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ディズニーの組織開発を調べてみて

ディズニーが多くの人を惹きつけるような高いクオリティのサービスを提供できる秘訣は何か?
ふと気になり、福島 文二郎さんの『9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方』と、『9割がバイトでも最高の感動が生まれるディズニーのホスピタリティ』を拝読して得た気づきを5つの観点で整理します。

人が育つ環境の仕掛けが興味深く、なぜ世の中になぜ研修が存在するのか、組織開発の重要度を考えるきっかけになりました。

マニュアルには落とし込めないホスピタリティが一人ひとりに芽生えるには環境の工夫がある、と人々を感動させられる偉大なサービス品質には人を活かす工夫があるなと。


①手抜きしない文化をつくる

まず、顧客の目に触れないところでも手抜きをせずに、ホスピタリティが発揮されていることが大事でありながらも、なかなか難しい文化だと思いますが、下記3つの自律駆動を育む視点が参考になります。

1.「すべてのゲストにハピネスを提供する」というミッションを各個人が自分なりに消化して、持ち場立場で実践することが当たり前の雰囲気をつくる
例)日の昇る前から芝生や花などの状態を確認して徹底的に整備する。
2.一定水準以上のサービスを提供できるようになるまで現場にデビューさせない
3. 企画・開発担当者の商品への思いや苦心談などを組織のすべての人に伝える


1人ひとりが真摯に仕事に取り組みからこそ、アンケートや計測などの取り組みに留まらず、各従業員からリアルタイムで現場の一次情報を集めてサービス向上に活かされています。

②模範の連鎖をつくる

あるべき論を指導することはどんな職場でもあれども、実態が変わるかどうかには差が出てしまい、不可逆的に文化として定着してしまうもの。
ディズニーの高いサービス品質の背景からは、ホスピタリティを養うに日常の振る舞いから模範をつくることが不可欠と考えさせられます。
指導は当然として模範となる基礎行動が長い歴の人ほど体現できているか、また指導にはその意味が添えられているか。

③人の育成に投資

育成は個力や環境、状態など複数の変数が絡む関係上、投資対効果を測りづらく、予算責任者の強い目的意識と、実行責任者の継続的な意志がなければ形骸化したり、廃止されたり、蔑ろにされやすいものですが、ディズニーは育成に投資することを重視しているそうです。
それも、むやみに長い時間を要することがないよう、徹底的に論理的、合理的なプログラムを構成することにこだわっているとのこと。

また、育成担当者には金銭的な報酬を紐付けないものの、育成という役割を誉なものとして、教えることが上手く、育てることに情熱を持てる人を抜擢することで、現場の育成力を高めています。

④良好な人間関係

高いサービス品質の実現には、良好な人間関係が重視されていると、サービスプロフィットチェーンを想起させる風土があります。

人間関係は当然に良好であることが望ましいものですが、そこには人の意思や好みが存在する以上、コントロールできるものではない。
神の見えざる手のように風土を実現させている着眼点が下記で、コミュニケーションデザインの重要性を考えさせられます。

・ていねい語と婉曲話法、言葉遣いなど人としての基本的な所作を徹底的に大事にする
・テキストで済ませずに、指摘は面と向かって実施する
・相手の存在を認める「ストローク」を重視して密なコミュニケーションとケアが交わされる関係をつくる
・何か気がついたことがあればすぐに上司や先輩に提案しやすい環境をつくる


⑤ミッション浸透

ミッション実現の意欲が自立駆動の文化に重要ですが、ディズニーではさまざまな媒体にミッションと行動指針を頻繁に登場させています。

例)社内報にキャストの写真で全員笑顔を徹底することで、ハピネスを提供するためには笑顏が不可欠な要素であることを、暗黙のうちに伝えている。

また、体現度を高めるための、なるほど観点が
行動指針の優先順位を明確にすることで実践しやすくしているとの工夫です。

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