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【詩】鬼火

鬼火が揺れている
惑わすように
誘うように
誰も知らない物語を紡ぎながら

あの優しい右手とはぐれてしまった幼子の泣き声が
痛いほどに胸を締め付けた

同じ言の葉と音の粒を繰り返しながら
歌を口ずさむのはだあれ

鬼火が呼んでいる
輪を描きながら
目くばせしながら
掴もうとしたかつての幻を迎えるように

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