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─『ジョジョ・ラビット』

2020年映画初めはジョジョ・ラビットでした。

ちゃんと(?)TOHOシネマズで観ましたよ(詳しくは前回のnoteへ)

見終えた感想をメモ程度にしか残してなかったので、簡潔にTwitterで供養するつもりだったのですが、意外と長くなりそうだったのでここにまとめます。まぁいつもよりも適当に。

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脳内からこぼれ落ちないうちにぱぱぱっと入力したメモ。適当オブ適当。そういえばキング・オブ・コメディをまだ観ていないことを思い出した。

①消せない事実
これは戦争について、ヒトラーについて、ナチズムについて。連合国がどんどん戦争に勝っていくというニュースが劇中で流れた。日本の名前は、イタリアが戦線離脱した後に残っている国のくだりで登場した。忘れがちだけど、当たり前にこれが過去の事実。消えないし、消してはいけない。バイアスのかかった主観だけど、「アジアにおける日本」の歴史を知らない人が多すぎる気がする。

②母の日
この時代の(ドイツにおける)「母親」の役割は、劇中の女性のように「18人を生む」ことだった。ドイツ人女性が子供を産むことは、アーリア人の兵士を増やすことに直結するから。つまり富国強兵策。詳細は忘れたけど、プロパガンダとしてきっちり「母の日」は利用されたということを、ジェンダー関係の講義で学んだ記憶。どこかに、母の日の時代毎の変遷を内容とした本があると思う。

前線で戦ってる父親が映像で一切出てこないあたり、前線と銃後をきっちり分けて、銃後は銃後で戦争だったと言う事実がくっきりと浮かんで来る。前線にはほぼ男性しかいないけど、銃後には女性も子供も障害者もいて(もちろん男性も)、なんというかそこにも焦点が当てられていた気がする。そして主人公のジョジョは子供であり、後発的な障害者でもあった。

戦争映画となると、やっぱり兵士となった男性に焦点当てられがちだからな〜。ノーランのダンケルクとかはまさにそんな感じ。

③オバケ
ヒトラーのオバケに、インゲのオバケ。翻訳される前は「オバケ」をなんと表現していたんだろう。日本人の想像するオバケと、向こうのほうで想像される「オバケ」は違うような気がする。

④ウサギ
最後の方ウサギさん要素が何処か行ってしまったような…うーん…

⑤心境の変化
全編を通して、ジョジョの心境の変化がメインに描かれていた気がする。

⑥愛だとか多様性だとか反戦だとか
若干詰め込みすぎでは〜と感じた。

⑦絶望は終わりじゃない
確かリルケの詩の一節。これには何重にも意味が込められているんだろう。

ところで、母親の死の描かれ方が妙にあっさりしてた。え?本当に死んだの?みたいな。顔映らなかったし。靴だけ。あとはジョジョの悲しむシーンと、周囲からのお悔やみの言葉。少年に愛といえば母親を連想するけど、本作での「愛」は、多分、異なる文化的背景を持つ人への「愛」に焦点を当てたのかな。つまりユダヤ人の彼女。

個人的には左遷されてしまった将軍が好きだった。恐らく左遷された理由は、ジョジョの母親が死んだ理由と似ていて、だからこそ最後にドイツ兵だからという理由で処刑されてしまうのが悲しかった。
そして多分彼は「マイノリティ」。ユダヤ人も、あの時代のマイノリティだった。また、彼は迫害があったことを利用してジョジョを助けてもいる。ドイツ人である将軍が、ドイツ人の子供であるジョジョを「ユダヤ」と罵るふりをして助けるなんて、なんとも奇妙な話だ。

見た直後はなんか微妙かな〜とか偉そうにも思ったけど、思い返してみるとなかなか素敵な映画でした。おしまい。気が向いたらまとめ直すかも、しれない。

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#映画 #感想 #エッセイ  

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