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「愛の不時着」ーリ・ジョンヒョクとユン・セリの愛の軌跡

                   (写真はwww.vogue.co.upより転載)
<はじめに>

今まで「愛の不時着」についていろいろ書いてきたが、リ・ジョンヒョクの視点からユン・セリを思う彼の心情が中心だった。ここでは、二人が出会い、愛するようになるまでの軌跡について書いてみたい。

<ユン・セリとリ・ジョンヒョクの出会い、そして・・・>

ユン・セリにとって、北朝鮮に不時着したことは、正に青天の霹靂。だが、自分を奮い立たせ、こんな経験お金では買えないと前向きに考えようとしていた。実業家としてのセリは、意思と決断で生き抜いてきた強い女だ。自分を傷つけようとする者には、先制攻撃を喰らわせることで自分を守って生きてきた。「寂しいけど痛いよりまし」といじめられていた子に言っているが、本当は寂しくない、痛くもない人生を望んでいたはずだ。

一方のリ・ジョンヒョクは、セリが自分の世界へ不時着したことで、止まっていた彼の人生の時間が動き出す。それまで白黒の色彩で塗り潰されたようだった自分の日常が、一条の光が差し込んであたり一面を照らし、全てのものに明るい色彩を与えたように輝き出した(第14話「ある日僕の世界に不時着した君に会うまで  ‥‥誰も愛さなかった」) 

セリの明朗快活な振る舞い、機知に富んだ言動はジョンヒョクばかりか彼の隊員達をも魅了した。ちょっと偉そうな態度で皆んなをぐいぐいと引きつける強い女、かと思っていたら停電の闇の中で号泣する彼女を見て、ジョンヒョクはそのギャップにとまどいながらも(母胎ソロだから、そういうことに慣れていない!)、セリの本質を感じ取ったのだろう。彼は、繊細な人だから・・・・・。

「“禍福は糾える縄の如し、互いに行き交う”と言います。きっとよくなりますよ。すべてが」(セリ「断言できますか?」)「断言できます」(完全版第2話)

なかなか深い意味のことわざで、セリを慰める。この「断言できます」、初めての出会いの時は、「断言できない」と言ったジョンヒョクなのに、彼の意識が変化したのを感じる。この言葉は、セリから不安を取り除いてくれるMagic wordである。強がっていてもセリの心の中は、ずっとinsecure不安定な状態だったから。だからジョンヒョクの「断言できます」に、セリはどれほど癒されたことか。

号泣する自分もしっかり見られ、素の自分を出せたことで、気が楽になったのではないだろうか?少なくともジョンヒョクに対して、ソウルにいたときのように虚勢を張らなくても良かったはずだ。

セリは、他者からの優しさや配慮に敏感である。寂しかった生い立ちが、彼女を他者の優しい言葉や気遣いに敏感にさせるのだろう:

ーウンドンから差し出された一片の肉にだって感激していた(後で彼に「親切賞」を授与している)

ージョンヒョクが自分のために買い込んで来てくれた品々、その中に見つけた消毒薬。宿舎検閲のあと、そっと差し出された一杯の水。「怪我はないか」という一言と優しい眼差し。舎宅のおばちゃん達にもらったお酒を飲みながら、自分の話に耳を傾け、相槌を打ってくれ、笑ってくれたこと。

ー朝の見送りの際に髪を結んでくれたこと。孤児の男の子にかけたジョンヒョクの言葉「顔と手を洗え」。たった数日間なのに、セリはジョンヒョクのこれらの行為から誠実な人柄と優しさを感じ取っていた。そして、すねたり、はにかんだりする可愛い彼の心も💕

セリの魅力は、素直に自分の感情を表現するところだろう、ちょっと素敵な言い方で(すでに彼には「私のタイプ。統一したらまた会いたいわ」なんて言っている)

船渡しで帰る日(三日後ぐらい)、車の中で(完全版)。

セリ      「二度と会えませんよね?」
ジョンヒョク  「たぶん」
セリ      「アフリカにも行けるし、南極にも行けるのに、、、。あなた
         はよりによってここに住んでるんですね」
ジョンヒョク  「あなたがよりによって、そこに住んでるんだ」

