結婚式2日前の会社からの通知
自分が正しいと思ったことで、悲しい気持ちの誰かを元気にするお話です。
今日の出来事。
後輩と更衣室の前でバッタリあった。
「やってられねぇっすよ!聞いてくださいよ!」
怒りと困惑の表情を浮かべながら話す彼は、6年前に同じお店で働いた仲。
口は悪いが、根は真面目。強がって後輩にキツイことを言っても、後で必ずフォローを入れる。酒を飲めば朝まで付き合ってくれる。先輩に楯突くこともあるが、立てる時は立てる。言ったことは必ずやる。営業成績も勿論素晴らしい。平成生まれだが、昭和の匂いがする大好きな後輩だ。
そんな彼が、怒っている。
聞けば、今日突然、人事から「2日後に控えた自分の結婚式で、会社から出席する人数を半分にしろ!」と連絡が入ったとのこと。
コロナ感染者を会社から出さないための方針だとか。
コロナ禍で式を挙げるため再三にわたり会社に確認をとりながら準備をしてきたが突然の人数制限。しかも、会社からの挙式等の出席者に関する通知は出ていない。
結婚式の辞退を伝えるのは、会社では無く、後輩から。
結婚式費用もギリギリのなかで、減った人数分の費用は戻らず、30万ほど持ち出し。自腹の金額が膨らむ。しかも会社から補填なし。
誰に辞退してもらうか?席次表はどうするのか?式場にも連絡しないといけない。結婚式を楽しみにしていた妻には何て言おう。
頭の中が整理できていない後輩を目の当たりにし、
彼がたまたま持っていた席次表を眺めながら30分ほど話を聞き、アドバイス。
辞退してもらうメンバーの方向性は固まったが、
やはり彼の頭を悩ますのは、予定していた30万円分の祝儀のこと。
ふと自分が結婚式を挙げた時のことを思い出した。
親がお金も無く、自分たちもお金の無い中での結婚式。
いかに祝儀と結婚式費用をプライマイゼロで済ませるか知恵を絞り。
WEBデザイナーの妻と協力して、席次表からテーブルを装飾するアイテムなど、ありとあらゆるぺーパーアイテムを作り、フラワーシャワーを100均で買ってきた造花で作ったり、プロフィールビデオを自作し、BGMも全て自分たちで決め編集し、引き出物のギフトブックを自分たちで作り、、、
毎日見積もりを眺めながら、どこか削れるところがないかを考えながら、
ようやく結婚式を迎えた当日に、安堵感と疲れから38度の熱を出し、
フラフラになりながら日付が変わるまで宴会をしていたことを。
「お金がギリギリの結婚式は、思い出には残るけど、本当に辛い。」
彼の身に起きた突然の出席者制限は、数年後振り返れば、ドラマのような話になりそうだが、今は、そんな風には思えないと思う。
「少しでも安心して結婚式を迎えて欲しい。」
そんな思いが僕の心に溢れてきた。
なので、結婚式には呼ばれていませんが、
明日、祝儀を3万円渡します!(※「お返しは要らないよ!」って言うとかっこいいよと妻に言われたので、そうしてみます。)
誰かのドラマのようなバッドなストーリーに、勇気を振り絞って自分が正しいと思った行動で力になること。
不器用な人間が、人と上手く関係を気づいていくコツなんだと思います。
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