【誰も教えてくれないメニュー開発】季節限定ドリンクメニューのポイント②
どうも、カフェ業界一筋のあもむむ。です。
今回は、前回に引き続き、カフェチェーンの季節限定ドリンクメニュー、その中でも特に今季の注目フレーバー「ピスタチオ」をメインとしたメニューについて、
実際に飲んだ感想を交えつつ考察を述べてみようと思います。
前回記事はこちら↓
各社力を入れて開発された今季メニューから、季節限定のドリンクメニューの作り方のヒントを探ってみたいと思います。
今回、実際に私が飲んでみたのがこちらの3店舗の3種類。
・サンマルクカフェ「Happy Christmas 濃厚ピスタチオのリースラテ」
・スターバックスコーヒー「メルティホワイト ピスタチオ モカ」
・エクセルシオールカフェ「ピスタチオハニーラテ」
① サンマルクカフェ「Happy Christmas 濃厚ピスタチオのリースラテ」
・「映え」要素強め、というのが第一印象。
・トッピングも、抹茶味のコーンフレークと、ドライストロベリー、銀粉、抹茶パウダーと華やか。
・飲んでみると、意外と甘ったるくない。後味もスッキリめ。
しかし、「濃厚」と商品名についているだけあってしっかりとピスタチオの風味やコクが感じられた。
・たまにドライストロベリーの酸味がきて、飽きない工夫がされている。
・コーンフレークのトッピングが、だんだん溶けて最後の方は「食べるラテ」みたいになる。
・ピスタチオ×抹茶の組み合わせ、たまに見かけるが、個人的には「めっちゃ合う!」というわけではないように思う。
色が似ていて、かつそこまでピスタチオの風味を邪魔しない、ということで使いやすいのだろうが、これも抹茶の割合が多くなれば「抹茶ラテ」になってしまう。
トッピングの量バランスが大事かと思う。
② スターバックスコーヒー「メルティホワイト ピスタチオ モカ」
・トッピングに特別感のあるメリークリーム(マスカルポーネ&ホワイトチョコレート入りクリーム)というのと、ピスタチオクッキー(クラッシュ)、ホワイトチョコレートパウダー。
・メリークリームにすることにより、甘すぎず、単調な「よくある感じ」になっていない。
・飽きない工夫としてピスタチオクッキーのザクザク感もある。一方で、酸味要素(ベリー系)はなし。
・酸味要素なしなのに飲み進められるのはなぜか?と思えば、こちらはエスプレッソ入り。
そう、カフェラテをベースとしたあくまで「フレーバーラテ」なのだ。なので、しっかりコーヒー感もある。
また、エスプレッソがピスタチオの香ばしさを引き出す形にもなっている。
・その代わり、同時に「いかにも!なピスタチオ感」はサンマルクカフェの①よりも少ない気がした。
・蓋をとると、飲むたびに表面からクッキーの香ばしい香りが来て、それもデザート感を与えてくれているように感じた。
③エクセルシオールカフェ「ピスタチオハニーラテ」
・トッピングにはピスタチオクラッシュ、ラズベリークランチ。
・見るからにエスプレッソ入りの「カフェラテ」ベースで、3つのうち印象は最もシンプル。
飲んでみると、見た目の通り、かなりコーヒー感。
・ホイップクリームなどのクリーム系がないこと、ピスタチオナッツそのものをトッピングに使用したことにより、3つのうち最も甘さが控えめ。
・「ハニーラテ」の延長といった非常にシンプルな味のため、あくまで「甘みのあるカフェラテを飲みたくて、ちょっと季節感欲しい」方に良さそう。
以上から、一言に「ピスタチオラテ」といっても、実に三者三様であった。
ここで、比較ポイントのまとめとして
*トッピングのバリエーション
*エスプレッソ(コーヒー)感の度合い
を挙げる。
比較ポイント
*トッピングのバリエーション
シーズナルドリンクに欠かせないのが「トッピング」である。
これによって、まず非日常感(デザート感)が出てくる。
今回は、
サンマルクカフェの①
→リースというモチーフに見立てたトッピング、いわゆる「映え」要素で勝負。スターバックスコーヒーの②
