見出し画像

びっくり試着の旅

先週、「ファッションのPDCA」についての講演を聴いたことで刺激を受けまくり、「D」に当たる試着がしたくてしたくて仕方なくなり。
この1週間は休みのたびに試着に繰り出していました。

現状、服も小物もお気に入りが揃っており、急いで買い物する必要はありません。
買わなくてもいい心の余裕を持った状態で、高価なものを手に取ってみて審美眼を鍛えようと思ったのです。

今回はハイブランドの路面店をメインに、近くの百貨店やファッションビルも回ってみました。
実はこれまで路面店は勇気が出なくて一度しか入ったことがなく、ブランド品を見るときは百貨店をメインで利用していたので、路面店巡りは新たなチャレンジです。

・自分の雰囲気と近そうで気になっていた「しっくり」のお店
・ちょっと違うかもと思って敬遠していた「びっくり」のお店
どちらも行きましたが、今回は「びっくり」をメインに書いていきます。

また、今回かなり自問自答式に忠実に試着の旅をしてみました。
自問自答ガールズ達にとっては見たことある要素を詰め込んでおります😚

突撃と事前準備

今回路面店を巡ろうと思ったきっかけは、冒頭で触れた幻冬舎大学の講演に現地参戦したあと、自問自答ガールズ達の試着にご一緒させていただいたことです。
これまでも、店員さんはだいたい親切であること、試着の結果買わなくても大丈夫なことは頭では理解していましたが、やはりどこか緊張してしまっていました。
でも、皆さんが肩の力を抜いて試着を楽しんでいる様子に「こんな感じでいけばいいんだ」と体得。
この経験が一つのブレイクスルーポイントになったように思います。

次の週はしっかり事前準備をした上で、リラックスして試着の旅に挑むことに。
話しかけられたときに堂々と受け答えできるよう、バッグを探しているという体でお店に行くことにしました。
バッグにしたのは、試着するのに時間も体力もかからないこと、色やサイズの制約が少なく思い切ったデザインも試しやすいことが理由です。

週末に向け、あらかじめ行きたいブランドをリストアップしていきます。
当日は早起きしてスタバで朝食を取りながら、ブランドの公式サイトを見て良さそうなバッグの候補を絞りメモしていきました。
迷ったときに何を試着したいか言えるようにしておくためです。
ただし候補は考えておくけれど、現地で何を試着するかは実物を見て柔軟に決めることにしました。

びっくり試着で印象に残ったこと

準備が整ったところで各店舗へ。まずは笑顔でご挨拶です。
事前に候補を調べていたおかげですぐに試着に移れるし、店員さんとの会話もスムーズでした。
びっくり試着の中でも、特に印象に残ったブランド3つの試着体験をご紹介します。

① グッチ

デザインは嫌いではない、むしろ結構好きではあるけれど、他の自問自答ガールズ達と被りそう・自分には派手すぎるのではという理由でなんとなく敬遠してきたブランドです。

・・・あっさり手のひら返します。
グッチの路面店、ディ○ニーのように楽しいテーマパークでした。

販売員さんがとっても親切で気さくで、バッグをいくつか試着させていただきながら、それぞれの話を色々伺いました。
派手かなと思っていたロゴ入りバッグも、全然マークしていなかった色のバッグも、意外によく似合う!

時間と天候のおかげで人も多くなかったので、服や靴が置いてあるフロアも案内してくださいました。
定番の靴を紹介していただき試着してみたら、履き心地が良い上に全身コーデが一気に洗練されて見えて。

内心「うわぁっ・・・!」となって他のガールズと被るとかどうでもよくなってしまいました。
他の靴とも比較しつつ、真剣に購入を検討したい。

定番の靴なのですぐに無くなることはないと思いますが、つい先日アレッサンドロ・ミケーレさん退任のニュースもあったことだし、万が一廃盤になるその前に決断しないといけませんね(笑)

自問自答ガールズってグッチを買う人が多いですよね。
もちろん提唱者のあきやさんの影響は大いにあるのだと思いますが、なぜこんなに夢中になる人が多いのか、興味が湧いてきました。
今のグッチの魅力の秘密を知るヒントとして、ミケーレさんのことを知ってみようと思います。

