すべてが真っ白な部屋の隙間で。
心臓のあたりがとても重たい。
指先まで凍るように冷たい体。
頭にはきっと酸素がうまく行き渡っていない。
夕陽が皮膚を通したピンクと黒でチカチカする。
イヤホンから流れる好きだったはずの音楽さえ、今は私の心を揺さぶらない。
サブウェイが最寄りの駅に着く前から、鍵は握りしめていた。
すべてが真っ白な部屋に辿り着き、鍵を閉める。
壁とベッドフレームの隙間にカラダを入れ込む。
カラダが圧迫され、強くハグされた時のような安らぎが訪れた。
大丈夫、私はまだ存在している。
▼「短文バトル222」に参加しています。
▼オススメ記事
好奇心を広げるための旅の資金にさせていただきます。 サポートありがとうございます。