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スマホと子ども①~0歳からスマホ!?~

 今や、保有率が8割を超えていると言われるスマートフォン。

家庭でも、親が家事をしている間に子どもにスマホを見せているという声をよく聞くようになりました。

少し古いデータですが、2014年の調査では、0歳児の親の24%が子どもにスマホを使わせたことがあると回答しています。ちなみに、1歳児ではその数値は74%まで上がります。

この調査からすでに6年が経過しているので、さらにその数値はあがっていると考えられます。

では、乳児期からスマホを使っていると、どのような影響があるのでしょう。

単純に、ずっと画面をみているので目が悪くなりやすいでしょう。幼児期に眼鏡をかけている子どもの多くはTV、スマホの見過ぎです。最近では、近視だけではなく、斜視、乱視の子どもも増えています。目はずっと近くばかりを見ているとピントを合わせる筋肉が固くなり、遠くにピントが合わせられなくなります。まだ視力が定まっていない乳児期では、スマホを見せる時間はできるだけ短く(10分以内)にして、外に出て遠くを見る機会を作ったほうが良いでしょう。

親の中には、「スマホで言葉をたくさん覚えた」「長時間見れていて、うちの子は集中力がある」と言う方もいらっしゃいます。

では、本当にスマホで脳は発達しているのでしょうか。

私は脳学者ではありませんので、個人的な見解ですが、言葉を覚えるという面での脳は発達しているのではないかと思います。ただし、コミュニケーション能力の発達はしていないと思います。

例をあげると、私が5歳児でもったCくんは、毎日、家でスマホでYouTubeを見ていました。両親もそれを止めることなく毎日見せていると言っていました。

C君が何歳から見ているのかは定かではありませんが、子どもの過去の記録をみると2年ほどまえから保育士の記録として家でYouTubeを見ていることと、会話が気になることが書かれていました。

C君は、友だちと遊んでいる時に自分がYouTubeで見た動画の話ばかりしていました。友だちがC君の話に対して「それ、おもしろいね」などと反応すると、さらに話をするのですが、C君の話の内容と違う話をすると、その言葉に対しては「そうなんだ。で、僕はね…」と自分の話だけをしようとするのです。

また、給食中におかわりが欲しい時に、保育士が「おかわりが欲しい人いるかな?」と聞くと「はい」と手をあげるのですが、「何のおかわりが欲しいの?」と聞くと、急に声が小さくなり「えっと、えっと、これは何ていうのかな。えっと、えっと」と言って食材の名前をずっと考えてしまったり、「おかわり欲しい時は何て言うの?」と聞かれると、「えっ!?何て言うの?って?…えっ?」と言った後に黙り込んでしまったり、その時の状況にあった会話が上手くできませんでした。

保育士が「お味噌汁のおかわりが欲しいの?」「おかわりくださいって言うんじゃないの?」と伝えると、オウム返しのようにその言葉を言うのですが、自分の意思をきちんと言葉にするというのが苦手でした。

すべての子どもがこの例にあてはまるとは限りません。しかし、YouTubeなどの動画は、自分が一方的に画面の人の話を聞くだけで、自分から話すことが無いので、会話の能力が育っていないのでは無いかと感じました。

また、動画を見る行為は、自分が楽しいだけで、相手の立場に立って考えたり、相手の気持ちを読む行為が必要ありません。

ですので、会話をする際に自分の気持ちを一方的に伝えるだけで、相手の意見を聞いたり、相手の感情を読むという感覚が鈍くなっているようにも感じました。

言葉とは、人と人とのコミュニケーションの道具の1つだと思います。いくらたくさんの言葉を覚えていても、それを適切に使えなければ意味がないのではないでしょうか。

乳児期からスマホを見せて、子どもがたくさんの言葉を覚えて喜んぶだけで、きちんとした会話ができない子どもを育てないようにしたいものです。

スマホを見せる時間は短く、見せた時に動画の感想を聞いたり、一緒に会話をしながら見るなど、人と人とのコミュニケーションの道具の1つとしてスマホを使っていきたいですね。

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