② アレキサンダー・マックイーン

反骨精神、モード、怒り。
正直自分には縁遠いと思っていたブランドです。

だからこそびっくり試着の候補にしたいと思い公式サイトを見てみたら、パステルカラーのバッグを見つけました。
黒や赤で武装している、かわいいとは無縁のイメージを持っていたブランドに、です。

え、マックイーンの?ジュエルドサッチェルで?パステルカラー?どういうこと?と思い、店舗に行って試着してみました。

結果、すごくよかった。
その場ではうまく言葉にできずに「かっこいい」しか言ってないので、振り返って言語化してみます。
説明するなら、相反する要素が、混ぜ合わさることなく相反するままに一つのバッグになった感じでした。
まるで毒キノコみたいに、かわいい見た目でありながら毒々しかった。

ちなみに王道の黒も持たせてもらったところ、普段の自分では選ばない感じだけど意外とアリと思えたことに驚きでした。

③ メゾン マルジェラ

結論から言うと、「今の私には合わないな」と思いました。
でも、この「違うかも」体験が素晴らしかったのであえて書きます。

マルジェラのバッグを持たせてもらったとき、これまで試着に行ったどのハイブランドとも違い、自分の存在感が消えていくのを感じました。
色に例えるなら白、もしくは透明。
まだ何者でもない、いくらでも代わりのいる大勢の中の小さな一人と思っていた自分を彷彿とさせます。

マルジェラで「匿名性」は重要なキーワードです。
ブランドを作ったマルタン・マルジェラさんは公の場に姿を現すことはなかったし、ショーのモデルさんも顔を隠して匿名性を演出することが多いのだとか。
つまり、バッグをさっと持つだけで、私はブランドの意図に見事にはまったのです。

今の私は自分を出していきたい気分なので、「マルジェラは今の私が身につけたいブランドではないな」と思いました。
でも、軽く試着するだけでもブランドの世界に連れて行ってくれるバッグは本当にすごかった。

試着の旅で気づいたこと

びっくり試着の旅をしてみて気づいたこと、こちらも3点挙げてみました。

① 私の試着へのハードル、高かった説

日頃から、これ着てみたい!と思う服にはなかなか出会えません。
店舗に入ってもピンとくる服がなく、一着も試着しないままお店を出るなんてことがしょっちゅうです。
今回、普段ならスルーしそうなブランドでも試着をしてみたことで、身に着けてみないと分からないことはあると改めて実感しました。

たとえ「着てみたい!」という熱意まではわかなかったとしても、「このブランドの中ならこれを着てみよう」とハードルを下げて試着してみる。
そうすることで、ハンガーにかかっている状態では分からなかった、思いもよらない良い服と出会える可能性も出てくるのかもと思いました。

② 頂上決戦を勝ち抜いた服は、値段に関係なく尊い

今回、ハイブランドを先に回り、比較的手に取りやすい価格帯のお店は後にする順番としました。
高価なブランドのお店では店員さんとのコミュニケーションが必須なので、元気で決断力とコミュ力があるうちに回っておきたいと思ったからです。

ハイブランドを見た後だと、HP切れと基準が上がっているのが相まって、試着したい服はなかなか見つかりませんでした。
高価なものの良さを知った上で、それとの頂上決戦に勝利した現実的なお値段のアイテムを購入するって、自分にとって最高の買い物ができていると誇っていいことなのではと思います。
真剣に選び抜いて自分のものになった服は、値段に関係なく尊いのです。

③ 試着を通して自分自身の変化を感じた

今回はバッグを中心に試着しましたが、初めてのブランドバッグである相棒バッグを買ったときには候補に挙がらなかったブランド・形を色々試しました。
今から思えば、相棒バッグを選ぶまでの試着回数は少なかったです。
でも、他のバッグを見たとしても、一つ目のバッグとして今の相棒バッグを選んだことに後悔はありません。
相棒バッグが手元にあるからこそ、違う方向を試せているのだと思います。

そして今回いいと思ったバッグは、1年前、もしかすると半年前でさえも似合わなかったかもしれないと思います。
靴・バッグ・アクセサリーを一つ一つ選び抜き、自分のコンセプトも真剣に考えたこと。
転職したり職場での立場が変わったりしたことで、より主体的に動ける強い人へと成長してきていること。
ファッションを通して自分自身の変化を感じることができました。

これからも、たとえ買い物の予定はなかったとしても、定期的に試着の旅は続けていきたい。
びっくり試着、楽しかったです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?