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10年間のウェブ開発フリーランスから新しいキャリアへの挑戦 - 最先端LLM開発の現場 ストックマーク株式会社に入社しました

2024年1月よりストックマーク株式会社に入社しました安藤(@ampersand_xyz)です。ポジションはプロダクトエンジニアとDevRelを兼務する形になり、1人目のDevRelとして活動します。
今まで10年ほど都内でウェブサービスの企画〜デザイン〜開発までを一手に担う形のフリーランスとして活動してきましたが、ひとりのフリーランスの力では関わるプロダクトに対して行えることと責任領域に限界があることや、それならばと個人的な活動としてサービス開発などもしてきましたが、自分ひとりでやれることには規模の限界があるということを感じはじめ、もう一生分のソロ活動をやったなという感覚に至り、会社員になるための転職活動を経てストックマークに来ました。

ストックマークを選択した理由

いくつかの理由がありますが、概ね以下の項目にまとまります。

  • 自社でLLMを開発していること

  • Vue.jsをフロントエンド開発に使用していること

  • DevRelとしての活動を業務として行わせてもらえること

まずストックマークがどんな会社なのかというと、自然言語処理に特化したAIスタートアップです。LLM・マシンラーニングの研究開発を行い、自社のLLMをウェブサービスとアプリのプロダクトに組み込む形でSaaSを提供しています。現在提供しているプロダクトは、AIによるウェブメディアや特許・論文の情報収集・共有を支援するサービス「Anews」と事業ドメインに関する調査・比較・レポーティングなどを行うサービスである「Astrategy」の2つになります。
ストックマークではこういったサービスの内臓の部分にあたるコンテンツ内容のベクタライズや、その内容を要約するためのLLMのAIをすべて自社で開発していて、コアな機能が「外部のAPIやSaaSに依存していない」形でアーキテクチャが組まれています。
AIをプロダクトに組み込んだスタートアップは沢山ありますが、ここまで一気通貫の形で製品開発をしている会社はそうはないはずです。自分がストックマークを選択した理由としては最上位にあたります。

「責任のあるAI」を作れるだけの組織の技術力と環境

大規模言語モデル自体は6年ぐらい前から話題に上がっていましたが、2023年の3月頃にGPT-3が現れ、そこから加速度的に存在が認知され普及していきました。 MLやAI領域に明るくない自分のようなエンジニアでも本当にLLMを気軽にAPI経由触ることが出来るようになりましたが、その制御方法についてはプロンプティングによるものが主流であり、使用するLLMそのものはOpenAIに依存する形になります。

依存すると表現した理由として、以前にGPT-3.5-turboを使って業務効率化のためにSlackのスレッドの内容をテキストに起こして、その文脈を読んでやるべき事を洗い出し、プロンプトに渡したフォーマットでGithubにIssueを起票する、というようなBOTを作ったことがありました。が、あるタイミングから今までうまく行っていたプロンプトでどうも安定した起票ができなくなりました。その理由は明確ではないのですが GPT-3.5-turboのアップデートが行われたという告知がありおそらくその影響であると推測されました。

この経験から、プロンプティングでいくら制御をしても、モデル自体が変わってしまう可能性や、モデルの提供が終了される可能性を鑑みると、モデルを他所に依存する製品はフラジャイルであることから逃れられないのかもしれないと考えていました。(※無論プロンプティングを用いてAIを使った開発がされている製品もとても良いものが多いと思っています。深い話がしたい方はぜひご連絡ください!)