この会話などは、ジョンヒョクへの未練たっぷりだ。ジョンヒョクも返す言葉で、同じフレーズを使っている。そしてジョンヒョクだって、別れがたい未練があって、すでに自分も船に乗って見送るつもりだったことが、余分にテレフォンカードを準備していたことでわかる。セリは言葉に、ジョンヒョクは態度に、惹かれている思いが現れている。出会ってまだ数日なのに。

船渡しが失敗に終わったことに、セリは怒りを爆発させ、ジョンヒョクをこき下ろす。だが、その後2人がパラグライダーで抱き合って降りる時、セリは「腹が立っていただけで、本当はすべてのことに感謝してる」と素直に心情を述べる。これにジョンヒョクは、「分かってる」と応える。

セリは、彼の胸に顔を押し当てて聞いた「分かってる」に、守られている幸せを感じていたと思う。「本当かな」(英語訳だと、”You always say that”いつもそう言う)と言いながらも、うれしくて甘えるようにしがみつく仕草に、彼は目線を落とし、頭を支えていた手をそっと動かす。ジョンヒョクのセリに対する思いが見てる我々にも伝わる。スキンシップは、時として言葉より雄弁だ。ここは何度見てもときめく。

その後の自転車でのお迎えも、貝プルコギの時のチラ見も、引き立てのコーヒーと指ハートにも、そしてアロマキャンドルにも、セリばかりかジョンヒョクだって、ときめいたはずだ。

ジョンヒョクの閉ざされていた心は、セリとの日々の暮らしの中で確実に開かれて行っている。もしかすると、木に引っかかっているセリを見つめていた時からそれは始まっていたのかもしれない。

<ユン・セリとソ・ダンそしてリ・ジョンヒョクの思い>

(第5話)「ときめいた」とセリが言ったことで、ジョンヒョクは、「自分には婚約者がいる」と告知する(それは自分自身に向けての自戒でもあったと思うが)。「僕を好きになってはいけない」みたいな言われ方に、セリは大いに気分を害する。セリにしてみれば、モテる女の経歴をもつ自分のプライドが傷つけられたようで、気に障って腹がたったのだろう。不運にもその後、ジョンヒョクの婚約者ソ・ダンに遭遇してしまう。

ダンとジョンヒョク2人の間に流れる緊張感と冷たい雰囲気。ジョンヒョクの開口一番が「いつ帰ってきたんだ」とあまりに唐突。固まって押し黙るジョンヒョクを思いやり、セリは自分達の関係を饒舌に説明する。

押し黙るジョンヒョクとダンの気まずさに、セリは笑顔でその場を取り繕おうとして、「自分は家に帰る」と言って反対方向に歩き出す。その時、ジョンヒョクがセリの腕を取って自宅前まで連れて行く。これは、セリの気遣いをジョンヒョクが慮っての行動だろう。そして、何よりも先ほど迷子になったセリを思い、一人残すことに不安を感じていたからだろう。

この時のジョンヒョクからは、ダンへの配慮は全く感じられなかった。彼女こそ動揺していただろうに。

一方ダンは、このスキンシップとジョンヒョクがセリにかけた諭すような言葉「ここが君の家だろう。すぐ戻る」に内心ショックを受けたはずだ。その後のバックミラーを長いこと見つめるジョンヒョクの視線にも。

セリは1人取り残され、捨てられたように感じたものの、その感情は嫉妬心などではかったと思う。ダンとの遭遇で、セリは「ジョンヒョクの立場が悪くなること」を心配はしただろうが、ダンに対しては何の感情の揺らぎもなかったと思う(第8話、セリは、自分のせいで結婚がダメになることを心配していた。何よりこれからのジョンヒョクの人生を案じていた) 

一方のダンからは、奪われたくないという嫉妬心が全身からあふれ出ていた。その感情は、ジョンヒョクに愛されていないと感じている自信の無さ・不安からでたものであろう。ま、婚約者が女をかくまっている現場に遭遇したら、誰でも心穏やかではいられないだろうから、ダンの不躾な言動には同情の余地はあるかもしれない。取り繕う心のゆとりなどなかっただろう。

