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2023年秋の断服式

年に4回、手持ちの服を見直し、不要になった服を手放す「断服式」。
9月に入り、約半年ぶりに断服式をしています。

実は夏も手持ちの服の見直しはしていました。
けれども式=セレモニーを執り行うほど愛着のある服を手放すことがなかったので、下書きは書いてみたものの文字数も内容も足りず、公開をやめてしまったという背景があったりします。

今回は大事に着ていた服もいくつか手放すと決めたこと、着たい服に対する心境の変化も書きたくなったことから、しっかり文章が書けそう。
何気に久しぶりかもしれない、純粋なファッション記事のスタートです!


手放す服

今年の秋に着たい服は、去年の秋=たった1年前と比べても少し変わってきています。
その結果、去年まで気に入って着ており、傷みも目立たない、十分「着られる」はずの服も手放すことになりました。

心境の変化は後から書くとして、まずは手放すことにした服を紹介していきます。
(断服式をするときのおすすめBGM、LOVE PHANTOMをかけながら書いてます。改めて歌詞を調べてみたら確かにぴったりですね!)

① グレージャケット(RBS 2019年秋に購入)

前見頃がレイヤードしたように見える遊び心のあるデザインで、ただのジャケットではないところがお気に入り。
しかし私はカチッとした服を着ると真面目に見えすぎるところがあるらしく、真面目過ぎないジャケットを着ているつもりなのに「ジャケットじゃなくても大丈夫だよ~」と言われてしまうくらいだった。

服自体は今でも好きなのだけど、見せたい自分像と、このジャケットを着ることによって見える自分像の違いが無視できなくなってきたので手放します。

2023.9.17追記
こちらの服はセカストで700円で買い取ってもらえました。
過去買い取ってもらった服と比べるとトップクラスに高いかも?大事に着てきてよかった。

② ネイビープリーツスカート(CLANE 2020年春に購入)

ネットで見つけてすごく気になって、コロナ禍で服を買いに行きづらかった時期だったにもかかわらず店頭で試着して買ったお気に入りの品。
同年に受けた自問自答ファッション講座でも褒めてもらえて、制服案の一つにもこのスカートとよく似た服を使ったコーデを提案していただいたくらい。
一つ欠点を挙げるなら、ウエストの位置や丈感が綺麗に見えることを優先したあまり小さいサイズを買ってしまったこと。
食後だったり少し太ったりするだけでもすぐウエストがきつくなるので、トップスインして着るのは厳しかった。

今回手放すことにした理由は2つ。
1つ目に、今でもお気に入りであることに変わりはないのだけれど、今年の春夏服と合わせると上品になりすぎて気分に合わなくなってきたこと。
2つ目は、このスカートと合わせていた③④のトップスが古くなってきたこと。
トップスを手放すと気に入っていたコーデが成立しなくなるので、後継を探してこのスカートを履き続けるという手もありました。
しかし、他にも着たい服は何着も出てきているので、そろそろ自分の中での旬は過ぎつつあるかもしれないと思い手放すことにしました。

2023.9.17追記
この服はそれなりのお値段がつくはず!と自信を持ってセカストに持っていったら、なんと1,500円で売れました。私がこれまで持ち込んだ中では最高額です。
3年前の服なのに、さすがCLANE!

③ 白トップス(IENA 2020年春に購入)

②のプリーツスカートと合わせていたトップスその1。
白なので首元の汚れが目立つこと、生地が毛羽立ってきていたこと、首元のスリットがほつれてきていたことなど傷みが目立っていました。
気に入っていたので④のベストを重ねることでごまかしつつ着ていたけど、やっぱり古さが目立つので手放すことに。
あと、単品で見ると上品すぎて今の気分ではないのも理由だったりします。

④ 黒ニットベスト(Arpege Story 2021年秋に購入)

