愛することは出来ても、好きになるのは難しい。
今日も恋愛について。
私は"人工的恋愛"しかしたことがない。
自然な流れでお互いが惹かれあい、つき合う、という流れを経験したことが無いのだ。
過去に付き合った人も、きっかけはマッチングアプリだった。
中高6年間を女子高で過ごし、大学は共学を選んだものの、久しぶり過ぎる男性との会話に何を話していいのかわからず押し黙ってしまう…なんてことの連続だった。
女性との会話ならノンストップで続く会話も男性相手だとどうにも緊張してしまって話が弾まない。
かなり拗らせてるなぁ、と自覚したものの行動は簡単には変えられず月日ばかり経ってしまった。
20歳を目前にした私は恋愛経験がないことにかなり焦っていた。
ひとまずアプリをインストールした。
会って話してみたら偶然にも同じ大学の他学部に通っていることが判明した人と、とんとん拍子でつき合うこととなった。
その人との恋愛も終わり、私はもう一度自然発生する恋愛に憧れを持ち、アプリは消したままでゆるやかに生活していた。
だがしかし、そうすると本当に出会いがない。
まず男友達すらほとんどいないので、友達から始まり友達以上の関係になる…なんてことも起こりえないのだ。
さぞかし未来の彼氏は浮気の心配がないだろう、なんてことすら考えはじめる。
女子会では集まるたびに「なぜ○○(私)に彼氏が出来ないのか。」が議題になるし、最近では「そんなに彼氏欲しいって言う割に彼氏できてなさ過ぎて可哀そう」とまで言われた私である。
そんなこと面と向かって言われるほうがよほど可哀そうである。
そんなこんなで数年ぶりに前回とは異なるアプリをインストールしてみる。
プロフィールも真面目に書いて、顔写真も自然体のものを選ぶ。
マッチングした人とチャットや電話をして、時には実際にお出かけしてみたりする。
いろんな人に会って、それぞれ素敵なひとだと思うし、人間として純粋に愛することは出来ると思っても、何故か”好き”という気持ちには中々ならない。
【人間としての”好き”の先に恋愛の”好き”という感情がある】
こんな考え方を聞いたことがある。
初めて聞いたときは理解できたし、その通りだとも思った。
でも今、”好き”という感情が自分の中に全然出てこなくて、自分でもよく分からなくなっている。
自分自身のことをかなりチョロいやつだと思っていたし「好きなタイプは自分のことを好きになってくれる人」とかぬかしていたが、現実問題、全然人のことを好きにならない。
過去の恋愛を美化するのは好きじゃないけれど、前回の恋愛感情がもはや奇跡だったのではないかと思えてくる。
恋愛としての好きの枠の中に人間としての好きは含まれるけれど、人間としての好きの枠の中には必ずしも恋愛としての好きが含まれるわけじゃないのかなぁと今更ながら考える。
親が結婚した年齢が近づいてきて、自分も結婚とか安定した関係性を求める気持ちがある反面、まだ胸がきゅんとときめいてしまうような恋に憧れてしまう気持ちもある。
そもそもなんで恋人が欲しかったんだっけ?なんて考え始めたら、もしかして心の奥底では恋人は今は必要ないんじゃないかとさえ思えてくる。
いつも根本的なことを改めて考えると、あったはずの悩みさえ存在しないもののような不思議な気持ちになる。
結局、今の私はなにを求めているのだろう。
ぽわっとしてしまうようなときめく恋愛か、はたまた落ち着く関係性か。
自分の話なのにどこか他人事で、突き詰めては考えられない。
このまま深く考えずに生きていい気もするし、ちゃんと未来設計図を今から細かく作ったほうがいい気もる。
でも今は、綺麗なマニキュアを塗って艶々な爪がお気に入りの指先でPCのキーを定速で叩いて自分の考えていることを文字にしていくのだけがなんだか楽しくて、少しずつ深くなる夜とイヤホンから流れてくるお気に入りの曲の世界に浸って、そんな自分に酔って過ごしてしまおうか。
オトナになるのってなんでこんなに難しいのかしら。
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