セリにしてみれば、ダンからジョンヒョクを奪おうなどと言う意図はなかっただろう。自分はいずれ帰る身。もちろん、セリは優しくて誠実なジョンヒョクに好感を持っていたし、何度も助けられたことへの感謝の気持ちもあった。ソウルでは一人ぽっちだった自分に、寄り添い寂しさを癒やしてくれた大切な人という意識もあったろう。

だから彼女がジョンヒョクに抱いていたのは、真摯な愛情と感謝の念だけだったと思う。婚約者がいようがいまいが、一人の人間として愛していたのだと思う(完全版第7話。あなたの最愛ー推しは誰かと聞かれ、「リ・ジョンヒョク。魅力がヤバいの。私の最愛」なんて手放しでうれしそうに答えている)

セリという人は「結婚」という形式に拘らない人なんじゃないかと、ふっと思う。彼女の口から自分の結婚について、語ったシーンがあっただろうか?(結婚願望の強いダンとは対照的だ。北朝鮮と韓国の社会的文化的成熟度の差?最後ダンも非婚を選ぶようだけど)

いずれにせよダンが直面していたのは、自分がずっと好きだった人が、自分には何の感情も持っていなくて、他の女性に心を奪われていると言う残酷な現実。人の心はどんなに策を弄しても自分の思い通りにはならない哀しさ。人間の関係というのは厄介なものだ。

<ジョンヒョクに対するセリの愛ーきちんと愛情表現ができる人>

「リ・ジョンヒョクさんは、本当に良い人ね。・・・・・いつかいい夫になって、いいお父さんになって。そうなるんだろうなって」(完全版第5話)

ジャガイモの皮をむいてくれているジョンヒョクに、思わず出た上記の言葉。でも返ってきたのは「どうかな。将来のことについては考えたことがなくて」と言うジョンヒョクの言葉。彼に辛い過去があることを知ったセリは、インドの諺でジョンヒョクを励ます。

「間違った電車が時には目的地に運んでくれる」

こんな素敵な例えで、ジョンヒョクの悲しみに寄り添うセリの感受性と深い思いやりの心。自分の苦しい半生があってこそ他者をよりよく理解できたのであろう。そして、その苦しかった自分の過去さえ、電車の例えで笑い飛ばすセリの精神力。歯を見せて笑ったジョンヒョクが素敵でした(心が少し軽くなったように見えて・・・) 

そして、続けて言う。「私は、私が帰ったあとも、リ・ジョンヒョクさんには幸せでいてほしい。どんな列車に乗ったとしても目的地に必ず・・・・・着いてほしい」(完全版第5話)ジョンヒョクの幸せな人生を願う大人の女の愛情だ(月並みな言い方だけど) ジョンヒョクが魅かれてしまったのも無理はない。

そんなセリも、第6話でジョンヒョクの肩にもたれながら、複雑な自分の心境を吐露する場面がある。昨夜は「大人の女」だったのに、「何も知らないくせに」と突っかかる様子はいじらしくて「可愛い女」だった。言い出せない気持ち…恋をしたことのある人ならよく分かる心境だろう🤔

そして、飛行場に向かう別れの日、セリは自分の思いを告げる。

「リ・ジョンヒョクさんはそうじゃないでしょうけど、私は、、、会いたくなると思う。きっと思い出す、たまに。いえ、、、本当は何度も。でも、私たち、元気かどうか、聞くこともできないでしょ。それが残念だわ」(完全版第6話)

この時、ジョンヒョクは自分の思いを閉じ込めたままでした。元の世界に戻っていく人の心に未練を残さないように、「悪い夢だった思え」とまで言う(だが、第7話で分かることだが、この時彼のポケットにはセリの写真が入っていた。だからそのことを知ってもう一度見返すと、彼の視線から心に押し留めたセリへの思いが、悲しいほどに伝わってくる)

セリという人は、自分の思いをきちんと伝えられる勇気のある女性だ、例え相手の反応がどうであれ。自分をこれまで守ってくれた人に、自分の思いを言葉にせずにはいられなかったのだろう(復讐と恩返しはきちんとやる人だから)