そんな事を考えていたらストックマークは自社でLLM作っているし、研究開発もしているし、これは入社してからの話になりますが2024年2月2日に1000億パラメータ規模のLLM開発開始のプレスリリースも出ました。
生成AIを”ちゃんと”プロダクションに組み込める製品が作れる。そのことに一介のエンジニアとしてのロマンと、ストックマークのプロダクトのポテンシャルを感じました。

とはいえ、こんな話をしましたが自分が開発する領域としてはウェブサービス側であり、AIの開発とか清々しいほどわかっていません。AI開発に関して出来ることといえば研究チームを応援するために踊ることぐらいです。

自分の好きな技術を使っていること

自分はウェブ開発を行うエンジニアです。そして、とりわけVue.jsが気に入っています。そしてそして、ストックマーク株式会社もウェブのフロントエンド技術としてVueを使用しています。やったぜ!!
1人体制での開発の期間が長かったので、周りに同じ技術の話で盛り上がれるエンジニアがいることは非常に嬉しい点でした。
選考の時点で聞いた情報として、現状のコードについてもVitestによるUnitTest、StoryBook、バックエンドのRuby On Railsにも一通りのrspecが用意されており、安心して開発できるなと思ったところも大きいです。

DevRelとしての活動を業務として行わせてもらえること

実は冒頭の部分でフリーランスの状態からすぐにストックマークに転職したような形で書いたのですが、その間に半年間別の会社に所属していました。が、その会社は資金繰り悪化のため在籍半年で会社都合退職という形であっという間に退職したのでした…。

その会社に在籍しているときの話ですが、そこにも開発もチームはあったもののごく少人数だったので個々人でそれぞれの作業を行うような形で仕事としてはフリーランスのときの体制と大差ない感じだったのですが、メンバーには非常に恵まれていて、これからエンジニアリング業務を拡大していくために開発組織をもっとデカく良い感じにしていくぞ!という意気込みから、開発ノウハウの発表イベントの開催やブログのアウトプットをしたりという活動を業務の傍ら行っていました。
目立った成果が出るほどの期間活動できたわけではないですが「組織の良さを世間にわかってもらうのとか、人同士が良い感じになっていくのめっちゃ良いじゃん」という体験があり、転職するのであればそういった活動をちゃんと業務として行うDevRelになりたいなということを考えるようになりました。

YOUTRUST経由で声をかけて頂いたことがストックマークとの出会いのきっかけだったのですが、元々はWebエンジニアとしての働きを期待しての声掛けでした。
そういう空気を読まず、面談時にDevRelをやりたいということを伝えたところ、そもそもそのポジション自体が存在していないということもあり、おそらくだいぶ戸惑わせてしまうことになったのですが、DevRelの枠を新設してもらえることとなり、エンジニアとDevRelを兼務する形でポジションを頂ける形となり、DevRelとしてのキャリアの挑戦を始めることが出来ました。

やりたいことがあったら言わないとなんも始まらないので、言ってよかったということと、こういったことを受け入れてもらえるスタートアップらしい柔軟さに感謝しています。

ストックマークに入ってみて感じたこと

入社して1ヶ月が経過し、自分の言葉で感じたことを述べることができる状態になったため、書いていこうと思います。

入社オンボーディングの丁寧さと業務体験は比例する

社会人として人生をやって結構長いですが、こんなにもガッツリオンボーディングに時間を割いて重厚なインプットを行う会社は初めてでした。同期の方々も同じようなリアクションだったので、5日もかけてオンボーディングするというのは、かなり稀有な会社だと思います。
セッション内容からそれぞれ一様に会社に対する思い入れが伝わり「いい組織なんだな」と感じましたし、実際に良かったと感じています。

オンボーディングプログラムの内容


しかし改めてプログラムを振り返ってみても、ちょっと過多かもと思うぐらいボリュームフルな内容だったと思いますし、自分の職業領域の以外の部分にも幅広いインプットがあるため、全て覚えきれたかというと正直そうは言い切れないです。

しかし、このオンボーディングを踏まえたからこそ、社内のコミュニケーションや部署をまたいだミーティングや共有会にある程度最初からスムーズについていけるようになりましたし、他の部署の方のことをより慮って動けるようになったと思います。
間違いなく、オンボーディングを経て業務の体験が良くなったと思います。

