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【詩】涙
涙が込み上げてくる瞬間に限って
望まない時と場所だったりする
電車に乗って何ともなしに景色を眺めているときだったり
人々の雑踏を必死にかき分けているときだったり
カフェで注文の品を待っているときだったり
不意に孤独感がいっぱいになったり
心の奥が軋むように痛んだり
悲しみとも怒りともつかない感情が混ざり合って ごちゃごちゃしたり
そこからはもう手に負えない
涙の粒が徐々にせり上がってくる
だけど不思議なことに
今までに何十億人という人が涙を流してきたのに
大海の水嵩は増さない
あと何回泣けば もう一つの海を作れるんだろう
そんな考えを急いで箱にしまいながら
眠りにつく
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