読書記録:経営チーム像

1.人生を変えるサウナ術 なぜ、一流の経営者はサウナに行くのか?(松尾 大、本田 直之)

発散よりも内省、と短時間の工夫で自然に余裕をつくる習慣が参考になる

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<Point>
・ストレスの多い世の中から精神と肉体を一時避難させ、自分と向き合い立て直すための瞑想空間を持つ
・体内の老廃物が汗とともに排出され、身体の物質交換が進むことで疲労回復に繋がる
・睡眠不足状態での仕事効率は飲酒時に近い
・深い睡眠効果を得たいときにはセット数を増やし、身体を副交感神経優位のリラックスモードに導き、リフレッシュして作業をしたいときはセット数を抑える
・消化器に消化のための血液が集中してしまうため、サウナは食前が望ましい
・サウナに入った後は細胞が脱水状態となり食べ物や栄養素の吸収率が上がり、味覚が良くなる
・サウナに入る方が風邪の罹患率が低いとの研究もある
・交感神経と副交感神経のバランスが不規則になると心身に支障をきたす
・香りによって交感神経と副交感神経のどちらを活性化できるか異なる
・サウナで強制的に雑念が取り払われた純度の高い思考でアイデアを結晶化する


2. CHROの原理原則―人事は水を運ぶ― (堀尾 司、山崎 賢司)


経営と現場、今と未来の視座と視野を行き来しながら運用力のある人事施策を講じていく原理原則が学び深い

<Point>
・人事施策は、つくって終わりではなく運用がその成否を左右するため、時にはしつこくコミュニケーションをとりながら理解・納得・共感・行動を醸成していく動きが必要
・経営レベルに視座を上げずに、人事だけを主語にして施策を考えると判断を見誤る
・常に次の成長課題を予見し、戦略的に準備を進められるか
・組織設計は業務の特性や社員の特性によって異なるが、業務フローや意思決定のフローを明確にすることは原則
・成長期の組織はすべてが計画通りに進むものではないため、成長期は常に組織デザインの更新が必要になる
・コンフリクトが起こることを前提にした柔軟な組織をデザインする
・他者に説明する機会をつくることで、ビジョンとの同期化が深まる
・正しいとされる認識や行動を上書きしていくことによってしか、風土を変えていくことはできない
・キャリア自律の支援をすることは個人の成長も組織の成長も引き出すカギとなる
・衛生要因と動機付け要因を混同せずに、それぞれの施策を打つ


3.最強CFO列伝(井手 正介)


専門的役割からCEO候補として脚光を浴びるCFOの偉人のストーリーが壮大で長い時間軸の挑戦のダイナイズムを感じます

<Point>
・CFOはどの部門を残し、どの部門を捨てるかの経営リソースの強い責任を負う
・GEジャック・ウェルチのブレーンとなったダマーマンCFOは、数値予測ではとらえられない長期のキャッシュフロー見通し、人材と資本を最も効果的に配分することで業績を引き上げた
・ウォルト·ディズニーのゲリー・ウィルソン CFOは、戦略とイノベーションに強みを有して、資本効率を高めた
・コカコーラのゴイズエッタは保守的な財務政策を変革して、責任者の説明責任を突き詰めることで、幹部候補を見極め、計画実行力を改善した
・メルクのルウェントCFOは為替レート変動による財務会計上の利益の変動を低減させる財務シミュレーションによってリスク対策を強化した
・IВMのヨークCFOは資金繰りリスクで倒産が見通させる危機をオペレーション最適化したコスト削減計画を早期に実行して救った
・マリオットのボーレンバックCFOはディールメイキングに強みを有して、経営戦略を実現するための交渉を勝利に導いた
・ウォルマートのメンザーCFOは、具体的な経営シミュレーションでリスクを提示することで経営陣の合意形成を図り、高いROEを維持するモデルを構築した
・日産のムロンゲCFOは収益性重視を貫くための透明性を実現して、利益を創出した


4.CFOポリシー(柳 良平)