でも、そんなジョンヒョクも、後に第9話軍事境界線の別れでは、セリが「私のこと忘れないでね」と言ったことに対し、「空から降ってきた女を忘れられるか」(絶対忘れないと言ったら照れ臭い🤫)と素直な思いを言葉にした。セリが一貫して自分の本音を出していたのに対して、ジョンヒョクは慎重でしたが、やっと本心を伝えます。

セリの思いは、意識のないジョンヒョクの枕元で独白されている(第7話)。

「私はこういうことに慣れてないの。私はただ自分を愛したり憎んだり、自分を守ったり捨てたりしてきたの。私には自分の他に誰もいなかった。だからぎこちないのよ。自分の他に誰かがいるのが。

向かい合って話を聞いてくれて。笑ってくれて。一緒に食事をしてくれて。私との約束を契約書もないのに果たしてくれたし、私を守ってくれた。あなたは全てやってくれたわね。私にはあなたがいてくれた。私にとってあなたはよっぽどの存在かしら?」

意識が戻ったジョンヒョクに帰らなかった理由を聞かれ、「帰れなかった」とだけ答えるセリに腹を立てるジョンヒョク。だが、医師達に彼女の輸血で命が救われたこと、自分を思って泣き続けていたセリの様子を聞かされ、残った理由を言わなかったのは、彼の心に負担を負わせたくないとのセリの優しい心配りだったことに気づく。

ジョンヒョク「あんなに帰りたがってたんだから、、、帰ればよかったのに」
セリ    「私も帰りたかったけど、、、帰れなかった。私も一度くらいは
       リ・ジョンヒョクさんを守ってあげたかったの」(完全版第7話)

セリにしてみれば、帰るという選択肢はなかっただろう。自分にとってこの世で一番かけがいのない人になっていたジョンヒョクを、死路に追いやることなどできなかっただろうから。ずっと自分を守り続けてくれた人だから、自分だって守ってあげたい。強い女の一面を持つ人でもあるのだ、セリと言う人は。

   (第13話で、セリを守るために韓国に来たジョンヒョクにこんなことを言っ
   ているーーー「自分は自分で守る。私を信じて。私は自分の世界で、私の
   持っている地位や人やお金全てを動員して、チョ・チョルガンいや誰にだ
   ってやられないわ。私を信じて。もう行っていいわ、あなたの世界へ」)

ジョンヒョクは、涙にまみれたセリの顔を見て胸が痛み、抑えていたセリへの思いがこみ上げる。そして「とても慎ましく、ときめく口づけをする二人の姿」(完全版第7話)  翌日セリは自分達のキスを理由づけする。恐らくジョンヒョクの結婚を慮ってのことであろう。

自分の気持ちに気づいたジョンヒョクは、セリが好きなので結婚できないとダンに告げる。でもこのこと、まだセリには言っていないのに。何という早急さ(彼は、北朝鮮ではセリに好きだとか、愛してるとか、直接言葉では言っていない。それでもセリに対する彼の溢れんばかりの愛を感じるのは、愛を表現するのに言葉は要らないということでしょうか。彼のセリを見る眼差しや微笑みに愛があふれている。

第8話、ジョンヒョクの身の危険を案じ、心にもないことを言って、迎えに来たジョンヒョクを追い返えさなければならなかったセリの苦悩。ジョンヒョクはセリの全てを理解した上で、本心かどうかだけを確認し、去っていく。

セリは、ジョンヒョクを追い返して、すぐに後悔の念に苛まれる。傷の癒えていないジョンヒョクをこのまま放ってなどおけない。セリにとって、ジョンヒョクはかけがえのない人になっていたのだから。そう思うや否や、車を発進させて彼を追う。

ジョンヒョクは、追いかけてきたセリがやっと自分と目を合わせた時、セリを引き寄せ、抱きしめる。この時のジョンヒョクの悲しい表情が胸に迫る。

その後避難した教室で、セリとジョンヒョクが自分達の置かれている状況について語り合う。セリは、自分の素性がダンに知られたことで、ジョンヒョクの結婚がダメになったり、人生が危うくなることを心配する。

