雑草は悪なのか?問題
元気な野菜たち、その野菜たちが育つ畝と畝間は雑草が一つもない…これまでの畑のイメージはそんな感じだ。
父は畑以外にも細々と用事があって割と時間がなかったが、それでも除草は小まめにしていて、「いつも〇〇さんの畑はきれいだねぇ」と声をかけてもらっていた。
いま思うと、昨夏の父の畑は、いつになく雑草が多かった。
それまでは小まめにできていた作業も、徐々に体調が悪くなり難しくなってきていたのだろう。
例年暑いなかでもじっくり作業していたのに、去年は短時間で引き上げていく様子を農園仲間は頻繁にみていたそうだ。
ところで、私はといえば、根はズボラだし、畑のある実家から少し離れて住んでいるので毎日通えるわけではないため、特に夏真っ盛りな時期は気を抜くとあっという間に雑草が生い茂る始末だった。
野菜づくりについて調べていると、この除草についても様々な見解があることがわかった。
【雑草の根が病害の原因になるので、根こそぎ取った方が良い】とか【野菜に届ける栄養分を雑草に取られるから可能な限り取り除く】などといった 雑草=ない方が良いもの という考えがある一方で、
【雑草の根が張ることで土中の酸素量が増える】とか【雑草をなくして裸にしてしまうと、土が乾燥して固くなる】【虫の棲家が限定され、害虫が野菜に寄りやすい(雑草があれば棲家が増え、そのぶん益虫も増える)】などといった 雑草=あっても良い、ある方が良いもの という考え方もある。
できることなら日頃の手間は増やしたくないという思いもあり、個人的には後者の考えを支持したい。
また、あらゆる自然の力の恩恵を受ける営みのなかで、雑草をマルチングや堆肥など有機的に活用することで自然にあるものを循環していく、という点も共感できる。
近くに他者の畑があるため、ガッチガチの自然派的農法は難しい(私自身もそこまで極めようとは思っていない)。
あらゆる方面の良さそうなところを掻い摘んで、うまいこと折衷的にできればいいなと思っている。
何より大切なのは、【自分が無理なく楽しくできること】だ。
地際をカリカリ鎌で掻くような軽い除草をしていたら、雑草の茎を上り下りするナナホシテントウを見つけて、そんなことを考えた昼下がりだった。