見出し画像

バイリンガル教育〜15年後

私には三人の子供がいて、2020年1月現在、長男ひでおは15歳。つまり私のバイリンガル教育歴も15年になると言うことだ。

今回は私の試行錯誤でもある、第一子のひでおのバイリンガル教育状況についてまとめてみたいと思う。ひでおは現在アメリカ高校10年生で、日本語補習校中学3年生。日本語は語彙は劣るものの、日本の中学3年生に近いレベルで会話と読み書きができる。

ひでお生後〜幼稚園前

私はひでおが産まれてから日本語でしか話をしていない。英語は混ぜないことにしている。夫がいても日本語だけで会話している。ひでおが赤ちゃんの頃は私とずっと一緒にいて、夫はほぼいないワンオペだったので、最初に発した言葉も日本語だった。この時期夫の英語にはある程度反応するものの、日本語だけで育っているモノリンガルの赤ちゃんと変わらない状態だった。

日系幼稚園へ

英語が殆ど話せないまま、3歳から、週に2日間だけ日系幼稚園に通い始めた。日系幼稚園なので、先生方は基本日本語だけで保育をする。幼稚園の生活で日本語で色々なことを学び語彙も増え、日本人のお友達もできたひでお。幼稚園を卒業する頃には日本語はすっかり上達していた。英語は家で夫が話す英語だけ。私は継続して家庭でも日本語だけを徹底し、英語のテレビも見せなかったし英語の絵本も読み聞かせしなかった。夫が一緒に英語のテレビ番組を見たり、絵本を読み聞かせするのは夫の好きにしてもらっていた。しかし家庭と幼稚園での主言語が日本語だったので、キンダーに入るまでひでおは殆ど英語で会話ができなかった。

キンダー開始

日系幼稚園だけではキンダーで英語について行けないのではないかと、年長さんになると、英語のクラスに通わせるママもいたが、私は英語なんてそのうち話せるようになるだろうと気楽に考え、英語の教育を一切受けないままひでおはキンダーに行き始めた。我が学校区はESLが強制ではないので、家庭での言語が日本語と英語両方のひでおはESLを取らなかった。キンダーの先生には最初から、日本語と英語の二か国語で育っていることは伝えてあったし、先生はとても理解があった。キンダーで英語漬けの毎日を過ごし、アメリカ人の友達もできたことで、ひでおの英語力はすぐに上達した。

小学校卒業まで

キンダーと低学年の英語力の診断でも特に劣ることはなく、普通のアメリカ人の子として英語にはそれほど苦労はしなかった。日系幼稚園を卒園した後は、土曜日補習校の幼稚部に入学し、ひでおの補習校生活も始まった。私は相変わらずひでおには日本語しか話さず、補習校の宿題は毎週一緒にやっていた。主な友達がアメリカ人の子にシフトして行く中、時々は幼稚園で知り合った日本人の友達とも遊ばせていた。この頃から、幼稚園時代に日本語で話をしていた日本人の友達とひでおの会話が英語になってしまった。普段英語なので日本人同士でもついつい楽な英語になってしまうらしかった。それはもう仕方がなかったけど、私は家庭での夫以外の家族(私と娘達)とは日本語で会話させるよう努力した。

中学校

幼稚園までひでおの母語(第一言語)は日本語だったが、小学校では英語が母語になった。補習校はなんとかそのまま続けることができたが、漢字が増え難易度も上がり、ついて行くのが難しくなって来た。アメリカ現地校の方も勉強量と宿題が増え、日本語教育との両立も大変になって来た。日本語へのモチベーションと興味を維持する為に、日本語の漫画、ゲーム、アニメも色々と紹介した。運良くひでおはいくつかの漫画にはまり、漫画ばかり読んでいる時期もあった。夏にはなるべく長期で帰り、日本の学校に体験入学もさせた。私との会話はほぼ完全に日本語のみになった。英語が混ざると日本語に私が訂正説明し、なるべく日本語だけで会話させるように努力したが、根気と忍耐のいることだった。

高校

アメリカでは高校生だが、日本では中学生なので、中学部までしかない補習校も今年で卒業になる。補習校には計10年通ったことになる。補習校が終わると、この先のバイリンガル教育はどうなるのか私にもまだわからない。ただ、15歳の今でも私には日本語だけで話するし、日本にいる全く英語のわからない祖父母にも日本語だけで話をしている。妹達とは少しあやしくなって来たが、それでも基本は日本語で会話している。読み書きは読みは得意だが、書くのはやや苦手。ひでおの母語は英語で、日本語も完璧ではないが、結構上手に読み書きできる。

これからの思う事

私はバイリンガル教育の専門家ではないが、ひでおが生まれた時から今まで、日本語だけを話し続けて来た。いつもこれでいいのか自信がなかったし迷いも多々あったけど、15年が経過しやっと、自分で結構頑張ったと思えるようになった。

バイリンガル教育は長い道のりだし、どれが正しいかの答えもない。各家庭の事情もありバイリンガル教育ができない家庭もある。だから私は自分のやったことを書き連ねただけで、万人に薦めることはできない。ただ子供に日本語に興味を持ってもらえるような根回しや環境を与えることが親としてできることなのかなと思う。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?