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燦燦(さんさん)インタビュー [後編]

アムールレコードで新たにサポートを開始した4人組ロックバンド "燦燦" (さんさん)。地元岐阜を拠点に活動する彼らのリーダー Vo.&G. 田浦潤さんに色々聞いてみたインタビュー。後編は個性的なメンバーについてのお話しからスタートです。

[前編]はこちら。
https://note.com/amourrecord/n/naac940462624

ひびのわたる(以下 ひ):復活した ”燦燦” では、以前にはない変化をメンバーに感じたんだとか?

田浦潤(以下 田浦):元々3ピースバンド時代の ”33” では、私にとってどうしてもギター兼ヴォーカルとしての制限や制約みたいな不自由さを感じていたので、ギターとして河合君が加入してくれたおかげで幅を広げられたんです。でも、当時は既に3ピース時代に完成していた曲がほとんどで、河合君はそのイメージの延長線上の忠実なプレイを心掛けてくれてて、私のオーダーやイメージの枠の中に彼を閉じ込めてしまっていたんだと、気づかされたのが今回のレコーディングでの彼のプレイを聴いてからでした。
今回レコーディングした曲は、実はバンド結成当初に書いた曲でしたが、新たなキメフレーズが浮かんだところからリメイク出来たんです。
それに加えて河合君のギターの疾走感、ドライブ感が、この曲やバンド全体のオリジナリティをグッと引き立たせてくれるものになりました。間違いなく今回のレコーディングのプレイからが河合透の本領発揮です!

ひ:弾きまくりでバンドをグイグイとひっぱってる様だもんね!本当にすごいプレイだよ。何回聴いてもかっこいい。
ベースのパンサー君と僕は、僕も2015〜17年の間、The WANDERで一緒にやってました。とても穏やかで安定したプレイの出来るベーシストだよね。

The WANDER「ブルースをぶち壊せ」
(2015年から解散する2017年までパンサー山本がThe WANDERのベースを担当していた。)


田浦:人柄が見事にプレイに滲み出てますよね。
ベーシスト然とした佇まいにも雰囲気があります。今回のアー写での彼の表情は絶妙です。
でも彼は感動屋さんなので、スタジオで私が何かアイデアを持ち込む度に「カッコイイ!」とか「それイイねー!」とかいつも嬉しいリアクションをしてくれるんです。
だから、彼の「イイね!」が聞きたいがタメに私は曲を書いて(書かされて)いるような気もします。

ひ:嬉しいよね~それね。曲をつくる者としてはホッとするね。

田浦:それと、彼はとにかく耳が良いので、一緒にバンドを始めた頃から私が思いつくアイデアに素早くコード感とグルーヴ感の土台を作ってくれるので安心出来ます。
でも、The WANDERで一緒にやってるのでご存じかと思いますが、柔軟で穏やかに見えて意外に頑固なところもありますよ。

ひ:(笑)わかるよ~。しっかりスタイルを持ってる人だもの。

田浦:そんな人間臭さも彼の魅力ですね。

ひ:ドラムのみつるんは常に向上心を持ち続けて、ずっと精力的なのにはホント頭が下がります。

田浦:このバンドの中では、、という事だけでなく、単純に友人としての付き合いが1番長いのが彼で、もともと多趣味で器用な男でありまして、大学生の頃はベースを弾いてましたし、ギターを弾くのも大好きで、私が上京する際に原資が必要となった時は彼が私のストラトキャスターを買い取ってくれた事もありました。
チャレンジ精神旺盛なので30前後でドラムにまで幅を広げる訳ですが、私が夢破れ東京から岐阜に戻って来て、再度音楽活動をしてみようと思った時に、近しい奴がドラムを始めていたのはラッキーだったと思います。
バンドをやるにあたり、1番苦労するのがドラマーの確保ですから。

ひ:確かに。

田浦:私がどっぷりソウルやファンク、ブルーズ等のブラックミュージックに心酔していた中、彼の好みはひたすらロッキンな感じだったので、一時期においては音楽的なズレもあったように思いますが、”燦燦” として活動を再開してからというもの、私のアイデアをいち早く察してくれるのは彼ですね。
今回のレコーディング曲では、奇数拍のキメフレーズがまとまった事がリメイク成功の1番の要因だと思っていますが、口頭で伝えにくいアイデアだと思っていたのに、一発で理解してもらえたのには驚きました。

(奇数拍のキメフレーズ)


田浦:「燦燦」の中間パートのリムショットも狙い通りに決めてくれました。
お互いどちらに寄せるでもなく、ちょうど良い感じで折衷案が出せるようになって来た気がするのは加齢が成せる業でしょうか?

ひ:それも大きいと思うよ。それぞれが歳を重ねて色んな経験を経て、いまちょうど良い頃合いの関係性になっている感じがするよ。
実は今までも音源製作にトライしてた時期はあったよね?

