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ソムリエになるまでの道のり

こんにちわ。私がソムリエ試験に受かったのは2010年。今日はそれまでの道のりを少し、自己紹介がてらお伝えしたいと思います。

もともとエンターテインメントの世界に憧れていてコンサート制作や舞台制作などをやりたいと思いその道の専門学校に進学、卒業後TV制作会社に入りADをやっていました。毎日が無我夢中でしたが楽しかったです。当時はまだお酒もほとんど飲めず、カシスソーダーとかカンパリとかそんな感じのお酒をカフェバーみたいな所で飲むような感じで食の道にもさほど興味がありませんでした。25歳になった時にディレクターになれなかったら辞めようと思っていたのですが、あっという間にその日を迎え、あっさり辞めてしまいました。(入社するのは苦労したんですけどね、、、若気の至りです)

目先の楽しさだけを求めるような20代でしたので(今も変わりませんが)TVを辞めてからも何しようか決めておらず賄いがあるから、って理由だけで飲食の道に入りました。
最初に入ったのはいい食材を使って丁寧なお料理を出す居酒屋さんでした。ここでは日本酒、焼酎がメインでワインは1,2種。滅多に頼まれなかった記憶です。この時点でもワインとシェリーとブランデーの違いがよくわからない位のレベルでした。


居酒屋で3年ほど働いてから洋酒に興味をもち当時接客がかっこいいと思っていた某チェーンのBARにアルバイト入社。バーテンダーとしてカクテル、ウィスキーに興味をもちました。この頃位から先輩に連れられて飲み歩く日々が増えてきてちょっとずつお酒に強くなってきました。当時はよくスコッチを飲んでいました。この時点でもウィスキー、カクテルがメインのBARだったのでワインにはほとんど触れず、、私の興味もウィスキーの方ばかり向いていたのでまだ知識0に近い状態でした。
そのBARが新しくダイニング業態を出店するとのことで私はそこの配属になりました。ダイニング業態なのでワインが10種ほどはあったかと思います。それでも私は赤と白の違いがわかる程度で抜栓すらもうまく出来ない状態でした。(当時31歳)
ある日の営業中、常連様よりワインについて尋ねられました。多分「ボルドーワインはあるのか?」といったような簡単な質問だったかと思いますがその頃の私は「ボルドー」「ブルゴーニュ」の単語すら知らなかったので「???」の顔をしたまま固まってしまいました。それを見たお客様が「話しにならないからサービス係を変えてくれ」と。もう、悔しい思いでいっぱいでした。その時はっきり“ワインを勉強しよう!”と思ったのでした。

せっかく勉強するならば資格をとろう!もう30歳を迎えていた私は飲食の現場は体力勝負だし、いつまで現場に立てるかわからないし!資格持っておけば違うアプローチで仕事できるかも!そんな単純な理由でソムリエ試験を受けることに決めました。
それからワインスクールを探し入学、参考書や問題集を買って勉強を始めました。しかし元々お酒に弱い私はワインがほとんど飲めず2,3杯で、もどしてしまうほどだったので正直ワインが美味しいだなんて思いませんでした。勉強も興味で、という感じより義務教育の時に受けたような気分で無理やり勉強している感じでした。とにかく知らない言葉ばかりで四苦八苦し当時は今と違って年1回キリの試験でしたが、一次試験で敗退。

で、勉強始めて2年め。やっと単語を理解し、地理を覚え、問題もある程度解けるようになり2度めの試験。1次試験は正直楽勝でした。(何故なら過去問題がたくさん出たから。)この頃でもワインは3杯が限界ギリギリ(というよりちょっとアウトくらい)。まだワインを美味しいと思って飲んでいませんでした。今思うと日々飲み慣れていないし知識も乏しいので自分で飲めるワインを選べてなかったのかと思います。またワインの知識を情報交換するような仲間もいませんでした。

2次試験のテイスティング対策。私はスクールの通販を使ってスタンダードの品種の飲み比べセットみたいのを購入。家でラベルを銀紙で隠してシャッフルしながらブラインドテイスティングしていました。
(こんな感じで↓)

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今だから笑えるのですが、実はその時のピノノワールはブショネでして。ずっとカビ臭いのがピノノワールだと思っていました。なぜ疑わなかったのだろう、、、過去の自分よ。そんなでも2次試験も無事突破。なんとか2年ごしでソムリエ称号を手にすることができました。(当時33歳)

とまぁそんな感じで最初はワインにそれほど愛を感じていないのに、ちょっとしたきっかけでワイン業界に足を踏み込んだのでした。
今思うのはもう少し早く飲食業界に入っていればよかったなぁと思います。
ワインが面白いなぁとか生産者さんに興味を持ち始めたのはソムリエになってから更に3、4年後くらい経ってからです。
こんな遅咲きでも好き好き言っていればいつの間にかワインバーの内側に立っているのですから人生、面白いものですね。
出逢う人に恵まれてここまで来たんだなぁ、、、と最近よく思います

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コロナ渦になり一度飲食業を辞めてみたりした事もありましたが、やはり飲食業、楽しい仕事だなぁと再確認しました。
さらにお酒提供が出来ない期間を経験し、お酒を出さない営業も少しは考えましたがやはり私はワインを売りたい、ワインの美味しさを伝えたい、お客様と共有したい、、と改めて思いました。
こんな風に自分が思うのを発見できただけ、コロナ休業も少しは(私の)役に立ったな、、、と思ったのでした。

早く皆様が安心して心置きなくワインを楽しめる日が来ますように。

Amilas店主:加藤あゆ美

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