シャツかブラウスとニットベストのレイヤードがしたくて探し回り購入。
②のスカート、③のトップスと合わせたコーディネートがお気に入りで、2021年秋冬・2022年秋冬の2年間私の制服として活躍し続けてきた。
単体では上品になりがちな②と③をうまくカジュアルダウンしてかっこよくしてくれた、コーデの核となる頼りになる存在。
昨シーズン終わりごろから毛玉が気になってきたこと、他にも着たい服が出てきたことから手放すことにしました。

⑤ 黒チュニック(Arpege Story 2021年秋に購入)

④のベストとセット売りされていたトップス。
ベストとセットで着る機会は少なかったけど、黒の無地でいろんな服と合わせやすく、楽なシルエットで気軽に着られるので、在宅勤務の日に重宝してたくさん着た。
こちらも傷みが気になってきたので手放すことに。

2023.9.17追記
こちらの服はセカストで1,200円で買い取ってもらえました。
思ったより高くてびっくり!
たくさん着ても割と年数が短ければ高く買い取ってもらえるんだなあ、と実感。

⑥ 黒ワンピース(BEAMS 2019年頃購入)

カットソー素材のシンプルな無地のワンピース。
素材もお値段も気を遣わない感じで、在宅勤務の日からカジュアルな服装をしたいお出かけの日まで幅広く使えた。
後継を買うまでは使うつもりでいたけど、今年着る服を整理したところ案外数が多かったので、手持ちの服の数を減らすためにも先に手放すことにしました。

⑦ グレーブラウス(THE SUITS COMPANY 2021年春購入)

転職活動でスーツを買ったときに貯まったポイントを有効活用したくて買った服。
多分スーツに合わせて着るといい感じになるはずなのだけど、そもそもスーツを着る機会がない。
スーツ以外の服に合わせてもどこか真面目過ぎて見えてしまうこと、肩幅が合わないことから手放すことにしました。
ポイントを頑張って使おうとするのはよくないなと、改めて反省です。

⑧ ヨガレギンス(AUMNIE 2017年くらい?)

ヨガスタジオに行っていた頃使っていた花柄レギンス。
運動するときに使えるかもと思って残していたけど、運動するとき用の服は今年新しく買ったので、古くなったこちらを手放します。

⑨⑩ スカーフ2枚(BEAMS・古着屋で購入 どちらも2019年くらい)

⑥の黒ワンピと合わせたりしてコーデに変化をつけるのに便利だったスカーフ。
お気に入りのネックレスを購入して以来使う機会が減ってしまっていたので、手放すことにしました。

着たい服が変わってきている

まだまだ着られる服、気に入っている服も断服候補になった今回。
着たい服が変わってきていることがはっきりと表れました。

黒を着るようになった

自分の中でのここ数年の流れであり、かつこの1年で一気に加速した流れとして、黒を着るようになったことがあります。
以前は濃い色ならネイビーをよく着ていたのに、今は断然黒。

先ほど挙げた服を手放す理由には「真面目すぎる」「上品すぎる」が繰り返し出てきていました。
今の私が欲しいイメージはネイビーの持つ「真面目」「上品」ではなく、黒の持つ「個性」「意志の強さ」であるように思います。

黒とネイビーの話はこれだけで1記事いけそうな勢いなので、後日別記事にしてアップしようと思います。

衣装の自問自答をした

やっぱり、市民ミュージカルの舞台で着る衣装を真剣に自問自答した影響は大きかったと思う。

(↑めちゃ長い記事だけど、自問自答の過程と結果はこちらを読んでいただけたら)

ミュージカルの衣装という非日常の晴れ舞台で着る服を考えたことで、これまで無意識のうちにかけていた「現実」のフィルターが外れ、初めて「なりたい」を前面に出した服装が選べた気がします。

衣装の全身コーディネートを決めたときは、現実では着ることのないちょっと派手な服を選ぶつもりで、普段より思い切ったデザインを積極的に選んでいきました。
しかし驚くことに、着ているうちに衣装が自分に馴染んできた。
本番の舞台に立った時には、衣装が背伸びした自分の服ではなく、等身大の自分に合う服になっていたのです。