田浦:1番最初に制作した音源は”菩薩”から”33”に変わってすぐに書いた自身初のオリジナル曲「33ブルース」でした。

SWEET FISH TOWN 2010
コンピCD ジャケット
33 収録曲「33ブルース」

この音源は河合君が加入する前の3ピース時代の音源で、詳細は私のソロアルバム『音楽浄土』全曲解説をご覧ください(笑)
また、みつるんと共通の友人である高校時代の同級生が自動車整備工場をもっていたので、その工場の2階を借りてスタジオ化して使わせてもらってました。その頃に、SFTのコンピCD用に録音した「辿り着くべきは」という曲だけが河合君加入後の正式な録音音源として残りましたが、実は他にも途中までレコーディングした曲もあったんですよ。完成の陽の目を見る前に私がバンドを止めてしまいましたが…。

SWEET FISH TOWN 2011
コンピCD ジャケット
33 収録曲「辿り着くべきは」


ひ:そして今回、やっとというか無事にシングル「燦燦」を配信リリースできることになったと。

田浦:結成17年を経てようやく納得の音源が完成しました!
結成当初の曲を現在の自分達らしくリメイク出来た事がとても嬉しいです。
この「燦燦」の完成度を基準に、もう数曲完成が見込めるアイデアがありますし、既に次のレコーディング曲も決定しています。

ひ:おおお~いいね。

田浦:ここ数年のコロナ禍において、明確な活動目標を持たずに再開したのですが、楽しくリラックスした雰囲気の中にも向上心を持って真剣に取り組めるバランス感覚が保てる状態なので、フィジカルや閃きという部分においては加齢による衰えは否めませんが、バンドの現状は間違いなく過去最高だと思っています。そして、これからまだ更新出来る可能性すら感じられるのでワクワクしますね。

ひ:今回の「燦燦」ではMIX作業から関わらせてもらったわけですが、何度聴いてもね、こう腹の底からグググッと湧き上がってくる熱いものが抑えられなくて、自然と身体がリズムとっちゃうんですよ。ダンスミュージック、ダンスナンバーですよねこれは!ロック好き必聴の!

田浦:ありがとうございます!
自分達が楽しめるメロディとリズムを我々メンバー以外の人達が聴いて、同じような楽しさを感じてもらえるなら、ローカルシーンで中年のオジサン達が永く活動を続ける意味が深まります。
仮に誰に見向きもされなくても4人でスタジオに入る楽しみは薄まらないとも思ってますけど。
でも、出来る事なら共感者は増やしたいですね。

ひ:たぶん生で聴いたら座ってられなくなりそうです。ライブもそのうち、やって欲しいです。

田浦:コロナの影響で、集客面などを考えると人前で演奏するイベントを開催する事はあまりリアルにイメージ出来なくなっていますが、今回のデジタル配信で何らかのリアクションがあれば、ライブをやるモチベーションが湧き上がるかも知れません。
旧 ”33” のライブイベント「獲物達の夜」は、イベント名に愛着があるので、またいつか開催したいとは思っています。

ひ:ぜひ楽しみにしてます。次のレコーディング曲の準備は順調?

田浦:はい!次の曲の構成はほぼ完全しています。今回の作品のリリースとその拡散(広報)活動が落ち着いたら、すぐにでもまたレコーディングしたいですね。

ひ:また楽しみにしてます。そしてまた呑みに行こう。いつかメンバー勢ぞろいで「あむ〜るらじお」の収録をしたいです。

田浦:是非飲みましょう!
メンバーとも飲みニュケーションを取りたいです。おじさん達で燦燦キャンプ、燦燦BBQなんかやれたら楽しいだろうなー。アウトドア活動なら多趣味男のみつるんがいるから安心だし。

ひ:アウトドアもいいねー。
今日はどうもありがとうございました。燦燦旋風、巻き起こそう!

田浦:こちらこそ今回のレコーディング、デジタル配信など様々な点でのご協力に感謝します。
生演奏、ライブなら集客数とお客さんの反応で手応えを感じられますが、デジタル配信は再生数、閲覧数など数値で成果を確認する形になるので少し怖い気もします。…が、成果や手応えが感じられればラッキー!そうでなくてもローカルシニアバンドはのんびり自分達だけでも楽しみながら進みまーす!

燦燦
初配信シングル 「燦燦」
2022.11.8リリース

Apple Music, Spotify, YouTube, Amazon他で配信
(都合により配信タイトルは ” Theme ” です)

= Download & Streaming =
https://song.link/ss_sunsun_theme


◎燦燦(さんさん)Vo.&G.:田浦 潤ソロワーク

『音楽浄土』 (2009年作品)

= CD =

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『NOW & HERE』 (2020年作品)

= Download & Streaming =


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