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温泉に入ると生きているという感情が湧いてくるという話

 いつも、大きな仕事が一つ終わると銭湯や温泉に入りに行きたくなる。最近、また一つ大きな仕事が終わったので、一息つくために家の近くのちょっと古いスーパー銭湯に行った。値段がそこそこするのであまり高い頻度では行かないのだけれど、この日は「この数か月よく頑張った!」と自分への労いの気持ちが強すぎて、終業後自然と足がスーパー銭湯へと向かった。

 熱いシャワーを浴びて体を洗い、湯船につかった瞬間、体が溶けそうな感覚に陥る。とてつもなく気持ちよく、たぶんあの時の自分の脳を分析したら、セロトニンが湯船に注ぐお湯のごとくドバドバ出てたと思う。体を熱い湯に浸した途端、「ああ生きてるなあ~」と思う。完全におっさんだ。

 スーパー銭湯なるものはいくつもの種類の風呂があるので、貧乏性な自分はせっかく高いお金払っているのだから全部試さなければと、色んな風呂を回っていく。そして決まって、露天風呂で湯に全身浸かったり少し出たりを繰り返して、時間の許す限り長湯をする。露天風呂でダラダラと過ごす時間程気持ちの良い時間はない。

 思えば、大学時代も所属していたサークルで、任されていた大きな仕事が終わると、近くにある銭湯に行ったりしていた。社会人になってもやっていることが大して変わっていない。というか、今思うとその頃から既に感覚がおっさんだ。

 湯船から出て、いつものごとく自販機で冷たい飲み物を買って、汗をかいて失った水分を一気に補充するかの如くグビグビと飲む。休憩スペースの椅子に座ってそうして体を冷ましながらふと思う。自宅でこんな温泉を楽しめたら最高だろうなあと。その瞬間、将来成し遂げたい願望リストに「温泉付きの家に住む」という項目が新たに加わった。

 でも同時に、温泉に入って感じられるあの何とも言えない気持ち良さは、それまで何かを頑張った後だからこそ得られる、温泉ではなくむしろ仕事から得られる特別な感覚なのかもしれないとも思う。

 明日は月曜で既に絶賛ブルーマンデーな感じだけど、そんな特別な幸福感に浸るために、また頑張ろうかな。



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