暗いことは癒し
12月1日。今朝は胃が気持ち悪くて起きた。きのうのステーキをレアに焼いてしまったからか、高級牛肉の脂が合わなかったのか、とても胃がムカムカした。
仕事もあるけれど、体を動かしたくてたまらず、午前中に散歩に出た。コートを羽織り、iPhoneと傘だけもって、あとは手ぶらで、化粧もせずにふらふらと。
川の音が聴きたくて坂を下っていった。川のそばまでくると、『そうそう、この音』と言いたくなるような音たちが鳴っている。
今日は一段と冷えこみ、曇り予報のはずなのに時おり雨がぱらつく。
川沿いを歩いていき、大きな木の下の薄暗くなっているところで足を止めて川の音を聴いていた。
『暗いということは癒されるな』と思った。薄暗い曇り空、うっそうとした木の下、無言で聴く川の水音。胎内にいるような安心感があった。
ここならわたし、暗くてもいいんだ、という安心感。
明るい太陽のような人への憧れなのか、いつも気づくと明るく振る舞おうとしていたのかもしれない。暗くてもいいんだ。だってこんなにも安心する。
それからまた歩いていくと、今度はそこここに色が溢れていた。自然は何千年も前からこの色合いを地球の上で繰り返している。
わたしたち人間は色を失いつつあるのに、自然は変わらず色に満ちていた。日本の街は、人は、どうしてこんなに無彩色になってしまったのだろう。
川を見ていたら規則正しく並ぶ小さな波がたっていて、龍の背中みたいだなと思った。自然はたくさんの話をしてくれる。
「暗黒」は悪いことじゃないと思う。暗いものがあって、明るいものがある。それはどちらも当たり前にある。
1時間半も歩いた。
ちゃんとお腹がすいてお昼を食べて、疲れて昼寝して仕事した。幸せな気分になれた。よかった。