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ポンコツのススメ

老害とかお局という単語をネットで見るたびにひやひやするお年頃になってきた。

先日、サイボウズ勤続15年目の記念ボールペンをいただいた。
短大在籍時から、某外資系グループウェアの会社で働き始め、転職を重ねて現在のサイボウズが4社目。気が付いたら社会人26年目を迎えていた。

社会人26年目(サイボウズ勤続15年)

字ズラだけ見ると完全にお局であり、老害たりうる長さである。
老害って、今までのやり方を変えることに拒否反応を示すとか、自分の専門領域がなくなるのを極度に怖がる、なので業務がブラックボックスになったり無駄な仕事が減らせないというイメージがある。
さて、実際のところはどうだろう。恐る恐るちょっと振り返ってみよう。

サイボウズ入社前は2-3年スパンで紹介された会社を渡り歩いていたため、毎度違う仕事をしていた。(IT企業でデモ作ったり個人向けサービスの事務局したり→顧客管理のデータベースいじってた→TV屋でAPとかADとかセレクトショップやってた)

サイボウズには15年以上在籍している。最初はデヂエという誰でも簡単にデータベースを作れるという製品のサポート担当として採用された(現在はサポート終了)。その後、マーケティング(Webやカタログ、ノベルティなどの制作物全般のディレクション)、広報、イベント、Webディレクター、Webインフラなど、希望したりしなかったりでかなり移り変わってきた。たまたま組織再編があったり、新たな業務が降ってきてそこに手を上げちゃったり、元々飽き性という性分にもあっていて流れに任せてのらりくらりと仕事をしてきた結果、同じ業務を長く続けてきたことがない。

つまり、どの職務についていた時も、その道を究めたプロフェッショナルになれてないから、「これは〇〇が正解」と言いきれず、基本的には「〇〇であってますかね?」と伺うスタンスのまま点々と渡り歩いてきた。さらに良くも悪くも慣習が身についてないから、それってそもそも何のためにやってんの?無駄じゃない?ってことも言い放ってきていた。

2年前、ひょんなきっかけからWebインフラ担当になった。社会人歴のほぼすべてでIT業界に在籍してはいたものの、文系出身でHTMLすらあやういというスペックで飛び込んだので、ズブズブの素人からのスタート。

もうこうなると素人のポンコツを隠すより、逆に前面に出して周りの知見をお借りしたほうが早いので、「素人ですみません」の枕詞を武器にいろいろと質問を投げ、確認しまくる。

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(サイボウズ社内は特にかもしれないけど、)世間は意外と優しくて、わかってないからと無下にせず親切に説明してくれるし助けてくれる。

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ちんぷんかんぷんな状態から一歩脱却し、どんな調べ方をすればいいかのアテがついてくる。

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調べても理解が追いつかないところは改めて質問と確認を繰り返し回答を咀嚼する

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だんだん回答の意味が分かるようになる。点と点がつながるようになり、何とか業務として回して行けるようになる。

よくよく考えるとこんなサイクルを毎度新しい業務に付くたびに繰り返していた。逆に年を経てからの方が堂々と「わかりません」が言えるようになってきたかも。
そう自信が持てるようになったのも、素人だけど色んな業務を見てきたからこそシンプルにその物事の本質をとらえ、必要なもの・不要なものが見えてくる事があるという成功体験を何度か重ねたからだ。とはいえ、自分が見えている範囲は一部だけなので、そういうこっちゃないという意見をもらったら、素直に受け入れる謙虚さも忘れずに。

上司(林田@サイボウズ)のnoteにもあったけど

「自分の担当業務でそれなりに成果を出した」人が一転老害になりうる可能性を秘めている

なら。
ずっとポンコツのまま、何とか業務を回していくって道もありなんじゃないかしら?

なんてことをつれづれおもう秋の夜長でした。

※写真はカレーショップ フェンネル @西荻窪


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