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「カフェ」という存在

こんにちは、カフェ業界一筋、あもむむ。です。

今日は私の思う「カフェ」という存在について書いてみようと思います。

「飲食業」と一括りにされがちなカフェ業界ですが、実は若干異なる、ある意味特殊な業界だと思っています。

これからカフェ開業を考えている方や、現在カフェ業界に従事している方など、今一度この業界について考えるきっかけになったらと思います。




高校2年生の頃、私は「カフェ巡り」と言う一生の趣味を見つけた。

ちょうど、料理やお菓子作りに興味を持ったのと同時期だったため、
将来の夢がスムーズに「自分のカフェを開くこと」に決まった。

あらゆる食材があって、自分の好きなように好きなものが作り出せて、それを誰かが「美味しい」と喜んでくれる。

こんな素晴らしい職業があるなんて。

この時は、まだ漠然と「自分の料理を振る舞える場」として、
「なんとなくオシャレな響きだから」ということで「カフェ」にしたのだった。

しかし、時が経つにつれ

なぜ「カフェ」をやりたいのだろう?

と自問するようになった。
同じ飲食業でも、
「レストラン」は・・・なぜだかしっくりこなかったのだ。

「オシャレ」だから「カフェ」がいいのか?・・・それも違うな、
とあれこれ考え始めた。

その結果、
趣味で色々なカフェを巡るうちに、「カフェ」というものの、もっと根本的な存在意義に行き着いたのだ。

私は
カフェで「過ごす時間」、カフェの「空間」が好きなのだ。と。

あらためて、
私は「カフェ」という存在のどこに魅力を見出しているのか?
という自分への問いに、具体的な以下のような答えを出した。

・自分と向き合ったり、誰かと時間を共有したり、人それぞれの人生における有意義な時間を過ごせる「空間」の提供をしている点

・「〇〇コラボ」や「〇〇展示会」など様々な他要素と掛け合わせることができる、柔軟性や融合性がある点


特に、
和食・フレンチ・中華・イタリアンなどが牽引する「飲食店」が
「料理の仕上がり」をメインに考えることが多いのに対し、

「カフェ」は、「空間の提供」が重要になってくる点は大きな違いなのではないだろうか。

もちろん、この「空間」には料理の美味しさも含まれる。
(他にも様々な要素を含む複合体だと考えている。「カフェ空間論」として後日後述予定)

だが、大前提として、やはりカフェは「有意義な空間の提供」に尽力すべきなのではないだろうか。


そんな考えのもと、約10年後、ご縁もあって念願のカフェを開業した。

「美味しい」「かわいらしいお店」「便利な立地」・・・ありがたいことに様々なお褒めの言葉をいただいたのだが、

その中でもお客様から言われて一番嬉しかった言葉は
「居心地がいいお店」であった。

そのお客様にとって「ここで過ごした時間」が
リラックスでき満足度の高い良い時間であった、というのは

このカフェの存在意義を認めてもらえたような、
さらに言えば、
長年カフェの存在意義について考えてきた、私(店主)の存在意義までもを肯定してもらえたような得も言われぬ気持ちだった。


実は、お店の空間を気に入ってくれたのはお客様だけではなかった。

後にスタッフとして働いてくれることになったアルバイトの子の中にも数人、

「このお店が気に入って働きたいんですが、バイト募集していますか?」
と、
なんとお客さんとして利用した帰り際に訪ねてきてくれたのだ。

これも非常に嬉しかったし、
何より一緒に働くスタッフとして大変心強かった。


昨今のカフェ事情として、

どうしても、いわゆる「映え」要素が重視・強調されがちではあるのだが、

今一度、「カフェ」というものの持つそもそもの存在意義の部分を味わうことのできるお店がより増えてくれたら嬉しい・・・
と密かに願っている。



いかがでしたでしょうか。

今回は、私の経験を交えて「カフェ」という存在について思うところを書いてみました。

ここまで読んでくださり、どうもありがとうございました。
それでは、また次回。

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