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叶わない片想い、消えない気持ち
「私には似合わないよきっと。こんな自分を好きになってくれるなんて思えないし。きっと、失望するかスルーだと思う」
さっきまで笑っていたのに、寂しそうにうつむく。
自分とはそもそも住む世界が違う。
彼はいつも明るく元気で、素直で健やかで、自信に満ちてる。テンポも良くて、活発に生きてる。
きっとついていけない。
そんな自分は不釣り合い。。。。
そう小さな声でいいながら、食べ終わったお皿に目を落とす。
それ以上言えることはないみたいに、私の背後で元気に接客する若い店員さんを遠い目で見つめている。
一体何が、彼女をここまで傷つけたんだろうか。
まじめさ、無自覚のストイックさ、こだわりとの葛藤、長い挫折感、異性への諦めと憧れ。
ため息のような深呼吸1つに、これ以上多くは語らないだろうと思った。
長いこと火の消えた焚き火のように、黒くて、ひんやりしている。
焚き火か…。
火の消えた焚き火が、燃え盛る焚き火に憧れている。
でも、こんなに暗く冷たい自分とは釣り合わないと思っちゃってる、、のかな??
ふと、そんな思いがよぎった。
なぁんだ、どっちも焚き火なんだ!
「いつも明るく元気で、素直で健やかで、自信に満ちてる。テンポも良くて、活発に生きてる。」
素敵だと思う異性は、きっと、その人自身が本領を発揮した姿なのかもしれない。
甘い笑顔のマッチョ君なのか
キレ者の爽やか帰国子女マンなのか
スポーツ万能のひょうきん者なのか
静かな微笑みのエリート貴公子なのか
分からないけど
客観的に見て好印象だってことと
可能性を諦めるほど心が求める人物像かは
別ものだと思うんだよね。
誰もが憧れる
と思ってるのはじつは自分だけで
だからこそ
自分を知る手がかりがそこにある。
見失った自分を見つけるほど
自分の内側と外側がつながり始めて
元の気、正しい気、本来の気が巡り始める。
輝いてみえる憧れのあの人は
じつは本来の自分だったのかもしれないと。
そこにはもう
「叶わない」も「届かない」もなく
ずっと前から自分の中にあって
そんな自分へ近づいていく旅
なんだということを学んだ。
最後に見せてくれた
満開のお花のような笑顔が
びっくりするほど輝いてみえた。
あぁ大丈夫だ!と思った。
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