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外国製の血糖測定器 その①(日本との違い)

外国製といっても、日本で医療機器として認可を受けているものも半分以上は海外のものなんだけどね~。

あえて「外国製」と書いているのは、日本で高度管理医療機器としての認可を取っていない血糖測定器ということだ。海外での血糖測定器の扱いがどのような感じなのか、よくわからないけれど、海外から手に入れる血糖測定器には、現地の言葉で必ず「診断や治療に使えるものではない」ということが書いてある。
あくまでも個人が健康管理のために使うものという認識なのだろう。

まず最初に言っておきたいのは、血糖測定器の個人輸入はあくまでも自己責任だということだ。ここ日本では医療機器としての認可を受けておらず、医療機器としては認められない。つまり「オモチャ」だ。しかも国内の玩具でもない。
おもちゃにも、実際に調理に使えたりしてしまうものがあるけれど、あれの医療機器版だと認識しておけば良い。だから、これで怪我をしましたとか、数値がちゃんと測れていなかったとか、これで採血したら感染症を起こしたよー・・・なんてことがあっても誰も責任をとってくれない。あくまでも自己責任ということになる。

そして、まず言っておきたいのは、これはあくまでもわたしの体験記で、個人輸入をおすすめするものではない。
参考にしていただいて構わないし、内容について虚偽がないことは保証するけれど、もしこれを読んでいる誰かが血糖測定器を個人輸入したとしても、一切責任は負わない。

まず、どうしてわたしが血糖測定器の個人輸入をしたかについては、国内の血糖測定器と消耗品の値段の高さが関係している。
国内で医療機器として認定されている血糖測定器や消耗品の相場について書いておくと、概ね以下のとおりだと思う

血糖測定器本体(採血器付属の場合もあり)5000~10000円
センサーチップ (25~30枚)  4300円前後
採血針 (30~50本) 500~800円

このうち、血糖測定器本体は高度管理医療機器販売の許可を持っているところからの購入が必須。一応通販も出来るのでネットショッピングで手に入れる事ができる。
センサーチップは体外診断用医薬品になるので、薬剤師がいる薬局などから購入する必要があるが、販売帳簿を付ける必要があるので購入時に氏名と連絡先の記入を求められる。採血針だけはドラッグストアなどでも購入出来る。

残念ながら(?)この相場が動くことは当分ない(多分)。
日本の血糖測定器や消耗品の価格は、保険で血糖測定器関連の保険点数が決まっており、相場がそれに合わせているからだ。

インスリンを1日1回以上打つ人に対して血糖自己測定器加算というのを算定出来るのだけれど、これは「月30回以上測定する場合465点」と決められている。そのため、30回分の消耗品代は4650円なのだ。血糖測定器に使うセンサーチップと採血針はこの範囲で病院から渡される。3割負担の人であれば消耗品代は30回分で1400円になる。

あれ?販売される価格より安くない?
と思うかも知れない。

血糖測定器の消耗品の価格には、薬のように「薬価」という公定価格が無いので、こんな価格設定になるのだと考えればいい。実際には、小売価格が4000円のセンサーチップだったとしたら、病院医院には2500円くらいの単価で卸されていることがある。100瓶を超えるグロス単位での販売がメーカー直販でされていることがあるからだ。

病院で保険の範囲内で交付されるのであれば、調剤薬局などで購入するのは、病院でもらう数が足りないときや、インシュリンを処方されていないけれど、自分で血糖を測りたいひとだけだから、門前の薬局で購入する人など、多くても数人だ。
センサーチップの有効期限が2年くらいで、仕入れた時点では1年半くらいのことが多いため、調剤薬局がメーカー直でセンサーを仕入れることは現実的ではない。

あと、現場の人以外はご存じないことかも知れないが、病院や薬局がものを購入するとき、それが医療に使う材料であろうが医薬品であろうが消費税を払っている。しかし、保険診療の範囲で患者さんにそれを渡す場合には、消費税を取ることができない。
だから、処方箋で薬を出されるときには消費税はかからないのだけれど、センサーを薬局で買う場合には保険診療外のことだから、消費税10%が上乗せされる。

1割って大きいよね。4000円のものが4400円になる。

メーカーが
「絶対病院で貰えよ。薬局で買ったらぼったくるぞ!」
って言っているようなものだ。

はい・・・もうねー。私が使っているOneTouchVerioReflectももともとは海外製のものなので、実際に海外からセンサーを買おうと思えば買うことが出来るのだけれど、日本で「ワンタッチベリオセンサー」という名前で販売されているそれは、海外では「OneTouchVerioTestStrips」という名前で販売されており、25枚入りで2000円弱が相場となっている。
もちろん値引きされているわけだし、送料がかかることもある。海外からの購入になるので円相場でも価格は動く。ほとんどがドルで計算されているのを日本円に換算しているので、円が下がると値段が上がるので購入タイミングで値段が変わる。

あと、こういう医療機器に関する法律は国によって違うので、現在はほとんど欧米諸国からは個人輸入出来なくなっているという状況だ。中国サイトでも医療機器に関するものは販売しないというサイトもある。

