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事務所をフリーアクセスフロアにしたおはなし

こんにちは、amisanです。前からだいぶ時間が経ってしまいました。
最近は退職に向けて資料整理をしています。退職まであと2.5か月。
データ整理と紙ベースの打ち合わせ図面や資料を整理していたら、
忘れもしない事務所をフリーアクセスフロアにしたときの資料が出てきて。
キャビネットの1/3を占領していた資料をやっと捨てる事ができました。

ハウスメーカーなので、建材が更新され廃番が増えてきたり商品自体が更新されたりすると、案内をする展示場を何年かおきに建て替えたり、移転したりと大改装をします。

が、社員が仕事をするだけの事務所を改装するのはとても珍しい!

ちなみに私が働く事務所は借り事務所なので、おかえしするときは復旧しないといけないルールなんですが、もう何十年もオーナー建設会社から借りているのでおかえしするときは倒産するときかなと思います。
もう新築で建てられるくらい賃料払ったのでは・・・

4階建てRC造のビル。
何でフリーアクセスフロアにしたのか経緯はよく覚えてないんですが、
事務所改装するからプロジェクトを組むと言われ、いつものように適当に人員を選ぼうとしようとしていたので立候補。
こんな経験はハウスメーカーじゃ普通ありえないので当初は一人だけわくわくしていました。


・コクヨさんのフリーアクセスフロア案

プロジェクトが発足したのは4月。工事はお盆休み中の8月。
と聞いて、は??短くない??と思ったことはとても鮮明に覚えています。
しかも、4月集まったときにはまだ何も決まっていない状態。
さらにさらにミーティングは月に1回。すごくのんびりしてました。
ご協力いただいたのはコクヨさん。
家についてのプロ組織のはずなのにコクヨさんのプランを出されて、いいんじゃない。で流された感じに2回目のミーティング終了。

コンペするとか、社員に意見聞くとか無いの??とガッカリしていました。
プロジェクト組んだ意味・・・

確かに、コクヨさんのプランは斬新で、席が斜めやら円形やら楽しそうではあったけど、圧倒的に席数が足りず。
絶対に困るな・・・という焦りがありました。

・amisanのフリーアクセスフロア案

これではこのままコクヨさん案が通過し、集められたプロジェクトメンバー
何もしない感じで終わる!!しかも席数確実に足りてない!
これ、社員に会社のお金無駄遣いしたって言われるやつ!と思い。
リーダーの人に別案考えてもいいですか?と聞いたところあっさり快諾。
極力楽しそうになる案は残しつつ、席数+20を実現。
(それでも席が足りてないと完成後ぷりぷり言われましたが・・・)
いとも簡単に案が通過しました。聞いてみてよかった。

・キャビネットの数、大きさ、備品について

一つのフロアに総務・事務・新築とリフォームの人員が収まるよう、また閲覧するカタログや資料が収まり、事務用品や備品も納めないといけない。
それはそれは膨大な数。なんせ2~4階に分散していた社員。
そして物件ごとのミーテイングもできるようテーブル、席、ホワイトボードや掲示板・行先ボードなどの備品類も必要。コピー機やコピー用紙、文具などのストックはどこに置くのがいいか。フリーアクセスフロアのため、社員の半数以上がノートパソコンになり。個人用の収納ボックスや個人情報を含む書類の投函先など、考えること山積み。
リーダーの人、実は総務部で社員が仕事をどうしているかをあまり見たことがなく。何がどこにどれだけ必要かがわからず苦戦していました。

重複するカタログは捨てる・これを期にいらないものの選別をしてもらう。新しいキャビネットの部署ごとの振り分けをしたり。足りるか見てもらったり。自分で測量したり。図面も展開からキャビネット詳細、平面図・部分図と結構な量。通常業務こなしながらのサービス業務。

持ち出し用の資料置き場、個人情報のセキュリティエリア、内勤社員の固定席とキャビネットの数などなど。
カタログや資料も高さが様々でキャビネットは発注前にギリギリで変更するなんて事もあり、予算オーバーになりそうでここ削ってここ足して、各部署に聞いてもらって調整していました。

