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マスクの怪

無い、ない、ナイ !!

やっと患者の減少傾向が見られるようになった、新型コロナウィルス感染症。思い起こせば2019年1月から、あと数ヶ月で早くも3年、コロナウィルスと闘い続けていることになる。

まだこのウィルスについての正体がよく解っていなかった2019年。ちまたではあるものが消えた。

そう、もう2年も前のことになるのだが、あの「マスク騒動」。マスクだけではなく、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、インスタント食品などの生活必需品や保存食品が、店頭から姿を消した。

こと、マスクに限って言えば、予防手段としてのマスクが各所で品薄になり、どこの薬局を訪ねても、スーパーマーケットやコンビニを探しまわっても商品が無かった。

相手は正体のまだ良くわからない、そしてこれが一番困るのだが、目に見えないウィルスだ。

マスクを探し求めて、街中の商店を歩き回ったという話も良く聞こえてきた。品薄になると、当然価格も上がる。
1枚100円のマスクも現れ、驚かされたものだ。

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歴史は繰り返す?

毎日のように、「マスク」の話題を耳にし、果ては妙に中途半端なサイズのアベノマスクなるものも登場したことは記憶に新しい。

まさに〝マスクパニック〟が起こっていた。と、ふと数十年前にも同じような現象があったことを思い出した。

’70年代前半に起こったオイルショック時の「トイレットペーパー騒動」だ。

第4次中東戦争の勃発によって原油価格が大きく引き上げられ、石油の供給不足が懸念された。そんな中、当時の中曽根首相の「紙節約」の呼びかけを「紙が無くなる」と誤解した市民が、スーパーマーケットのトイレットペーパーを買い占めた事から発展した事象だった。

なんだか、今回のマスクパニックもそれと似ているように思う。何がなんでも無くなる前に買っておかなければ、という自分本位の考え方が集団心理となるとこうなる、という良い見本がこの二つのことだろう。

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日本人のステレオタイプ  ?

一人・二人がやっていることなら然程気にならないのに、それが多数になると途端に同じ方向に進まずにはいられない、参加しなければ不安になるという「集団心理」には気をつけたいものだ。

日本人のステレオタイプには多数の行動・意見に従いやすい、〝数に頼む〟というようなものがあるのだろうか。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」的行動は、昔からあったように思う。

数の多少によってではなく、状況を正しく見て、何が正解なのかを自分で判断して選び取りたいものだ。
と言いつつ、CMの甘言に、ついつい購入を考えてしまう自分なのだが。

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文責・写真 : 大橋 恵伊子