【大人買い】私の違国。
ヤマシタトモコさんの,『違国日記』を大人買いした。
初めての大人買いだった。買って良かった。一生大事にしたいと思えるものが増えるというのは良いことだ。
読んで考えたことを書くことにする。ずっと考え続けたいことだから,結論は出ないけれど,現時点で考えたことをありのままに綴ることにする。
なお,お話の内容には全く触れない。
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大人も社会の一員として振舞ってはいるけど,いつまでたっても迷い続ける子どもの自分をそっと心の中にしまい込んで,アイデンティティをぐらつかせている。
高校生も今この瞬間だけを楽しめばいいと無邪気に振る舞っているように見えて,視界の隅には不確かな将来がちらついていて,不条理がはびこる社会に翻弄されている。
大人も子どもも等しく,ただ自分が自分であることを求めている。
大人は大人で職業などの肩書きが先行して,肩書きだけで自分が判断されているように感じたり,周囲が期待する自分と,どこにいるのかわからない本来の自分との間に乖離を感じたりして息苦しさを覚える。
子どもは子どもで肩書のない不安定さがあり,実態のない「キャラ」とか,教室という閉ざされた集団の中で暗黙のうちに定められた立ち位置とかに,がんじがらめになって自分を見失う。
みんな,意識するにしろしないにしろ,自分の中に違う国を持っているのかもしれない,と思った。
違う国は,普段の生活を送る裏で静かに築かれた隠された国で,人は,少なくとも私は,時々そこに逃げ込む。
または,自分が今まで知らなかった世界が自分の中に存在していたことに突然気づく人もいるのかもしれない。それによって,困惑したりあるいは希望を持てたりするのかもしれない。
普段は表に出さない自分の中の違う国は,周囲に理解されるかどうかわからない,否定されるかもしれない。
おっかなびっくり近づいて,交わって,離れて。傷ついたり傷つけたり,癒したり癒されたり。
生きることは難しい。
どうやって人と関わればいいのか。どうやって自分を保てばいいのか。
わからない。私は基本的に生きることも,人と関わることも,言葉を発することも,怖い。怖くて仕方がない。
ずっと違う国で生きられればいいのに。でも人と関わらなければ生きていけないこともわかっているから,そのことの良さを感じることもできるから,バランスを取るのが難しくて苦しくなるのだ。
あなたの感じ方はあなただけのもので誰にも責める権利はない(違国日記① page.2)
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