転機を待っている人へ
ここのところ、『サードドア』という本を読んでいた。
本を一行も読まない日はないくらい毎日何かしらは読んでいて、どんな本にも面白い部分は必ずある。けれど、今回のサードドアは超大ヒットだった。
人の「サクセスストーリー」の力強さを改めて思い知った。
うだつの上がらない若者が、ふと思いついたアイデアを叶えていく物語。失礼なこともしてしまうし、常識はずれで、無鉄砲で、小心者な面もあって。それでも、自分で人生を切り拓いていく姿に、胸が熱くなりっぱなしだった。
私はレディ・ガガにインタビューしようだなんて思いつきもしないし、そうだ!クイズ番組で優勝して資金を作ろう!と思いつきもしない。
規模は確実に違うけれど、私は私のサクセスストーリーをこれまで描いてきた。
仕事を辞めるのなんて夢のまた夢だったところから、独立した。
単価すらなかった無料体験セッション祭りから、高単価のコーチになった。
通勤片道二時間から、家で快適に楽しく仕事をしている。
二人目の産休は言い出しにくいから、妊娠はもっと先かぁ、と思っていたけれど、退職が決まっていたから今の娘がいる。
全国の人が知るような、大きな偉業を成し遂げてはいない。けれど、これだって、めっちゃすごいことだと思っている。
私は私の人生を、ちゃんと切り拓いてこれたのだ。
その姿を見てくれた人が、クライアントさんになってくれて、私はまた幸せになって。
この本を読んでいる間は、サクセスストーリーに触れていたからか、読みながら何度も自分の転機について考えた期間になった。
全部、勇気を出して飛び込んだことが私をここまで連れてきてくれたんだと、当たり前なんだけど、心から思った。
一度も余裕のチャレンジなどなかった。
初めてセミナーをさせてくれた人にも、そもそもセミナーを任されるなんて思ってもいない時点で少ない有給を使って会いに行ったし、高単価のコーチングをまず買ったのも、高単価のセールスも、自己開示だって、余裕だったわけじゃない。
全部迷ったし怖かった。全部のタイミングで、「くそ、実家が太ければ……」とは正直思っていた。
けれど、やった。全部飛び込んだ。
その全部が、今振り返ると私の転機だった。
『サードドア』の中で、こんな一節がある。
ティッピング・ポイントとは、転機のことである。
著者が「転機が来ない」と嘆いている時に、メンターが言ったセリフが上記のものだ。
本当にそうだな、と思った。
これまでに挑戦してきたいろんなハードル。それが転機だとわかっていたら、向かっていく勇気なんかほとんど要らずに走っていけただろう。
怖くて、ルンルンではダッシュできなかったのは、今から飛ぼうとしているハードルが「自分にとっていい経験になるかわからない」からだ。
そんなハードルにつまづいたりぶつかったり、時にはうまく飛べたりして、今の私が振り返ると、それらが『転機』になっている。マジでよくやってくれた!とセルフスタンディングオベーションしたくなるくらいだ。
昔の記事で書いた気がするんだけど、不幸は待っていなくても突然ぶん殴ってくる。けれど、幸せは、待っていてもなお、勝手にはきてくれないのだ。
ごく稀に、宝くじが当たったりはするかも知れないけど、それだってどう使うかが幸せに関わってくるのだから、やっぱり突然手に入った大金に対しての能動的な態度は必要で。
かつての私は、ずっと待っていた。
いつか報われる日を。いつかスポットライトが当たる日を。
真面目に暮らせば、スーパーのレジ待ちみたいに順番がくると思っていた。
けれど、人生は、スーパーのレジじゃない。
自分で自分を幸せにしてあげるしかないのだ。
あの日、お金も有給残もないのに、休みをとって都内まで話を聞きに行き、セミナーをさせてもらえることになった。
あの日、持っていた貯金全てを支払って、高単価のコーチングを買った。
あの日、これからのことなんかわからないのに、「退職します」と上司に伝えた。
「こんな頑張っているいい人から、お金を取るのがいいことなのか」と迷いながら、初めて高単価の案内をした。
全部、意味がつながったのは後になってからだ。
迷うことがあるのなら、飛び込んでほしい。飛び込んでよかったと思うのは、未来の自分で、今の自分ではないから。
考えるべきはその場所が法的に安全かとか、世論の流れに乗ってないかとか、そういうことで、これが転機になるのかな?は、今考えてもわからない。飛び込んでみることでしか、確かめられない。
そして、これはとっても大切なことなんだけど、勇気を出して飛び込んだのなら、それが無駄になることはない。私たちには紐づける力がある。自分の人生にしっかり責任を持てたとき、ちゃんとさまざまな経験を糧に変換することができるようになる。
他責のままでは、紐づけるのは難しいのだけど。
自分で決めて、自分で飛び込む。それは本当に本当に怖くて、孤独で、でも気持ちの良いことだ。
私のところには、そうやって立ち向かってきてくれたクライアントさんがくる。飛び込んだ先が、せめて孤独じゃないように、せめて早い段階で転機に変えていけるように、私が手を繋いで一緒に挑戦を経験する。
挑戦者だけが開けられるサードドア。私と一緒に開けに行きませんか。
その開け方を、私は、私のクライアントさんたちは、ちょっとだけ先に経験してきたから。
サードドアについて語ったラジオ
途中で出てきた記事、これでした(一年前の記事)↓
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