こういった医療機器関連が日本から購入出来るのは、現在わたしが把握できている範囲では中国とシンガポールだ。欧米のサイトでは「あなたが登録している住所には送ることが出来ません」と現地の言葉で表示される。中国でも血糖測定器本体は、シンガポールから送られてくる事が多いので、つまり、そういうこと(どういうこと?)なのだろう。

OneTouchVerio以外の血糖測定器についても、アキュチェックとかFreeStyleLibreなどは消耗品を海外から購入出来るが、価格はそんなに安くはないし、特に2週間つけっぱなしのLibreセンサーは今は中国でも値段は変わらないので送料分高くなってしまう。
とりあえず、日本で高度管理医療機器として認定されているものの消耗品は中国やシンガポールから購入しても、比較的高めであることは変わりない。ただし、センサーチップに関しては日本の保険点数との絡みが無いため、日本よりはちょっと安い。

血糖測定器本体については、個人輸入はあまりおすすめしない。
なぜなら使っている単位が違うからだ。日本の血糖測定器はmg/dLという単位を使っている。病院での検査値のデータもmg/dLだからだ。けれど、日本や米国以外のほとんどの国はSI単位というものを使っていて、血糖についてはmmol/Lという単位を使っている。
別にその単位で問題がないのなら、それでも良いけれど、医師に「8ミリモルです」といっても理解してもらえないと思う。
日本国内で販売されている血糖測定器も、中国で流通しているのはミリモル表示だ。口コミにもmgに変更出来なかったというものがあった。

というわけで・・・わたしが購入した血糖測定器はmg表示のものを選んで購入した。日本の自己検査用グルコース測定器認証基準に合格していないのか、審査自体受けていないのか(後者の可能性が高いと思うけれど)医療機器扱いではないので、最初はちょっと精度について不安があった。しばらくの間ワンタッチベリオリフレクトと併用して様子をみていたけれど、同じ時間、同じ場所からの採血で、誤差は10前後だった。
認証されている機種同士で比較しても、このぐらい数値がずれることはよくある。それに、わたしはインスリンを使っているわけではない。大体の血糖の動向を知りたいだけだったので、これは許容範囲。

ちなみにわたしが購入した血糖測定器は本体に100回分のセンサーと針がセットで送料込みで4000円ほど。針はご多分に漏れず28Gだったので「あ~これマジで要らない」と思った。センサーのみでno lancetsと書いてあるモノを購入しても強引に針をつけてくるので、なんとなく「針は毎回替えなさいよ」というメーカーからの圧を感じた。
日本だと当たり前のことなんだけどね。笑

わたしは28Gの針で指先から採血すると、出血が多くて止まりにくいため針は別のメーカーの30~33Gのものを使っている。28Gしか手元にないときは手のひらから採血しているが、おかげで左手の小指側にブツブツと針刺し痕が残っている。中国人って皮膚が厚いんだろうか・・・。

とにかく、セットで売っているので本体の価格がよくわからないのだけれど、先日本体のみで一番安いセール品ではあったのだけれど800円くらいで売っていたのがあったので、本体も2000円もしないんだろうなとは想像がつく。
そのセール品の機種については、安いものは安いなりの性能で、記録も10回しか残らないし、時刻や日時の設定もないのでただ測るだけの機械でしかない。自分でその都度手で記録をつけるのなら、これで十分かなとも思う。

センサーも100枚で2000円ほど(もちろん安いショップを探す)なので、送料を考えても1回分は25円ほどだ。国内で流通している血糖測定器のものの5分の1程度で購入できる。
この価格なら1日に5~6回測っても財布はそう痛まない。(手は痛いよ・・・)
しばらく中国製の血糖測定器で血糖管理をすることになると思う。

あと、海外のサイトをみていて気がついたのは、血糖だけでなく尿酸値やケトン体、コレステロールなども測定できるものがあることだ。自己検査用グルコース測定器認証基準によれば、血糖以外の測定機能があるものは血糖測定器としての承認から外れるということらしい。なので日本ではこれらの機種は販売されていない。

けれど、最近のはどうかわからないし、私自身そこまで血糖が上がるわけではないのでわからないが、10年くらい前の血糖測定器はあまり血糖が高いとKetone?って表示が出ていたと思う。
1型糖尿病のひとは特にインスリンの分泌がほとんど無いので、ケトアシドーシスを起こしやすい。確か血液中のケトン体が3mmol/Lを超えるとまずいはずなのだ。だから、血糖測定器とケトン体測定って一緒にあってもいいように思うんだけど、そこはどうなんだろう?

あと、尿酸値とかコレステロール値が測れる機械もあるし、病院に糖尿でかかると毎回チクチク言われるHbA1cを測れる機械もある。尿酸やコレステロールを測る機械はそこまで高額ではないのだけれど、消耗品の価格や必要になる血液量も血糖に比べると多い。
HbA1cを測れる機械は、本体の値段も安いもので5万はするし、測定用のチップも1回分2000円以上する。
日本のように保険で検査をしてくれる国ならこんな機械は必要無いだろう。でも、国民皆保険ではない海外ではこういうものにも需要があるのかも知れない。

さて、購入して使っている血糖測定器の写真やら使い方は、次の記事で。

3月は年度末で、薬価が変わるタイミングでもあり、棚卸しなんかでかなり疲労困憊です。また来週くらいかなー・・・・あ、週末は病院に行くんだった。

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