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【散文】青年の行動

 朝五時。居間では老夫婦が神棚に向かって手を合わせている。二人は毎朝三十分程度、世界平和や家族の健康など祈りを捧げる。その祈りの項目に最近新たに一つ加わった。それは息子の恋愛成就である。引きこもりの息子が最近頻繫に出掛けてるようになり、そうとなると親である二人は何かあると考えた。そんなある日、街中で母親が、息子が女性とカフェにいるのを見かけた。そこで、息子は恋愛をしているのではないかと結論付けた。それは二人にとっては喜ばしいことである。必然的に朝の祈りの時間も増えた。

 二人がお祈りをしている最中に息子は珍しく居間にやってきた。そして二人に「最近一夫多妻制を目指す集会を開いてるんだ。よければ来てくれないか」と言った。二人は最初目を合わせて戸惑いの表情を浮かべたが、次第に二人は喜々とした表情に変わっていった。

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