数日前の、ナーバスな覚え書き
今の住まいに移り住んで12、3年。
不動産屋さんに案内されて目に入ったのは、通りの角を曲がって川に向かうゆるやかな上り坂に花びらが舞う満開の桜の並木。
その光景を車から見た瞬間、ああきっと、これから見る部屋に住むことになるんだなぁと根拠もなく確信した。
当時の私はとっても生きることに疲れていたけれど、そう言う感覚は、かろうじてまだ保たれていた気がする。
案内された部屋のドアを開けベランダの窓を開けた瞬間、心地よい風が、家の中をさあ〜っと通り抜けて、
ああやっぱりここだなあという気持ちはしゃもじも同じだった様で、はしゃぎ過ぎて部屋の真ん中の段差に勢いよくつまずいて強打した足指をぐううっと押さえて無言でうずくまるその丸まった背中とか、この部屋に決めた時の情景を今も鮮明に覚えている。
この部屋も町も、大好きなんだよなあ。
本当に離れるのかな。
どうなるのかなあ。
(つづく♪)
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