オフィス改装などを提案してくださる設計事務所さんは一体どんな作業をされているのかとても気になりました・・・

キャビネットは高さ35センチが4段くらいを8個でカタログを収めてもらい。
持ち出し用は別の階にエリアを確保。
備品は重複するものは集約し、紙ベースはデータベースに変え。
保存もデータベースに変更。キャビネットは用途がはっきりしているものとなんにでも使えるよう用途を決めないもので事務所をなるべくでこぼこしないよう配置しました。

・人と人の調整

事務所フリーアクセスフロア化で一番苦労した点。それは人間関係。
正直、私も在籍年数がそこまでないので先輩方に指示を促すのは正直やりづらかったし、それ、消防法上まずいのでは?とか、建築的にどうなの?と思うこともはっきり言ってお客様以上に伝わらない事もあり、あーむずかしいーと嘆いた事もありました。

ただ、京都のアニメーションスタジオの火災の件もあったしそれ以前に建築会社なので見栄えとかただ便利性だけとかはダメです!と一応の建築士の意見ははっきりお伝えし、折衝案で合意。
セキュリティカードで出退勤も管理するのでセキュリティゾーンもわけないといけなくて。労働基準法の関係で休憩室も必要だったり、食事をしたり少し談笑できるエリアもいるって言われたり、オフィスグリコ入れるとか。
工期短いながら、通常業務もあり、ストレスで眠れず蕁麻疹がでる日々すごしていました。

・お盆休みの突貫工事

工事に入る前に、入口のドアもオートロックのドアに変更しないといけないのでデザインしてほしいといわれ数枚案を出したら、セキュリティの電気配線が通る案にしてほしいと変更、結局予算との兼ね合いもあり普通のドアになりました。Panasonicのクラフトレーベルの様な感じ。

自分が作図したドアが今後しばらく使われるであろう事。
プランが採用されたことはとても光栄な事だーと前向きに突貫工事に突入。
お盆休みで社員が出社しない期間で、古いデスク・椅子の搬出、キャビネットの解体・撤去。あっという間に空っぽに。

天井の塗装、壁の塗装、クロス工事~配線・デッキ材の敷設。ソフト巾木が入ってコーディネーターさんにきめてもらったタイルカーペットが敷かれあれよあれよとほぼ完成。
カーテンが設置されキャビネットが搬入。図面の精度に不安があったけどほぼ狂いなく図面通り仕上がっていきました。

リノベの図面は不完全なのが通常。絶対に納まり悪いところが出るだろうと思って待機していましたが、なんなく搬入完了。
完成の写真撮り忘れる大失態をおかしましたが。セキュリティの関係上公開もできないので撮ってもなーな感じですね。

・フリーアクセスフロアその後

工事が終わってはや2年が経過。
当時、フリーアクセスフロアは、グループ会社先駆けだったこともあり。
支社の人が見学に来たり、ザ古びた昭和事務所からきれいな事務所になった事に、色んな人にわー!と言ってもらえる事もあったと思います。

が、なんだかよくわからない。もやっとする事態。
どこにも参画してない責任者が『どうですーすごいでしょー』
というのを聞いて。いや、なんもしとらんやん!(決済は出したのかな)
という目で見てしまう。
こういうのを『いいとこ取り』というのでしょうね。
とりあえず我がままは言ってたな。(急にね、予定外のね)
経験値だけいただきました。ありがとう。
評価には全く反映されなかったけどね!(こういうの搾取っていうのかな?)

さて、そんなフリーアクセスフロアのその後。
笑ってしまいそうになるほどみんな同じ席から移動しません。
ただ仕事道具を個人キャビネットに収納し、片づけるだけの固定席と化しました。

完成した直後も現在も、席数が少ないと言われ。
人事異動で固定席メンバーが増え席数が不足したり。
お気に入りの席から移動しない人達のおかげで結果フリーアクセスフロアの意味無いただの事務所斬新に変更しただけ。
観葉植物は置いてみたものの成長しすぎて葉っぱが通路の邪魔になり
葉っぱが傷だらけでかわいそうな事態。

今まで階が別々だったため、コミュニケーションがとれてなかった部署間の隙間が少しは近づいたかな。くらいは成功なのかなーと思います。
そして私自身の勉強にとてもなりました。
人をよく観察するようになり、作業同線をすごく考えるようになりました。
色んな人と折衝するうちに、説明が上手になったかなーと思います。

今回3500文字超えてますね・・・またも長々となってしまいました。
駄文となりましたが、読んでくださりありがとうございます。

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