「働くことと愛すること」東畑開人さんの本を読んで
「こころ」について考えてしまうあなたに、教えたいのは臨床心理士の東畑開人さんの本です。
東畑さんの本で読んだのは2冊目。今回は『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』という本を読みました。この本もとても刺さるものがあります。
「愛すること」の本質は「いる」こと
3章「働くことと愛すること」には、私たちの人生に現れる「働くこと」と「愛すること」が描かれます。深層心理学者フロイトの言葉です。
「働くこと」とは、なんらかの目的があって、それを達成するために「する」こと。
「愛すること」とは、その目的は「愛すること」そのものにあります。
この部分がとても印象に残りました。
私は高校の時に父が亡くなっているのですが、お母さんがいつも「私にはお父さんだけでいいんだもん」とよく言っているんです。
私は、老人ホームでも恋愛が生まれているのを聞いたことがあるし、お母さんの人生もまだまだ長い。
だから「これからのことはわからないじゃん」と答える。
だけでも、亡くなった人のことをいつまで思ってられるんだろう。
そこに存在しない人のことを、どうしてずっと思ってられるんだろうって思うんです。
でも私もお父さんのことを思わずにはいられません。
亡くなって何年も経ったのに、今日も変わらずにお父さんのことを思って涙が出る。
いつになったら涙は枯れるんだろうか?
どうしてここに居ないのに思わずにいられないのでしょうか?
そして東畑さんはこうも書いています。
「心の中では大切な他者と一緒にいる」。記憶は財産。
そうかもしれません。
心の中で大切な他者と生きていて、その人のことを思って慰められるのであれば、それで十分。
いや、やっぱり十分じゃないかもしれない。その人はその人しかいない、だけど。
そうして今日もグレーな感情を見つめて過ごしているのです。
もう会えない人を偲びながら。
(あとがき)
嵐の大野くんの名前を最近見た時、芸能活動を休止していて、しばらく見聞きもしていないのに、大野くんの名前を見るだけでとても嬉しかった。
その人のことを応援していた記憶が、私の中に大切なものとして残っている。だから今遠い存在でもとても嬉しいのだと思います。
その記憶とか思い出があるから。
そんなこともちょっと思いました。おまけです。
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