最高の米粉パンを求めてpart2


ひどい米粉パンを食したお陰で、最高の米粉パンを作るべく奮闘している日々が続いている。(下記の過去記事参照)


うっかり米粉パン道に足を踏み入れてからというもの、中々シャバに戻れやしない。なぜなら、米粉パン作りは非常に難解であるからだ。

うまく作れてしまえば、すぐに「こんなもんか」と飽きてしまうだろう。しかし米粉はちっとも飽きさせてくれない。それ以上に毎回問題を叩きつけてくるではないか。

ことの発端はこうだ。

ベーシックな型流しの米粉パンがうまくいくと、難易度が高い形成パンに手をつけはじめてしまった。人生で一度も聞くことがなかった「サイリウムハスク」(米粉形成に必要なあやしい響きの魔法の粉)を手に入れ、まずはあんぱんに挑戦してみるのだが、もっちゃりとしたお焼きパンでしかなく、思わず眉間にシワを寄せて食した。

不味くもないが、美味くもない。だいたいなんなんだこの、もっちゃり感は、パンはふわっとしてるからパンではないのか?あんた一体どういうつもり?パンに問いかけるも、無言である。

「お前がうまく作ればいいんじゃないのか」と、米粉界隈の主が喋ったような気がした。もう完全にシャバに戻れない境地に来てしまったと耳を疑った。

大事なのは引きずらないことである。気分転換に夫がオススメしてきたパン屋に行ってみる。店前にはすでに列ができていて、驚くことにそれが途切れることがないのだ。ずいぶん景気がいい店だなと思いながら10分ほど待つ。

店内は狭いがスタッフは4名ほどいて、他のお客さんたちの吟味する眼差し、「もういつものこれと決めてきた」と言わんばかりの盤石たる表情を見ると、すっかり舞い上がってしまい、ついつい「シナモンロール」や「パンオショコラ」などミーハーなパンを頼んでしまう。とうもろこし粉のパンも選びつつ、「カルダモンロール」なるものにも目移りしながら、「今回はこれでっ」と厳選し購入したわけである。

ふう、と息をついて店を後にして5分後、歩きながら急に思い出した。

「ここはサンドイッチが有名な店や、サンドイッチ頼んでなかった!」と心の中で叫ぶ。この店はパンの種類や中の具材も選べて、頼んだらその場で作ってくれることで有名で、どおりで店の中で何かを待っている客が多かったのである。

また引き戻して列に並ぶか、このまま帰るかで5秒迷ったが、すぐに店へ直行した。行列のできるカレー屋に行って、カレー頼まないで帰るのと一緒だ。心なしか、店員も「お客さん、それだけでいいんですか?」という表情をしていたような気もしてきた。

また列に並び、満を持してサンドイッチを注文し、任務完了ばりの安堵感と共に帰宅する。

期待で胸を弾ませながら、サンドイッチを食すが、可もなく不可もない味であった。だがその後にミーハー気分満開で頼んだシナモンロールの味に胸がときめく。ふわっふわの生地にシナモンと砂糖のハーモニー。長らく小麦粉のパンを食べていなかったわたしは、小麦粉万歳!と心の中で花火を打ち上げた。

良い気分転換になったところで、再挑戦である。

米粉のシナモンロールだ。いろいろなレシピを探し、これは、と思うもので作ってみる。どきどきしながら作ったわりに、やはり結果はもっちゃりとしたシナモン味のお焼きだった。

また惨敗だ、、がっくりと肩を落としながら、解決策を何気なくネットで調べてみると、どなたかが「米粉形成パンにはイヌリンを入れたらふわふわになるんです♡」と記事をあげているのを発見した。

イヌリン。

まただ、米粉パンを作ってるとよくわからない名前が度々登場する。

イヌリンとはタマネギやゴボウなどに多く含まれる水溶性食物繊維の一種であるという。

サイリウムハスクにイヌリン。RPGに出てきそうなキャラクターの名前ばかりじゃないか。


もうわけがわからない。


最高の米粉パンを求めてまたまだ飽くなき挑戦はつづく。






記事を気に入っていただけたらサポートお願いします。それを元手に町に繰り出し、ネタを血眼で探し、面白い記事に全力投球する所存です。