Slackが活発

フルリモートが主体の会社組織であるが故か、分報(times)の文化が根付いていて、職業領域に関わらずtimesでの発信が活発で見ていて非常に楽しいです。

様々なコミュニケーションが丁寧

本当に日々お礼を言うことしか出来ないんですが、先輩方の不明点への質問に対しての回答やサポートが非常に迅速丁寧で毎回恐縮しています。
Slackが活発なことにも関連しますが、timesでわからないことをメモがてら呟いていたらどこからともなく先輩が現れて回答してくれたりもするので、フルリモートの勤務体制でも心細さを感じず業務に携われています。

福利厚生が充実

勤務の体制として、裁量労働制とフルフレックス制(職種によって異なる)で勤務できる形になっており勤務時間を調整しやすいです。とはいえ、結構日中のミーティング時間が多いため、基本はよくある8時間勤務のような形で過ごしていますが、何らかの都合があるときに調整しやすいのは助かります。
また、初日から有給が付与されるため、急な何かがあったときに対しての安心感があります。
あとはIT健保に加入しています。業界では寿司チケットとして有名だったので、そのイメージのままいたのですが、IT健保ってめちゃくちゃ他の特典も充実しているんですね。

技術力の高いエンジニアが多い

まだ関連するプロダクトのコードに全部目を通せたわけではないですが、技術力が高いなと感じる方々ばかりです。また、月に一度研究日が設けられており、そこで研究されたテーマについてはnotionに纏められ、ナレッジとして社内にシェアされています。
それを読めることもエンジニア的には福利厚生かもしれません。

一通りのテストコードがある

フロントエンド・バックエンドともにテストコード・Storybookがあります。

幅広い技術にふれる機会がある

プロダクトの提供形態はウェブサービスでありフロントエンドはVue3、バックエンドはRuby On Rails、そのほかFlutterでのアプリ開発と、割と多くの技術について触れることになります。
ポジションとしてプロダクトエンジニアと名乗るのは、技術領域を限定していないことが理由のひとつとなります(データ収集・解析やLLM開発チームとの区分けとしても意味合いがあります)。

これはスタートアップの組織では専門チームではなく、開発に携わるエンジニアが様々な領域を触ることができる知識を持っておくような形になっており、開発の作業領域が手広くなりすぎるきらいも無くはないんですが、過渡期の組織では避けられえないことであると思っています。RubyもFlutterもはじめてですが、せっかくなので楽しんで携わろうと思っています。

単純に人がみんないい人

どんな組織に属するときも、結局最後はここに尽きるのかと思っているのですが、困っていたら声をかけてくれたり、ワイワイするときはワイワイしたり、組織を良くしようとしていたり、いい人しか居ないなと思っています。
その他、色々書きたいことがありつつもキリがないので、この項目については一旦この辺にしておきます。

自分がやりたいこと・これからについて

ここまで入社のきっかけから、入社して感じたことを書いてきましたが、その期間全てで感じていることとして「ストックマーク、技術力はあるし やってることもすごいのになんでだかあんまり世間に知られていないな?」ということです。

組織にいる人、作っているもの、それらが世間に知られないことはとても勿体ないと純粋に思っています。
まずはDevRelとして社の良さを伝えたり、そのために社で扱っている技術についてもちゃんと理解できるよう、エンジニアリングについても妥協せず頑張っていきたいと思っています。

しかし、DevRelを本格的に取り組むに当たって、まずは何をしたら良いんだ?も正直手探り状態ですが、この組織やプロダクト・扱っている技術についての魅力は段々とわかって来ている段階なので、あとはそれを分かりやすく発信すること、そして発信を受け取ってくれた人と組織との橋渡しをできること、それらを通して、社のみでなく業界にも貢献することで社と世間との良い関係を築いていきたいです。

その他、語りきれていないことが沢山ありますので、ストックマークに興味を持ってくれた方はぜひカジュアル面談でお話させてください。

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