「僕の結婚のことが心配?」と口をとがらせて抗議するような表情のジョンヒョクに対して、「あなたの人生が心配なの」と諭すように語るセリからは、ジョンヒョクを慈しむような思いやりがあふれていた。

自分のせいで、ジョンヒョクの人生が危うくなることは、断じて避けなければ。一時的な自分達の関係が、ジョンヒョクの人生を壊してしまうことを心配する抑制の効いたセリの態度に、余裕さえ感じる。

この時判明したジョンヒョクの母胎ソロについて、セリが妙に納得していたのがおかしかった。そして初恋の相手を答えられずうつむくジョンヒョクの少年のような表情😍セリがすごく大人に感じられた。(この時、ジョンヒョクが押し黙ったのは、セリが初恋の相手だからだ、という思いがあったからなのだろうか🤔)

ダンの通報で拉致され、脅迫されながらかける別れの電話。最後にセリは「愛してる」の一言を告げる。やっぱり本心を隠さない人なのだ。ここで死を予感したのかも知れない。だからこれだけは言いたかったのだろう。

(第14話ジョンヒョクも同じように、昏睡から覚めたセリに初めて「愛してる」と伝えている。「言えないんじゃないかと、怖かった」と)

連れ去られるトラックの中でセリが回想したジョンヒョクは、優しくて不器用で一生懸命な姿ばかり。

拉致されたセリを突き止め、父親と対峙するジョンヒョクの口から出た言葉は、初めからセリを保衛部に引き渡す意図がなかったと言うことだ。セリを匿ったその日から、彼はセリを守リ抜くと決めていたのだ。何故だと問う父に

「心配だったから」と。

この言葉にセリは心打たれた。彼は、出会った時から自分を守るつもりだったんだと言うことを知って。セリには言ってないが、セリを助けるために自分に何かあっても仕方がないと思っているとまでダンに言っている(第8話)。ジョンヒョクの覚悟の程が伝わる。ジョンヒョクの

「遅くなってすまない」

これは彼女のボディガードとして、彼女を守れなかったことへの謝罪、かな?二人だけが理解できるこの言葉の真意。そして、両親の前でセリの手を取って立ち上がるジョンヒョクに、セリはちょっと戸惑った感じだったが、堂々としたジョンヒョクの態度には、決意の程がうかがえた👍


<愛とはなんだろうか>

ソウルに戻ったセリはジョンヒョクのいない日常に喪失感を感じている。愛とは何だろうと自問するセリの心。

愛とは何だろうかと考えてみる。私があなたに会いたいと願っているように、あなたにも願って欲しいと思ったなら、それが愛だろうか。

あるいは、私に会いたいなんて気持ちがわかないほど、幸せでいて欲しいと願ったなら、それが愛だろうか。

それともあなたに会うためなら、あの出来事を最初からもう一度繰り返してもかまわないと思えたら、それが愛だろうか。

2番目の愛の形は、第14話でジョンヒョクが言っていた。

「毎日が幸せになり過ぎて、僕を忘れてもいい。それでも僕は大丈夫だから」

3番目の愛の形は、危篤の床でセリが言っていた。

「あなたに出会うために、すべての出来事を最初からもう一度経験する選択。時間を巻き戻しても、100回巻き戻しても、あなたと出会い、あなたを知り、恋に落ちるその危険で悲しい選択をすると私はわかっていた」

ちなみにこの時、ジョンヒョクは、セリとは正反対のことを言っている。「時間を巻き戻せたら君とは出会わない。自分を知らずに君が平穏に過ごせるほうを選ぶ」と。

でも第16話軍事境界線の別れで、二人はもう一度会いたいと願って生きることを選択する。一年後に届く最後のメールに、「エーデルワイスの咲く国で会おう」と。セリはジョンヒョクに会うために、二度の人生を生きることにしたと。

「普通人生は一度だけど、私は二度生きることにした。一度目の人生では愛する人と出会って別れ、二度目の人生では再会を願って生きる。そうすることに決めた。あなたも同じなら会いに来て」(第16話)

二人の愛は、一番目の愛の形に収斂されていく。一番目の愛の形じゃなかったら、人生寂し過ぎますよね・・・・・。

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