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天国に届けたい笑顔のカタチ




そんなに泣いていたら
お母さんが悲しむよ。

いつまでも泣いていたら
お母さんが成仏出来ないよ。

そんな遺された者を思えばこその
励ましの言葉のつもりが
遺された者には痛みになる。

そして傷になる。

遺された者は
そんなこと言われなくたって
わかっているんです。

痛いほどにわかっている。

わかっているからこそ
どれだけの悲しみが襲おうとも
懸命に笑顔になろうとする。

笑顔でいようとする。

愛する人のために。

お母さんのために。

人生最大の絶望をよそに
自分を犠牲にして
自分のココロに嘘をついて
どれだけぎこちなくても
笑顔になろうとする。

笑顔になんて
なれるはずもないのに。

喪失感が余りにも大きすぎて
笑顔どころか笑うことすら
忘れてしまいそうなのに。

笑顔でいれば
お母さんは
愛する人は
きっと喜んでくれる。
安心してくれる。
そう信じて。

でもいつしか自分は自分に
嘘をつけなくなるんです。

ずっとこらえ続けてきた悲しみが
笑顔に勝ってしまうんです。

こらえ続けて来たぶん
今までの何倍にも増幅した形で。

そして
その瞬間から
痛みは傷になる。

笑顔になれない自分。
笑顔でいられない自分。

そんな自分は
お母さんを悲しませているんだと
自分で自分に
たくさんの傷をつけるんです。

まるで
自分を傷つけることで
大きくなりすぎて
今にも破裂しそうな悲しみを
消化するかのように。

でも
それって当然のことなんです。

この人生で
経験してきたことの中で
これほどの悲しみはなかったでしょう?

これほどの絶望感の中で
地を這うかのように
生きることを
意識したことなんてなかったでしょう?


喪失という経験は
人生最大の傷です。

どれだけの月日を経ても
かさぶたすら出来ない
深くて深くて強烈な痛みを伴う
傷です。

そんな傷を
ロスの人は負っているんだもの。

苦痛で顔を歪めることがあって
当たり前です。

それでも
お母さんに笑顔を見せたいのなら。

お母さんのためを思って
懸命に笑顔でいようと
努力した笑顔ではなく。

必死に涙をこらえて天を仰ぎ
振り絞って見せた笑顔ではなく。

大したことでなくていい。

純粋に
素直に
ふとした瞬間に
くすっ。と笑ってしまうくらいの
自然な笑顔を見せてください。

お母さんは
愛する人は
あなたが笑顔でいるから
嬉しいわけじゃない。

あなたが笑顔でいるから
喜ぶわけじゃない。

繕うことなく自然のままに
生まれるあなたの笑顔が
何よりも大好きなだけです。
喜びなだけです。

偽ることなく。
無理することなく。
自然のままに。

愛する人に笑顔を向けられる
あなたでいてください。

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