58分の1〔【嘘大会参加作８】隅田川でツチノコ釣りました!チーかまで。　へのお礼作です〕

これ読んですぐ、私も隅田川行きました。
チーかま持って。
竿の代わりにその辺で拾った小枝と凧糸。
なんで凧糸あるかっていうと、焼豚縛るのに使うから。
私が仕上げた焼豚乗せて、ラーメン供した…東京醤油仕立て。
結構まめに作ったんですよ。
今から思うとばかみたい。
ツチノコ釣ったら賞金もらって、田舎に引っ込んで暮らすんです。
ああまさにこの町に、私のあの人は住んでいた。
いつしか会わなくなって、自然消滅した…K君。
なんかの間違いで再会できたら今度こそ…

橋の上を、

女の人と、

小さな男の子手を引いて、

あなたが今、通って行く…

見送って、見送って、私は友に電話した。
開口一番彼女はこう言った。

ごめえん！
ツチノコ嘘。
チーかまも嘘。
今度お茶しよう奢るから。
…ひな子？

ごめん。
釣れちゃった。
それも大漁。
困った…

言いながら私、泣いていて。
こどもみたいに手の甲で涙拭ってた。

涙は全然止まらなかった。

ひな子？
ひな子？
どうしたの？
ねえ大漁って何匹かかったの？
チーかま効くの？？

ああチーかまも彼の好物だったと気づく頃には日もとっぷり暮れて、私は隅田川べりで、ゆく当てもなくただ泣いているのだった。

嘘主↓

テラダスオウ｜note

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