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未来の私のために。あの時何に感動したのかを思い出すために。

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今日ときめいた言葉。日常生活で出会った素敵な言葉、心動かされた言葉あるいは事柄について書いています。そんな言葉に出会った時、凡庸な日常が一瞬輝きます。ああ、私は言葉に生かされてい…
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2023年5月の記事一覧

今日ときめいた言葉ではなく、人物53ー「善意の人」

「今日ときめいた」わけではなく、もう40年以上そう感じている。その人は、イーオットの姉、つまり私の義姉である。何も私だけがそう感じているのではない。 彼女の3歳の孫は彼女が大好きで、毎日だって遊びに行きたがる。まさに「人間は感情で動く」である。孫は本能的に「彼女がいい人」だと感じ取っているのだ。 3歳の孫だけではない。17歳の孫も彼女の家に住み着いている。自分の家にいるより彼女の家にいる方が長いのでは?よほど居心地がいいのだろう。 それは、彼女のホスピタリティ👍 いつ

今日ときめいた言葉、ではなくTV番組52ー「街角ピアノ/駅ピアノ/空港ピアノ」から

(タイトル写真は、nhk.ondemand.jpより転載) NHKの番組に「街角ピアノ」「駅ピアノ」「空港ピアノ」という番組があるのをご存知だろうか。世界中・日本国内の街角や駅や空港に置かれたピアノを誰でも好きなように弾くことができる。そんな一曲とその弾き手の一言を一コマ一コマ流し続ける番組である。 なんのことはない番組なのだけれど、なぜかひかれる。見始めたら止まらなくなる。懐かしいメロディから本格クラシックまで、プロからつい最近独学でピアノを始めた人まで。聞いたことのあ

今日ときめいた記事51ー「おじいちゃんの『シベリア抑留記』」

今、noteに順次掲載されるのを心待ちにしている記事がある。アカウント名「おじいちゃんの『シベリア抑留記』」さんによる同名記事、「おじいちゃんの『シベリア抑留記』」である。 この方は、この抑留記を書いた方のお孫さんにあたる方で、このかたのお父さんがその手書きの抑留記を製本したそうである。そのうちの一冊がこの方にも手渡されたが、長じてその抑留記の価値に気づかれ、noteに掲載しようと思い立ったとのことである。 いまだにこの事件は明確に解明されず、闇の部分があると言われている

今日ときめいた言葉50ー文章術「スピードだけがサービスじゃない。言い切らない。断罪しない。文章にふくらみを。人格に奥行きを」

(2023年5月23日付 朝日新聞 「新聞記者の文章術」編集委員 近藤康太郎氏の記事から) 上記タイトルの言葉は、前にも取り上げた近藤康太郎氏による「新聞記者の文章術」という連載記事からのものです。 文章術について、先の記事で近藤氏は、 「他者はわたしに興味がない。厳然たる事実です」 と書き、文章を書くにあたり「謙虚であれ」と戒められた。 そして今回の記事では、上記の言葉「スピードだけがサービスじゃない。言い切らない。断罪しない。文章にふくらみを。人格に奥行きを」を

今日ときめいた言葉49ー「人間は理屈によって納得するが、感情によって動く」

(2023年5月21日 朝日新聞 「天声人語」から) ニクソン元米大統領の言葉だそうだ。この言葉どんな文脈で語られたのだろうか?天声人語は、この言葉を引いてゼレンスキー大統領の電撃訪問について語っている。 「突然の驚きを伴う広島訪問は、それ自体が世界の人々の気持ちに触れたのではないか」と。 私も驚きと共に彼の精力的な行動に感嘆した一人だ。しかし、世界の平和を議論しようとする場に武器の支援を求めて乗り込んで来る行為は、なんとも皮肉なことである。それも被爆地広島に、である。

今日ときめいた言葉48ー「ついつい口うるさくしちゃう、けど、ここにいてくれるってだけでありがとうなんだよね」(続編)「我が家にもあった娘たちからの手紙」

ちびまる子ちゃんのお母さんの言葉: 「なんでだろう、いつもなんでも話してるのに、ちゃんと言葉にできなくて、 大事だよって、ちゃんと伝えなきゃね」 そして、呼応するように右側は、ちびまる子ちゃんの心の言葉。 今日発見したのが娘たちからの手紙(三女が書いたもの)。これは、2008年の父の日に寄せてくれたものだけど、ずっと失念しておりました。まさに、ちびまる子ちゃんの思いそのものの手紙でした(感涙にむせぶー母=私😅) 娘たちには感謝の気持ちでいっぱいです。こんな母親の叱咤激

