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僕がデザイナーになれた日

僕の仕事は空間デザイナー。
商業施設や飲食店など空間デザインと
工事の管理がメインの業務。
今の業界は23歳の時からで始めて勤めたのは設計事務所だった。

謎の売れる店を作ることに。



店舗のデザインがなんとかこなせる様になっていた8年前のある日。
面白い案件の担当になった。
それは、何かの飲食店をゼロから立ち上げて
売れる店を作ると言うもの。

クライアントの責任者は、バキバキのバーテンダー。
このMさんは、巷では知られてる方で人気者。

店作るのにアイディアが必要。
だから担当デザイナーのあまちゃんと海外へ行ってくる。
話はそれからだ!って謎の展開に
行き先は、アメリカ ロサンゼルス と カナダ バンフ。 

どう感じた?質問責めの視察

海外の店の空気感は独特で土地柄が出て面白い。

Veniceの街は解放的な空間の店がほとんどで
使う素材は身近なものを使うが
アーティスティックなものばかりだった。
Intelligentsia Coffee は当時からめっちゃかっこいい。

キッチンが全部見えてバリスタが主役
メニュー

Venturaに移動しパタゴニアに遊びに行ったさきで創業者のイヴォン・シュイナードと奇跡的に会えた。

社員食堂で奇跡!


パタゴニア本社


場所は変わってカナダバンフ。
堅牢な石やタイルが印象的。
どこか内向きで外の世界とはっきり区画された
店が多い気がする。

その中でMさんが気に入った店があった。
薪を使ったレストランで店内はロッジの様な印象。
内装デザインは当然ながらメニューも物販もブランディングがしっかり統一されていて独特な世界観がある。

バンフの中でも大型店に入るパーク

 視察中に沢山話しをしたがこの店については
かなり話し込んだ。
大枠のコンセプトが決まったみたい。

キャンプファイヤー料理をやろう!

東京に薪100%で焼く肉専門店がない当時
キャンプファイヤー料理大丈夫か?
と僕は思ったが話を聞くとイケる気がしてきた。

完成したコンセプトは

自由が丘「Campfired Glill & WINE THE BANFF」の「BANFF」は、 カナダ・アルバータ州にある世界最高峰のアウトドア映画祭発祥の地名"BANFF"に由来しています。 コンセプトは、"火を囲み、キャンプファイヤーをしている時のように、 仲間や家族と食べて、語って、くつろぐ穏やかな場所"。

大自然に囲まれたログハウスのような店内には、 パチパチとした薪のはぜる音や揺らめく炎が立ち昇る、 特注の薪専用グリラーを設置し、 遠赤外線効果の高い「WOOD-FIRED GRILL」という調理法で、 薪木を使ったキャンプファイヤー料理を提供します。

このコンセプトに基づいて内装のデザインを進めた。

完成したのは↑これ。
基本のコンセプトから造形、素材の質感、
客席バリエーションを最適化した。


内装デザイナーとして最低限の知識は持っていた
つもりだったが、この案件で大きな変化があった。

それは店のコンセプトと存在意義。

こんなことはデザイナーの職域ではないと思っていたが間違えだった。

この恩人とも言えるMさんに大切な事を教えて
もらえた。

思い出があるように思い入れがある
空間に気持ちを吹き込む。

図面を描く時にも思い入れをしながら描く。

五感でインプットしたものをアウトプットする

大切な事は、共有と共感。
それがブランディングに関わることがすべて一貫していること。

これが出来そうでなかなか出来ない。

それができて空間に「何か」かが宿る

それを店に来てくださる方にプレゼントし

「何」かを持って帰ってもらう。

今もその教えを実践してる。

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