読書感想:カルチャーデザイン



1.カルチャーモデル(唐澤俊輔)

普遍的に誰にとっても「いい会社」は存在せず、期待のGAPが少ないことが重要だと、成り行きになりがちなカルチャーデザインの着眼点と術を体系的に学ぶことができます

<Point>
・カルチャーが会社にとって何を優先すべきで、どんな意思決定をし、どんな戦略を立てるか指針となり、目に見えないところでも機能する
・バリューを設定することは、戦略と同様に何を捨てるかを定義すること
・現場のオペレーションとピープルマネジメントを通して、設計したビジネスモデルとカルチャーモデルを機能させる
・経年によって生じたカルチャーのほころびやズレを修正し、チューニングする必要がある
・自社のカルチャーについて議論し、言語化することによって、社員同士の考えがすり合わされ、共通認識を持てるようになる
・意識せずとも頭に刷り込まれるようカルチャーに触れる機会を設ける
・どんな情報をオープンにされても、それが会社の実態であり、カルチャーの表れなのだと認めて強みに変える


2.NO RULES 世界一「自由」な会社(リード・ヘイスティングス、エリン・メイヤー)

自由と責任の文化には能力密度がセットで不可欠と、組織ケイパビリティと文化の連動性を考えられます

<Point>
・休暇を取得する社員は幸福度が高く、仕事を楽しみ、生産性も高い
・ルールが多いほど判断力を奪ってしまう
・能力密度が高ければ、コントロールの大部分は不要になり、自由を与えられる
・有能な人同士が当たり前のようにフィードバックをし合うと、全員のパフォーマンスの質が高まるとともにお互いに対して暗黙の責任を負うようになり、ルールはますます不要になる
・優秀な人材は全社的な能力密度が高い環境で真価を発揮する
・誰かに役立ちそうなフィードバックがあるときに口にしないことは、会社の役に立たないことを選択していること
・フィードバックの正しいやり方と間違ったやり方を教えることに時間をかける
・チームに率直な力ルチャーを醸成するには、ブリリアントジャークを排除する必要がある
・自由の中でインチキする者がいても、全体的利益は損失を上回れば問題ない


3.世界最高のチーム(ピョートル・フェリクス・グジバチ)


自分らしさを発揮しながらチームに参画できる心理的安全性の軸とした組織づくりを考えられます

<Point>
・マネージャーが良いコーチであり、チームのメンバーが健康に過ごすこと、成果を上げることに強い関心を持っているか
・成果はあくまでも経営から見た評価であるため、生産性よりも有効性
・チームに対する信頼性が高いこと、構造が明瞭であることは生産性につながる
・評価を気にすること心理的安全性を損なう
・日々の会話の中でコーチングが行われるべき
・チームに心理的安全性があれば、強い刺激を届けられる挑発ができる
・オーバーコミュニケーションによって、その情報が自分に必要かどうかを自分で判断して自発的に動く力が磨かれる


4.ドラッカー教授 組織づくりの原理原則(佐藤等)


「社会的な目的を達成するための手段としての組織の発明は、人類の歴史にとって一万年前の労働の分化に匹敵する重要さをもつ」との名言などドラッカーの組織論をインストールできます

<Point>
・組織は存在することが目的ではない。外の環境に対する貢献が目的である
・ミッションには機会、卓越性、コミットメントの要素を折り込む
・利益の役割は、事業活動の有効性と健全性を測定すること、陳腐化、更新、リスク、不確実性を力バーすること、事業のイノベーションと拡大に必要な資金調達を確実にすることにある
・自らの事業についての定義を持たなければならない
・顧客の支持につながっている自社の卓越性を特定して組織内で共有する
・自己決定と有能感がモチベーションの源泉となる
・社員の献身が生きる持続的な仕事でなければ、イノベーションとして結実することはない
・真摯さのない者をマネジャーにすれば、部下の成長を阻害し、やがて人と組織を破壊する


5.9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方(福島 文二郎)


高いクオリティを実現するために1人ひとりが手抜きせずに顧客の体験を考える文化が学びになります

<Point>
・上司や先輩のリーダーシップが模範となり、現場が育つ
・人としての基本的な所作が職場の人間関係を良好にして、個々の働きがいを育て、顧客に感動を与える
・面と向かって叱る方が誠実
・育成担当に金銭報酬はなく、人を育てることに情熱をもっている人を抜擢する
・一定水準以上のレベルのサービスを提供できるまでトレーニングもコストをかける。一方、むやみに長い時間を要することがないよう徹底的に合理的にプログラムを構成する
・現場のコミュニケーションを円滑にするために、さまざまな媒体にミッションと行動指針が頻繁に登場
・行動指針の優先順位を明確にする
・現場の耳を通じてリアルタイムで顧客情報を吸い上げて活かす
・何かの行動をするときは、その意味や理由も必ず伝える


6.9割がバイトでも最高の感動が生まれるディズニーのホスピタリティ(福島 文二郎)


ホスピタリティが根づいてくると職場のモチベーションも上がり、働きがいも生まれて生産性が高まるとの文化づくりが学びになります

<Point>
・ていねい語と婉曲話法はトレーニングすべき
・相手に好印象を残すような言葉遣いを心がける
・サービス企画にかける思いや苦労を社内に共有して誇りを持たせる
・目に触れないところで仕事でもホスピタリティを追求する
・ホスピタリティはマニュアルで規定することができないため、1人ひとりの体現が重要となる


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