたいし、見るからにキラキラとスター性のある目立つ人間よりもマットでエッジの効いた魅力あふれる人間でありたい。
すぐ味がなくなって吐き捨てられるガムじゃなく、噛めば噛むほど味の出るスルメのような。


さ、もうひと仕事して、ジョン・ウィック再生しようではないか。



今日も読んでくれてありがとうございます。
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