母親らしさって



学校や習い事の場で、母親同士が会話をしているのを見るたびに、違和感を感じることがある。

みんなまっとうな母親の顔をしてる。
子どもの話をする度に、もう子どもの話なんかしたくない、あなたの話は?あなたの話を聞かせて、という衝動にかられる。
学校や子どもという共通の話題しかないから、当たり前なのだが、ほんとうに?と思う。

みんな本当にその会話したいと思っているの?
退屈そうにぽつんと待機している父親たちの方が、何故だか自然に見えてしまう。

私は母親らしい振る舞いというのは、時には社会から迫られた暴力にも思えた。

昔保育園で、自分から挨拶もしないし、誰に対しても素っ気なく、必要以上の会話をしない母親がいたのだが、彼女が子どもを送ってくる道中で、タンポポを見つけ、子どものような横顔で種をふうっと飛ばしている瞬間を見てしまった。
彼女は誰々の母親である前に、個人としてその場に立っていて、その光景は純粋に美しいな、と思った。


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