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ネット黎明期の熱狂を読んでみて

ネット黎明期である2000年に出版され、絶版となっていた『ネット起業!あのバカにやらせてみよう』の復刊版を拝読しました。

復刊をリードされたANOBAKA長野泰和さんの「日本復活の鍵を握るのは、若者の反骨精神にある」との冒頭の言葉を始め、ネット黎明期を切り拓いた偉人の挑戦物語から、熱狂の尊さを感じさせられる内容です。
復刊版では登場人物の方々の現在の取材が追加されており、20年の時を越えてもなお挑戦し続ける姿に胸を打たれました。

本書はイノベーションを起こそうと挑戦している起業家の心情、立ち憚る壁、乗り越える勇姿が生々しく描かれており、人生の熱狂を模索する方にお勧めです!

魅力①:何度も甦る起業家の闘志

ビル・ゲイツを始めとしたネット業界の著名人の物語を題材とした『コンピュータ帝国の興亡: 覇者たちの神話と内幕』の中で取り上げられている経営の3段階①コマンドー②正規軍③官僚による軍制を引用され、コマンドータイプの起業家ならではの市場を切り拓いた後に遭遇する組織マネジメントや事業計画、ファイナンスの失敗、そして挫折から這い上がって、また挑戦する姿が描かれています。

魅力②:イノベーションに対する市場の反応

市場の未踏の糸口を見出し、斬新なサービスを展開することで社会を圧巻するも、ビル・ゲイツの来訪や悪質業者の乱入と他プレイヤーの動向によって遭遇するハードシングスが描かれています。

魅力③:共鳴を引き起こす人的ネットワーク

ビットバレーや学生アントレプレナー連絡会議ETIC.など当時の挑戦者同士が相互に刺激をし合うコミュニティの存在が描かれて、誰が誰と組むのか人的ネットワークの重要度を考えさせられます。
下記のビットバレー設立趣旨にもベンチャー界隈を盛り上げようとする熱狂が感じられます。

<ビットバレー設立趣旨>
近年の米国におけるネットワーク・エコノミーの興隆は、シリコンバレー(北カリフォルニア)、シリコンアレー(二ューヨーク)、デジタルコース上(南カリフォルニア)、ルート128(ボストン)といった地域密着型コミュニティーにより発展してきました。
日本においても官公庁、大学、研究機関、ベンチャー·キャピタル、民間企業、各種団体等の協力を得ながら情報の共有化、教育を行い、また海外との交流を図りながらインターネット関連ベンチャー・ビジネスの創出、育成が急務となってきています。
東京でも若者の町として現在も多くのインターネット関連ベンチャー企業が集中する渋谷区周辺地域をBitter Valley(渋谷)と命名し、日本におけるネット・ビジネスのメッカとして多くのベンチャー企業を誘致し、投資を呼び込み、情報の共有化と競争によりベンチャー企業の底上げを行うことを目的とします。

『ネット興亡記: 敗れざる者たち』然り、前人未踏の新市場の創出に挑戦していく人たちの物語は、歴史を学ぶようにたった一度の人生における生き方を考えさせられます。
熱狂を求める方にお勧めです!

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