見えない価値を可視化する非財務戦略の重要度が統計や理論でインプットできる内容

<Point>
・非財務資本には,知的資本,製造資本,人的資本,社会·関係資本,自然資本ある
・ガバナンスの重要度は年々増している
・世界の投資家は日本企業の配当政策に関して,「バランスシート·マネジメント」,「最適資本構成を踏まえた最適な配当政策」を求めている。一方,日本企業は安定配当や「平均配当性向30%」に固執している傾向がある
・自社をキャッシュ·フローから語れる企業は極めて少ない
・過剰な現金保有は,貨幣流通による経済循環の妨げになる
・海外投資家は2022年調査では日本企業の保有する100円は52円の価値しかないとしており、積みあがる現金,有価証券,資本コストの意識の欠如,CFOの説明不足などが影響ししている
・IRの良い企業は,リスクを低減して将来キャッシュフローの割引率(株主資本コスト)を引き下げるルートを経由して,企業価値向上に貢献する


5.マネジメント基本と原則(ドラッカー)

組織が自由と尊厳を守るためには、高度の成果が必要であり、その手段がマネジメントであるとの基本を考えることができる

<Point>
・組織は目的ではなく手段であるため、「その組織は何か」ではなく、「その組織は何をなすベきか。機能は何か」
・マネジメントは時間を扱い、常に現在と未来、短期と長期を見ていかなければならない
・陳腐化している昨日を捨て、明日を創造しなければならない
・利益は目的ではなく条件であるため利潤動機には意味がない。欲求を見定め顧客を創造する
・市場において目指すべき地位は、最大ではなく最適
・経営資源の活用をするマネジメントの質な企業間に差をつける
・最善の戦略計画は良き意図にすぎず、誰を割り当てるか次第
・マネジメントだけが強く、他の者は弱いとの仮定は傲慢であり、仕事の人間関係は、尊敬に基礎を置かなければならない
・さまざまな制度や環境の設計以前に、焦点は仕事に合わせなければズレてしまう
・マネジメントたるものは自らと自らの組織にとって欠けている能力が何であるかを知る必要がある
・マネージャーはトップダウンに甘んじずに専門家を活かすことができなければならない
・目標管理の最大の利点は自己管理を可能とすること
・部下を脅威だと感じる者をマネジメントに置いてはならない
・コミュニケーションは受け手の言葉を使わなければ成立しない
・いかに効率的であろうと、外部にある成果ではない内部の努力を定量化した馬車のムチだけをつくっている企業はつぶれる運命にある
・成長は自動的には起こらない。成長のためには、ある段階で自らを変えなければならない
・長期にわたる高度の成長は不可能であり、緊張、弱点、欠陥をもたらし、不健全である
・マネジメントに携わるものは、必要とされる成長の最小点と最適点を検討すべき


6.会社という迷宮(石井光太郎)

コンサルティングとは、クライアントとの対話であり、個別で異なる主体であるとの前提から経営に関する抽象化されている用語一つひとつが示す具代的な事象への想像力を考えさせられる

<Point>
・会社は社員にも株主にも取引先にも参入·退出の自由があるため、利害関係者が自由意思で凝集できるような求心力ある太く力強い柱を建てることこそ、利害を束ねるための唯一の方法
・価値は出すものではなく、認められるものであり、何が価値であるのかを決めるのが経営者の仕事。価値は千差万別だからこそ市場の定義に囚われてはならない
・戦略は競争相手に対して、模倣困難性、持続性があり、優位性が累積的に強化されるものであり、強靭な意志が不可欠
・市場は売り手と買い手の創造的結合であり、枠の中に当てはめられると発想が狭まる
・事業は顧客に対する価値提供であるため、利益より先に世の中に提供する価値を示す売上があってこそ
・成長にはタイミングがあり、会社を膨張ゲームの道具にしてはいけない
・組織は配置を工夫することで1+1>2となる理屈は考えられるが、社会的手抜き効果を想定しなければならない
・組織は暗黙知があってこそであり、全てを形式知にすることはできない
・人材は育てるではなく活かすというのが経営者の発想


7.未来を共創する経営チームをつくる(鈴木 義幸)

エグゼクティブコーチのプロの経験則に基づくチームビルディングの重要度が学び深い

<Point>
・経営チームをつくれている組織が伸び続ける
・役割についた瞬間から役割を全くすることは不可能であり時間を要することが前提
・圧倒的な緊張感と責任意識は役割を経験しなければ分からない
・共通の目標を持つよう対話しなければ経営チームは成り立たない
・チームに対する解釈とコミットメントを経営ですり合わせる
・経営のチーム力を高めるには、心から議論できることを見つける必要がある
・経営チームの中でフィードバックを流通させる

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