→ケーキなどのスイーツを連想させるクリームで見た目、味ともに非日常感を演出。エクセルシオールカフェの③
→見た目、味ともに控えめなトッピングで、ラテ自体もよりシンプルな「ハニーラテ」の延長といった味。3つのうちでは最も「日常寄り」だったと言えるだろう。
また、もう一つ「トッピング」が役割として担っているのが、「飽きさせない工夫」である。
今回こちらは、
サンマルクカフェの①
→ドライストロベリー(酸味)スターバックスコーヒーの②
→ピスタチオクッキーのクラッシュ(ザクザク食感)エクセルシオールカフェの③
→ラズベリークランチ(酸味)
がそれにあたるだろう。
特に、味のアクセントかつ、クリスマスを連想させる色味にもなる、ピスタチオ×ベリー系は覚えておいて損のない組み合わせである。
季節限定メニューなど、デザート感あるドリンクメニューで陥りがちなのが「ただ甘いだけのドリンク」になってしまうことだ。
すると、初めは良くても、だんだんと味に飽きてきてしまい、最後まで飲み切るのが苦痛な「義務的なドリンク」になってしまう。
そこで必要なのが「1杯飽きずに飲み切れる工夫」であり、
時たま自動的に変化を与えてくれるトッピングは、見た目の華やかさ以外にも重要な役割を担っているのだ。
全体的に最近の傾向として「甘すぎない」方向にシフトしているものの、それに加えさらに何かしら「アクセント」があると、さらに最後まで楽しみ切れるだろう。
また、今回スターバックスコーヒーの②で、トッピングの「香り」の役割も感じられた。
飲むたびに、一番上にかかっているピスタチオクッキーの香ばしい香りが来るのである。
これが実に良いアクセントになっていた。
*エスプレッソ(コーヒー)感の度合い
甘みを抑える方法としてもう一つ挙げられるのが、「エスプレッソの使い方」である。
苦味のあるエスプレッソを、どう合わせるか。
この度合いによって味の印象も大きく変わる。
今回、
サンマルクカフェの①→エスプレッソなし。
スターバックスコーヒーの②→今回の中では中くらい。
エクセルシオールカフェの③→今回の中では最もエスプレッソ(コーヒー)感あり。
だった。(①<②<③)
もちろん3商品ともそれぞれに美味しく頂いたが、今回特に、甘みの違いだけでなく、
エスプレッソ(コーヒー)感と、シーズナル素材(ピスタチオ)感は反比例する
ということを感じた。
つまり、エスプレッソ(コーヒー)感が強くなるほど今回のシーズナル素材「ピスタチオ」の「いかにも!」な風味は弱くなった、ということだ。
エスプレッソなしのサンマルクカフェの①は、いわば「ピスタチオミルク」であり、
これが最も純粋にピスタチオの風味を感じられた。
これについては、どちらの方が良いということではなく、好みの問題であり、ターゲット層にもよるだろう。
なので、ここのバランス(エスプレッソ:フレーバー)をどうするのか、自店のターゲット層がどのあたりを求めているのかも考えて作る必要があるだろう。
また、風味のレベル、ということで言えば、先ほども書いた「トッピングの香り」によっても「追い〇〇」のように風味を追加する事が可能だろう。
まとめ
以上から、季節限定ドリンクメニューを作る際のポイントとして
★非日常感(デザート感)をどう演出するか、また、その度合い
→トッピングなど
★全体的な甘さはどのレベルにするのか
→シロップの量、エスプレッソの量、飽きない工夫としてのトッピング(酸味、食感など)
★メニュー名に打ち出したメイン食材の風味をどこまで感じられるものにするのか
→エスプレッソの量、香りあるトッピングなど
を考慮してみてはいかがだろうか。
いかがでしたでしょうか。
今回は、「季節限定ドリンク、シーズナルメニュー」の開発のヒントを文にまとめてみました。
ここまで読んでくださり、どうもありがとうございました。
何かしら皆様のご興味やメニュー開発のヒントに繋がれば幸いです。
それでは、また次回。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?