南青山店閉店について

先日、南青山の東京店一旦閉店のお知らせをしました。驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、実は以前からずっと考えていたことでした。

4月に緊急事態宣言が出た時点で、お店を閉めるかなということが頭をよぎりました。これは長期戦になりそうだぞ、と思ったからです。予想通り状況はよくならなくて、海外ではどんどん悪化するばかり。もうワクチンができるまでは、みんなで凌ぐしかないのだと思います。

そこで経営者として一番に考えなければならないのは、スタッフの安全です。スタッフが感染してお客様に移し、クラスターが発生する。スタッフの家族が危険にさらされる。ニュースに名前が出てしまう。これが一番避けなければならないシナリオです。

amirisuの売り上げは、通常ならオンラインが6割。店頭は京都も東京も大体同じくらいですが、その売り上げの半分以上は外国人のお客様です。自然と観光シーズンは売り上げが上がります。外国人のお客様がいない今、店頭は常連のお客様だけ。常連のお客様にはオンラインで買っていただけるよう常日頃頑張っているだけに、店頭の売り上げは現在本当にわずかです。売り上げのないお店を開けておいて、スタッフに出勤させることほど、コロナ時代の経営的に不味いことはありません。

私の認識している限り、東京の毛糸ショップのほとんどは大手の会社がアンテナショップ的に運営しているものばかり。お店を開けていれば、アルバイトのスタッフは満員電車で通勤せざるを得ません。もし売り上げが立たない状況なのであれば、休業するのがベストなのではないかと思います。もちろん、個人的意見ではありますが。

さて、東京店ですが、閉店すると決めたのは、社員の安全や売り上げだけが理由ではありません。これからの時代、わざわざお店に来ていただくには、今の業態、お店の作りではダメなのではないかと思っていることも理由の1つです。商品が並んでいるだけなら、ネットで十分です。お店に集うからには、何か理由がいる。それを東京店再開までの1~2年でじっくり考えたいと思っています。

コロナ以前とコロナ以後、本当に考え方を変えなければならないときにきているのだと思います。

メリ

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