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「稽古」の話

稽古って言葉、ご存知ですか?
芸能とか武道とか、いわゆる”道”系でよく使われる言葉です。

この稽古という言葉の意味をふと教えてくれた友人がいました。

稽古の「古」は文字通り「いにしえ」を意味するのですが、稽古の「稽」には「かんがえる」という意味があるとのこと。

また古事記にはこの2文字が含まれた以下のような序文があります。

古(いにしえ)を稽(かんが)えて以(もつ)て風猷(ふうゆう)をすでに廃(すた)れるに縄(ただ)し、今を照らして以て典教(てんきょう)を絶えんと浴するに補(おぎな)わずということなし

現代語訳するとこんな感じ。

昔のことをよく学び、すでに廃れてしまった道や徳を見直し、今の基準とすべく失われかかっている尊い文献を補うために、この古事記を書き残しておく

さらにここから生まれた「稽古照今」という四字熟語には「古から学び、今に照らし、現在の指針を見いだすこと」という意味があります。

…なんか、あんなに嫌いだった「稽古」という言葉が、いきなりめちゃくちゃいい言葉に見えてきました。

特に指針を見いだすところが好き。

ただ繰り返し学習するだけではなく、過去と現在地、またこれから自分が目指したい姿との差分を分析して、どう進むべきかを考える。

これがまさに"道"系で「練習」ではなく「稽古」という言葉を使う理由なんだなと改めて感じました。

そして日頃の様々な「練習」も「稽古」に置き換えると、いつもと違う景色が見えてくる気がします。

たとえば「ピッチ練習」を「ピッチ稽古」にしてみる。

「ピッチ練習」だと、どこかで決めた100点満点のピッチを本番で成功させるために繰り返し練習していくイメージ。
「ピッチ稽古」だと、繰り返していく中で柔軟に100点満点の基準を変えて内容もしゃべり方も伝えたいこともアップデートしていくイメージ。

稽古になった途端、繰り返しの中にストーリーが見えてくる気がしました。

どうしよう、すっかり稽古の虜になってる。
きっと、このnoteを書くことも稽古なんでしょうね。

自らの指針を見出すために、しばらくnote稽古を続けてみようと思います。

ではまた!



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