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【詩】季節の桜
浮き足だった鏡にだけ桜の花弁は写る
その鏡の裏側には吐瀉物の美学が語られている
通り過ぎていくジリ貧の男はその鏡の存在に気付かない
池のほとりに絶縁体の真珠がひっそりと佇む
それは電気によって照らさる
月はただただそれを見守る
行列は永遠の川に接続する
わたしはその行列の往来のなかに立ちすくむ
杞憂の言葉が頭の中でグルグルする
掌に映し出された桜は桜のような顔をしている
あなたはその桜に刹那の燦きを探している
わたしはあなたを眺めながら愛の言葉を見繕う
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