今日ときめいたこと47ー桑の実の思い出

公園を歩いていたらたくさんの桑の実が落ちていた。ああ、またこの季節がやってきたのか。桑の実を見ると、心の片隅がうずいて、ちょっと切ない気分になる。 我が家で飼っていた「ルー」というラブラドール犬を思い出してしまうからだ。 彼はこの桑の実が大好きだった。桑の実を発見するや脱兎のごとく駆け出して、ものすごい勢いで食べ始める。「シュポ、シュポ、シュポ」と吸い込むように食べる。アリクイもこんな風に蟻を食べるのだろうか?まるで掃除機で吸い取っているようだ。 一旦食べ始めたらもう止

今日ときめいた言葉46ー「わたしたちが文章を書くのはなぜでしょう。他者に何かを伝えたいからです」

(2023年5月16日付 朝日新聞 「新聞記者の文章術」編集委員 近藤康太郎氏の記事から) 記事はさらに続く。 「たとえ独り言のような日記でさえも、他者(例えば未来の自分)に伝えたいから、人は文章を書くんです。言葉は、原理的に他者を必要とする。人間とは、他者に生かされる生きものなんです。そして、他者はわたしに興味がない。厳然たる事実です。<わたし>なんて、そんなたいしたもんじゃない。うぬぼれるな」 今の私の心を射抜く言葉である。あまりに正鵠を射ていて、返す言葉が見つから

今日ときめいた言葉45ー「これなんか変じゃない?」

どこが変だか気がつきましたか? 高尾山で見かけたサインボードだそうです。イーオットの呼びかけに三女が、 「はは、ニュアンス?『自分のゴミ』っていうよりは『ここのゴミを持ち帰って』って感じだね。そこにあるゴミを全部持ち帰れ」 と言っているのかな(笑)と反応。二女が、 “Please take your garbage home. “ かな?と反応。 私たち日本人が苦手とする冠詞「a」と「the」 でもあなどってはいけない。こんな小さな言葉でも上記のような意味の違いを

今日ときめいた出来事43ー「孫が来た!」続編(彼らの初体験)

アメリカで生まれ育った孫たちは、日本の家庭でやる花火を知らない。マサチューセッツ州では独立記念日に打ち上げる花火以外は一切禁止だという。かわいそうに、あんな風情のあるものが気軽に楽しめないなんて。 だから帰国する前の日、お楽しみ花火大会を催した。子供達は大興奮。 そもそも火のついた棒を手で持つという発想がない。イーオットは、緊張する孫たちの手を持って手本を示した。 みんな自分の順番が来るのが待ちきれない。「じっとして、静かに持っているのよ。振り回しちゃダメよ🙅‍♀️🙅🙅🏻

今日ときめいた、ではなく思い出した言葉42ー「あなたにおばさんと言われる筋合いはない」

日々の暮らしの中で、フッと思い出す昔の出来事や言葉がある。今振り返ると大人げないことだったかなと思ったりもするが、その時は私も必死で、自分を省みる余裕もなかったのだ、と自分に弁解している。 今日思い出したのはそんな出来事の一つである。英語の専門学校に通学していた時のことだ。その学校は、その頃東京では、ちょっと名の知れた3年制の英語学校だった。会社の委託授業なんかも請け負っていたので、休み時間はスーツ姿のサラリーマンが大勢たむろしていた。 クラス分けのテストがあって、下のレ

今日ときめいた言葉ではなく出来事41ー「孫が来た!」

「孫が来てすごくうれしい。でも帰った時はもっとうれしい❣️」 綾小路きみまろのギャグだ。ジジババの心境をずばり表現していて名文句だと思う。 Covidのためにアメリカへの渡航を自粛して、もう3年がたってしまった。長女の第4子は会えない間に生まれ、すでに3歳になっていた。この6人の家族が、静かに暮らしていた我々夫婦の日常を破壊した。 朝は時差もあってか5時過ぎから騒ぎ出す。起きたらすぐ朝食の準備。ソーセージだ、ベーコンだ、ゆで卵は半熟じゃないと食べない、と注文の多い食堂の

今日ときめいた言葉40ー「理解するために大切なのは、答えにたどり着かず、常に問い続けることだ」

そして、以下のように続くー 「言い換えれば、自分の思考や眼差しの方向性を完全に信頼しないことなのだ。自分に寄り添いすぎず、少し距離を置いて見つめること。この過程で浮かんでくる像こそが理解の形であり、やがては記憶として自らに刻み込まれることになる」 (2023年4月21日付 朝日新聞 寄稿「記憶を刻んでゆくこと」作家 石沢麻依氏の言葉から) 石沢氏は、戦争や災害など遠ざかる出来事に対する私たちの理解と記憶について語っている。戦争や自然災害といった過去の出来事は、時間の経過