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今日ときめいた、ではなく思い出した言葉42ー「あなたにおばさんと言われる筋合いはない」

日々の暮らしの中で、フッと思い出す昔の出来事や言葉がある。今振り返ると大人げないことだったかなと思ったりもするが、その時は私も必死で、自分を省みる余裕もなかったのだ、と自分に弁解している。

今日思い出したのはそんな出来事の一つである。英語の専門学校に通学していた時のことだ。その学校は、その頃東京では、ちょっと名の知れた3年制の英語学校だった。会社の委託授業なんかも請け負っていたので、休み時間はスーツ姿のサラリーマンが大勢たむろしていた。

クラス分けのテストがあって、下のレベルからトップまで6クラスに分けられていた。私のクラスには社会人や大学を卒業して入学してきた人もいた。そして「主婦」と言われる人が私を含めて3人いた。だが大多数は高校を卒業して、その学校に入学してきた若者だった。朝9時から午後3時までみっちり授業が組まれていた。

ある時クラスでパーティー(のようなこと)をやることになって、丸い円になるように座った。そんな中に一人目立つ男子生徒がいた。高校出たてではなそうに見えたが、いつも偉そうに振る舞い、よく授業の進行を妨げていた。

その彼が私たち主婦の生徒に向かって「おい、そこのおばさん」と言って、何やら話し出した。何を言ったのか、「おい、そこのおばさん」以外は覚えていない。

私は怒り心頭に達し、

「あなたにおばさんと言われる筋合いはない。ここで英語を学ぶ一生徒であって、おばさんとは何事だ」(こんな事を言ったと思う)

とやってしまった。当然その場は、「シーン」となって、気まずい雰囲気が流れた。言われた男子生徒が一番驚いていたと思う。

しばらくして、大学病院で働いている看護師さんの生徒が、「そうよ、失礼よ」と言ってその場を取り繕ってくれた。パーティーはぎこちなく進行して終了した。その看護師さんがやってきて、「あいつ、生意気だからあのぐらい言ってよかったですよ」と言ってくれた。

「おばさん」と言った当人がスゴスゴとやってきて、「すみませんでした」と誤った。でも、彼の態度からは心から反省しているようには見えなかった。それでもその後の彼はクラスの中で態度が変わり、小さくなっているように見えた。

その時、私の年齢28歳。今なら聞き流しただろうか。「おばさん」は、当時の女性の間ではとてもセンシティブな言葉だった。正直嫌な言葉だと思っていた。今の女性はどう思っているのだろうか。自称「おばちゃん」を標榜している人もいるけど。

翌日他の二人の主婦の生徒が来て、私に謝った(えっ、なぜ?) 主婦の一人が言うには、援護射撃をしなかったからだと。家に帰って夫に話したら、「君は、その場で彼女を援護する発言をしなかったのか」と言われ、自責の念にかられたと。そして、「あなたのような勇気を持てなかった自分が、恥ずかしい」と(勇気ではなく、単に激昂型なだけなんですけどね😝)

クラスには、モンテソーリの塾を経営する「おじさん」もいた。でも、その生意気な男子生徒は、決して彼を「おい、そこのおじさん」とは言わなかった。

もう、うん十年も前の話だ。今更ながらだが、私は長いことこんな差別用語や不快な言葉に反応し腹を立てては、かみついてきたのだなあと思う。やり過ごせない性分なのだ。この性分のせいで、他の人ならしなかっただろう苦い経験をいっぱいしてきた😅😅😅


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