衣装選びの経験から、服を選ぶことは少し未来の自分を選ぶことでもあるのかとしれない、と気づきました。

これは舞台に限った話ではなく、現実世界でも同じ。
各シーズンの新作が揃っている時期に服を選ぼうとすると、買った服がちょうどよく着られる季節は必然的に数ヶ月後になります。
少し未来の自分に思いを馳せ、少し未来の自分を意識的に選び取ることで、実際に着た時に心から満足できる服を選べるようになるのではと思うのです。

少し未来の自分が着たい服とは

服を捨てるだけ捨てて、いざ秋になった時に着る服がないようでは困るので、断服式前にある程度秋物の服は揃えておきたいと思っていました。
けれども夏は舞台の準備で忙しく、8月中に秋服を見る余裕はなく……。
(まあ、仮に余裕があったとしても、8月に店頭に並ぶ秋服の種類はまだ少なかったことでしょう)
結局、断服式までに秋服の調達は間に合いませんでした。

しかし、服を選ぶことは少し未来の自分を選ぶことだと気づいたことで、秋服を買う前に改めて自分自身のことを考えてみた方がいいのではと思い直しました。

そこで改めてやってみたのは、キーワードの棚卸。
今の自分のコンセプトや衣装探しの時に集めたキーワードはベースになってくるとは思うけど、そこから変化(増える言葉、減る言葉)はないか。

考えていくうちに出てきたキーワードは「日常」でした。

衣装探しの時は非日常の舞台上で着る服を探していたからこそ、候補にかすりもしなかったキーワード。
ここにきて入ってきたのには内心驚きました。

日常って様々な側面があって、人によって解釈もばらばらになりそうな単語だと思います。
私がイメージする日常とは、たまたま外に出た時に見た空を美しいと思うことだったり、たまたまちょっとおいしくできたごはんに幸せを感じることだったりする。
仕事が忙しいけど本当はもっと「生活」をしたいんだよなあとか、丁寧な暮らしに憧れはありつつも掃除や手間のかかる家事は好きではないんだよなあとか思っていたけれど、ようやく腹落ちできました。
大事なのは形ばかりの丁寧な暮らしではなく、日常の些細なことを楽しみ愛おしむことなのかもしれない。

春にオーダーしたyeeの秋物のセットアップは、試着をした時の写真を見返したら今の気分にマッチしていた。
yeeのテキスタイルをデザインしているスギサキさんは、日常の些細なことから得たイメージを柄として描いているのだという。

衣装として買った服の1枚はMURRALのもので、ブランドコンセプトは「平凡な日常の中に少々のドラマチックを」である。

正直それらの服を手にする時点で「日常」という単語は眼中になかったので、服としては好きだけど自分のなりたい像からは少し逸れているかも、と思っていました。
でもまだ言語化できていなかった無意識の部分で、私は自分の求めているものを分かっていたのかもしれない。

私が思う「日常」を服の形に落とし込んだら、どうなるのだろうか。
コンセプトに「日常」が入るブランドは色々あるけれど、それぞれのデザイナーが表現する日常、その延長線上にある特別なモノとしての服の形はまるで異なる。
私が思う「日常」は、誰の表現と共鳴するのだろうか。



秋服はほとんど買えていないけど、今年は先に服を手放すことにします。
涼しくなるまでにはまだ時間があるし、着るものがないと焦って買うことはしません。

新たなキーワードが見つかったことで、今まで眼中になかったものの新しく候補に入ってきたブランドもあるので、まずは社会科見学のつもりで試着をしに行ってみようと思います。
……と締めようとしていたのですが、直後に試着をしに行ったところ早くも気になる服が見つかってしまったので、近いうちにお金を使ってしまいそうな予感がします。

今後の展開をお楽しみに!笑


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